アフリカにおける日本企業の動き(2026年9月)

アフリカにおける日本企業の動き(2026年9月)

(写真はガーナのカカオ農園、ABP撮影)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

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【南アフリカ】三井物産が出資するUAEのC&I向け分散型再生可能エネルギー事業者Yellow Door Energyが、南アフリカで計画する太陽光発電プロジェクトへの融資引き渡しが完了、建設開始へ(9/2)

UAEのC&I向け分散型再生可能エネルギー事業者Yellow Door Energyが、南アフリカの大手金融機関Nedbankとの間で、南アフリカNorth West州で推進する49メガワットの太陽光発電プロジェクトLion Thorn Solar Parkに関する融資引き渡しが完了した。これにより建設開始が可能となる。

プロジェクトは2026年9月に着工し2028年の試運転を予定している。稼働初年度には約115 GWhの再生可能電力を発電し、年間推定10万4,190トンのCO2排出削減を見込む。南アフリカの建設資材会社PPCおよび民間電力トレーダーPOWERXと長期電力購入協定を締結している。

南アフリカの電力供給においては、民間投資の拡大が進んでいる。2025年にNational Energy Regulator of South Africa(Nersa)に登録された民間発電プロジェクトは、推定総額1,580億ランド(1兆5,000億円)、発電容量7,464メガワットに達している。
※1ランド=9.8円(モーニングスター、9/5)

【マダガスカル】豊田通商子会社CFAO Healthcareが、マダガスカルの老舗医薬品卸Ophamを買収(9/4)

豊田通商子会社CFAO Healthcareが、マダガスカルの医薬品卸売・流通Ophamを買収した。取引額は公表されていない。

Ophamは1952年に設立された老舗企業で、医薬品、医療機器、医薬部外品、乳幼児用栄養食品を輸入し、マダガスカル全土の薬局、卸売拠点、病院、診療所向けに販売を行っている。これまでマダガスカルで事業を行ってきたCFAO Healthcare傘下の医薬品卸Laborexの現地子会社は、引き続き事業を継続する。

マダガスカルの医薬品卸・流通は、登録34社のうち7社が民間市場の80%を支配する寡占度が高い市場で、Ophamは、DrogemadやSomapharと並ぶ主要企業である。1,672カ所の医薬品卸拠点と219カ所の小売薬局が所在するが、その約半数は首都アンタナナリボに集中している。

【タンザニア】三井物産が出資するインドPinnacle Mobility Solutionsが、タンザニアに電気バス15台を納入。エチオピア、ガーナ、南アフリカでの組み立て生産を準備(9/7)

三井物産が2023年に出資したインドの電動商用車メーカーPinnacle Mobility Solutionsが、タンザニアのザンジバル自治政府向けに電気バスを15台納入した。さらに150台の納車を見込んでいる。全長12メートルの完全電気バスで、公共交通事業者Global Rapid Transportとザンジバル社会保障基金(ZSSF)が車両の運行、メンテンナンス、ソフトウエアシステム、安全管理に関する現地スタッフの育成を行う。

Pinnacle Mobility Solutionsはさらに、インドから部品を輸出し、アフリカの現地企業に組み立てを委託する準備を進めている。エチオピアではKerchansha Tradingと提携し、電動バス、トラック、三輪を組み立てる計画である。ガーナでと南アフリカでも準備を進めている。

【エチオピア】住友商事が出資するエチオピアの通信会社Safaricom Ethiopia事業が損失を大幅縮小、2027年3月期に損益分岐点到達の見通し(9/7)

エチオピアの通信会社Safaricom Ethiopiaが、2027年3月期に黒字化する見通しを示した。2026年3月期の純利益額は前年比37.2%増の956億ケニアシリング(1,000億円)だった。

Safaricom Ethiopiaは2021年7月にライセンスを獲得し、2022年10月に商用サービスを開始した。この期間、通信網、販売網、技術、事業運営へ巨額を投資してきた。基地局を3,500カ所超設置し、エチオピア人口の約60%をカバーした。すべての基地局が4Gに対応し、5Gにも対応可能となっている。

利益拡大は、モバイルマネーM-Pesaの売上増加と損失の縮小が寄与したという。直近では、90日間に利用実績のあるアクティブ加入者数が1,500万人を突破したという。
※1ケニアシリング=1.1円(モーニングスター、9/11)

