アフリカスタートアップ白書
アフリカのスタートアップの概要をまとめています。2012年からの10年間に渡ってアフリカスタートアップへの投資案件をすべて記録した弊社作成「アフリカスタートアップデータベース」を元に自社で集計・分析を行いました。

(写真はケニアのパパママショップ。ABP撮影)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
ケニアのAI開発業務請負プラットフォームFuzuとB2BコマースKyoskのスタートアップ2社が、ケニアのアクセラレーターJobtech Allianceから非公開の金額の資金を調達した。
Jobtech Allianceはアフリカにおける就労支援技術のエコシステム構築を目指している。これまで複数の支援プログラムを実施してきたが、現在は関連ベンチャーへの直接投資も行っている。最近では、eコマース企業であるナイジェリアのBumpaとケニアのFlowcart、さらに、ケニアのソーシャルコマーススタートアップTwivaに投資した。
Fuzuは10年以上にわたりアフリカ全土で人材インフラの構築に取り組んできたが、現在はAIデータ運用、評価、品質保証(QA)業務を行うグローバルチームの管理へと事業を転換している。今後6ヶ月間、Jobtech AllianceはFuzuと協力し、海外顧客の直接的な拡大、Fuzu Atlasのポジショニングの強化、そしてより質の高いAI関連業務へのバリューチェーンの拡大に取り組んでいく方針だ。
2019年設立のKiyoskは、ケニア、ナイジェリア、ウガンダ、タンザニアの20万以上の非公式小売業者に対し、在庫管理や配送の安定性、リピート購入など、日常業務フローに関わるサービスを提供している。ケニアに25か所あった倉庫を縮小し、各国1か所に集約したことで、配送ルート単位の経済性をより重視する体制を整えた。
豊田通商子会社CFAO Healthcareが、ボツワナの医薬品卸大手Medswanaの株式75%を取得した。CFAO Healthcareが南部アフリカで構築する医薬品流通網にMedswanaを統合する。
CFAO Healthcareは、1日1万1,000超の薬局に医薬品を配送している。南部アフリカでは2024年に仏製薬大手Sanofiから、南アフリカの一般医薬品製造・販売会社Opella Healthcare South Africaを買収したほか、間接的出資先であるEthica South Africaを通じて、医薬品プロモーションを行っている。
Medswanaはボツワナの医薬品流通の大手で、3,800超の取扱品目と200超のサプライヤーを持つ。ボツワナは南部アフリカで最も整備された医療制度の一つを持ち、南アフリカ市場と強い結びつきがある。CFAO Healthcareは大陸全域で統合型の医薬品流通プラットフォームの構築を進めており、今回の買収で南部アフリカの流通基盤にボツワナを統合する。
日産自動車が、インドで生産を開始するコンパクトSUVのTektonを南アフリカ市場へ投入する。2026年末ごろの発売が見込まれる。日産自動車は南アフリカで60年以上続けてきた車両生産を終了し、生産設備を中国自動車メーカーCheryに売却したものの、南アフリカへの輸入販売は続けることを表明している。
Tektonは、仏ルノーとの提携によりインドで開発され、ルノーのDusterと共通の車台を使用している。インドで販売するほか、アフリカと中東も含めた計50市場に輸出する。南アフリカでは、スズキのGrand Vitara、起亜自動車のSeltos、現在自動車のCretaなどと競合するとみられる。すでにインドから輸入している小型SUVマグナイトの上位車にあたる。
トヨタ自動車の南アフリカ子会社Toyota South Africaが、新型ハイラックスの生産に向けた総額104億ランド(1,000億円)の投資計画の77%超を完了し、南アフリカのダーバン工場で試作生産を開始したと発表した。新型ハイラックスは、欧州とアフリカ向けへ輸出を含めて、最終的に年間約14万台を生産する。投資にはダーバン工場の改修も含まれており、2027年6月に完了する予定である。