【ケニア】ケニアの電動バイクARC Rideが、Novastar Venturesや武蔵精密工業等から3,330万ドルを調達。電動バイク5,000台を導入するケニアでの事業拡大に加え、ガーナ、南アフリカ、タンザニア、ウガンダへ事業拡大(9/9)

ケニアの電動バイクARC Rideが、株式と資産担保型債務を組み合わせ、計3,330万ドルを調達した。ケニアでの事業拡大や電動バイク5,000台の追加導入、バッテリー交換ステーションの拡大およびバッテリーシステムの技術開発に充てる。加えて、ガーナ、南アフリカ、タンザニア、ウガンダへの事業拡大も行う。

今回の調達ラウンドでは、ベンチャーキャピタル英Novastar VenturesとスウェーデンNorrsken22が主導し、国際金融公社(IFC)、英開発金融BII、仏開発金融Proparcoの他、既存投資家である武蔵精密工業、米Talantonが参加した。債務についてはBIIの債務プログラムとサスティナブル投資運用会社の仏Mirovaから確保した。

ARC Rideは2019年にケニアで設立された。ナイロビで電動バイクと三輪の設計と組み立てを行っている。同社のバッテリーは、オープンアーキテクチャかつ相互運用可能というコンセプトで、2026年に提携した中国電動バイクYadeaを含む複数の車両メーカーに対応できるよう設計されている。電力網への依存を減らすため、バッテリー交換ステーションを太陽光発電で稼働可能であるように設計した。

2022年には武蔵精密工業が出資し、パワートレインユニットや部品の開発において協業を開始した。2026年7月には南アフリカでの試験運用を開始し、8月には同国に組み立て工場を設立したことを発表している。

【ケニア】ケニア競争当局が、アサヒGHDによるケニアビールメーカーEABL買収について、条件付きで承認(9/10)

ケニアの競争当局が、アサヒグループホールディングスによる、英ディアジオが保有するケニアの醸造酒メーカーEast African Breweries(EABL)の株式65%の買収を条件付きで承認した。

承認にあたっては、買収取引の完了前に、生じうるすべての未払債務を履行するのに十分な資金を取引の対価から確保すること、小売店に設置する冷蔵ショーケースのスペースの20%を競合他社用に確保することが指示された。

ディアジオとEABLはこの決定を歓迎した。発表を受けて、EABLの株価は最大2.1%上昇した。

【ナイジェリア】東映アニメーションがナイジェリアのアニメ制作会社CR motion+と共同でアニメ制作(9/10)

東映アニメーションが、ナイジェリアのComic Republic社と共同でアニメ制作を行うと発表した。Comic Republic社のオリジナルウェブトーンを原作とし、同社の映像制作部門CR motion+と共同で制作する。2027年上半期の完成を目指す。

CR motion+は2024年に設立された。2Dおよび3DCGの両方の短編アニメの制作実績がある。アフリカ発のオリジナルコンテンツの制作を軸としており、同社は、ガーナのAnimax FYB Studiosとともに、ソニーグループの非営利法人Arc & BeyondとJETROによるアフリカのアニメ制作会社育成プログラムに選ばれていた。

【南アフリカ】伊藤忠商事が協業する南アフリカのグリーンアンモニア開発会社Hive Hydrogen South Africaが、58億ドル規模のグリーンアンモニアプロジェクトで、スペインTecnicas Reunidasに900万ドルの基本設計業務を発注(9/15)

南アフリカのグリーンアンモニア開発会社Hive Hydrogen South Africaが、東ケープ州で進める58億ドル規模の水素・アンモニア製造事業について、スペインのプラント建設会社Técnicas Reunidasに900万ドルの基本設計業務を発注した。

同事業ではグリーンアンモニアを年間100万トン生産し、国内外に供給する計画である。電力は、事業用に開発する合計2,930メガワットの風力・太陽光発電設備から供給する。今回の基本設計は、水素製造、窒素製造、アンモニア合成、工程用の補助設備、貯蔵・輸出設備と関連インフラを対象とする。発電設備および関連する電力インフラは別の作業区分であり、今回の契約には含まれない。

Hive Hydrogen South Africaは、英Hive Energyと南アフリカのBuilt Africaの支援を受け、2019年9月から同事業の開発を進めている。基本設計の完了と所定の技術・商業条件の達成を前提に、事業承認、資金調達、最終投資決定に至れば、Técnicas Reunidasが約18億ドルと見積もられるアンモニア製造設備の設計・調達・建設を引き続き担う想定である。

【ガーナ】明治ホールディングスが、ガーナ政府とカカオ産業の持続可能な発展と循環型経済に関する協力強化に向けたLOIを締結、ガーナAfarinickとは循環型アグリフォレストリーカカオモデル農園の開発に向けたLOIを締結(9/16)

明治ホールディングスが、ガーナにおけるカカオ産業の持続可能な発展および循環型経済に関する協力強化に向けて、ガーナ政府と包括的な意向表明書を締結した。農家支援、人材育成、地域雇用の創出や社会課題の解決に取り組む。

あわせて、ガーナの森林農業再生企業であるAfarinick Companyとの間で、循環型アグロフォレストリーカカオモデル農園の共同開発に向けて、意向表明書を締結した。Afarinick Companyは農場管理、森林再生、持続可能な農業、植林、GIS(地理情報システム)や関連サービスを展開している。持続可能なカカオ農園として、灌漑設備や土地管理手法を取り入れ、カカオと調理用バナナや在来樹種を組み合わせた栽培を行う2,000エーカー規模の農地を管理している。植物廃棄物の循環利用にも取り組む。

日本のヘミセルロースとは、カカオ副産物を活用したバイオプラスチック事業の検討開始に関する意向表明書を締結した。

【コートジボワール】コートジボワール政府が、米国務省が開始したAmerica First Global Health Strategyスキームを用いて、豊田通商が出資する米ドローン配送Ziplineとの8年間の官民連携を承認(9/21)

コートジボワール政府が、豊田通商が出資する米ドローン配送企業Ziplineとの8年間の官民連携を承認した。医療施設に医薬品や医療品を配送する。2023年から運営するDaloaの1カ所から全国10カ所へ配送拠点を拡大する。米国務省が新たに導入したAmerica First Global Health Strategyのスキームを用い、対象となる5カ国あわせて最大1億5,000万ドルとなる初期インフラ費用を米国が負担し、コートジボワール政府がランニングコストを負担する。

Ziplineは2023年にDaloaでコートジボワール政府との事業を開始し、これまでに5地域の220超の医療施設へ355万点超の医療物資を配送した。このうちワクチンは約200万回分、血液製剤は20,500単位に上る。

今後の全国展開では、2,200超の医療施設と1,200万人を対象とし、倉庫、冷蔵保管、在庫管理、自律型ドローン配送、デジタル追跡を一体化し、血液製剤、ワクチン、必須医薬品、緊急物資を医療施設へ配送する。医療施設は需要に応じて物資を発注でき、保健省は注文、在庫量、配送状況をリアルタイムで把握する。これにより、需要を予測し、欠品・期限切れの抑制、コールドチェーンの維持、緊急時の迅速な対応を図る。

【ケニア、南アフリカ】ケニアの電動バイクARC Rideが南アフリカ市場向け電動バイクを発表、事業開始(9/26)

ケニアの電動バイクARC Rideが、南アフリカで高耐久・高積載型の電動バイクPantherを発売した。ケニア同様バッテリーを交換する方式で、商用ライダー向けに販売する。

定格出力5kWで、最大10kWのピーク出力を発揮するモーターを搭載し、平均航続距離は約110キロメートルとなる。292キログラムの積載に耐えうる堅牢な車体で、価格は2万2,500ランド(21万円)からとなる。バッテリー交換ステーションは、ケープタウンとGauteng州ですでに稼働しており、1回あたり50ランド(470円)となる。同社独自の技術により、遠隔データ収集、車両追跡、フリート分析機能が提供される。

許認可のプロセスでは、Western Cape州の支援を受けた。同社は最近、国際金融公社(IFC)、英開発金融BII、Novastar Ventures、Norrsken22といった投資家からシリーズAで3,300万ドルの調達を達成した。
※1ランド=9.5円(モーニングスター、10/1)

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