新型ハイラックスには、より高度な安全システムと運転支援技術が搭載されている。トヨタ自動車は南アフリカにおいて、中国GWMやCheryと競争している。欧州向け輸出においては、排出規制の強化により、要件に適合するために施設を改修しよりクリーンな車両技術を導入することを迫られている。
今回の投資の内訳は、輸入部品用物流センターとシャシーの表面処理や塗装施設の改修のための32億ランド(310億円)と、新型車の生産準備に向けた先進的製造設備、ロボット、サプライヤー向け金型に要する72億ランドの設備(700億円)となる。
※1ランド=9.8円(モーニングスター、7/18)
ケニアの電気バスBasiGoが、ケニアのガソリン小売Rubis Energy Kenyaと提携し、ナイロビ周辺の郡など主要輸送回廊沿いに一般向け電気自動車用急速充電ステーション4カ所を展開すると発表した。
最初のステーションはMachakos郡に開設され、Meru、Nanyuki、Nyeriにも随時開設する。電気バスのほか、バン、トラック、乗用車などにも開放する。BasiGoはすでにナイロビで10カ所を超える充電ステーションを運営している。
今回設置した充電設備は、CCS2とGB/Tの直流100kW急速充電器を備えており、一般的な乗用車は1時間未満で充電できる。料金は1kWh当たり48ケニアシリング(58円)、75kWh車の満充電にかかる費用は約3,600ケニアシリング(4,300円)となる。
ケニアの車両登録機関のデータによると、2026年1月時点の登録電気自動車台数は3万5,661台で、そのうち二輪車が3万3,374台、三輪車1,065台、バス98台だった。公共充電ポイントは2025年6月時点で約300カ所所在するとされ、その大半が二輪車向けのバッテリー交換ステーションであり、約90%がナイロビに集中している。公共充電ステーションの設置費用は1台あたり400万~500万ケニアシリング(480万~600万円)とされる。
BasGoは今回提携したRubis Energyに加え、Vivo Energyのガソリンスタンドにも充電ステーションを設置している。ケニアにおける大手ガソリンスタンドであるTotalEnergy Kenyaは、電動バイクのAmpersand、Roam、ARC Rideと提携している。
※1ケニアシリング=1.2円(モーニングスター、7/25)
スマートフォン等を対象とするケニアの割賦販売スタートアップM-Kopaの電動バイク融資子会社M-Kopa Kenya Mobilityが、オランダの開発金融FMOから3,000万ドルの優先債務融資枠を確保した。
融資は3つのトランシェで構成される見込みで、2,250万ドルの直接融資2件は、主に電動バイク顧客への新規融資の原資に用いられる。残る750万ドルは既存株主からの借り換えを目的に融資する。
M- Kopa Kenya Mobilityは2023年に電動バイクの販売と融資に特化した子会社として設立された。ケニアで組み立てられるRoam AirやAmpersand Turaco、バッテリー交換式のSpiroの電動バイクとBoltのような配車アプリのライダー向けに融資を提供している。M-Kopaが太陽光発電キットやスマートフォンで培ったPay as you Goの従量課金モデルを用いて、顧客に電動バイクを日割りで提供し、あわせて保険、ロードサービス、盗難追跡、2年間の保証も提供する。
M-Kopa全体の顧客数は、ケニア、ウガンダ、ナイジェリア、ガーナ、南アフリカあわせて1,000万人に達している。売上高は2020年以降年平均50%増加し、累計信用供与額は20億ドル超に達したという。
日産自動車が、エジプトで小型SUV Magniteの組み立て生産および販売を開始した。エジプト政府による自動車生産能力および輸出能力の強化を目指す政策に沿うもので、日産自動車によるエジプトへの投資コミットメント4,500万ンドルの一部からの投資となる。現地調達率は55%超を達成した。年間生産能力は1万台超が増強される。
Magniteは燃費効率、技術、実用性を重視してエジプト市場向けに設計されている。1.0リットルのターボエンジンにX-TRONIC CVTトランスミッションを組み合わせ、100馬力と152Nmのトルクを発揮し、燃費効率はリットルあたり17.3キロメートルである。Global NCAPの成人乗員保護で5つ星安全評価を取得した。
日産自動車は、エジプト市場の新車販売台数において3年連続の首位となっている。
