アフリカ自動車市場・生産の新勢力図と中国車シェア拡大で変わる競争環境
丸紅が、南部アフリカでタイヤや自動車部品の小売、卸売、タイヤ交換、ホイール修理事業を展開する現地企業を買収しました。アフリカではどの程度自動車が普及しているのでしょうか。どのメーカーのシェアが高いのでしょうか。

(写真は日揮がかつて受注したモザンビークの浮体式液化天然ガスプラント、同社PR資料より)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
日野自動車の南アフリカ法人Hino South Africaが、Hino 300 Seriesのディーゼルと電気のハイブリッドモデルを限定台数で南アフリカ市場に輸入販売する。
最初の輸入台数は32台で、フリート運営会社が主要な買い手だという。トヨタグループが世界で提供するカーリースサービスKintoサブスクリプションを用いて提供する。Hino South Africaによると、このハイブリッド車は運用形態により15%〜30%の燃料削減効果があるという。同社は6月にはディーゼルと水素で走る二元燃料試作車のテストも始める。
Hino South Africaの2025年の販売台数は3,178台で、シェア10.2%を獲得した。Hino South Africaの現地組み立て車は、トヨタ自動車の南アフリカ工場のセミノックダウン施設で組み立てられている。2026年初頭には、部品供給を欧州子会社経由から日本からの直接供給に切り替えた。
親会社の日野自動車は2026年4月に三菱ふそうと新会社Archionへと統合したものの、南アフリカにおいてはHino South AfricaとDaimler Truck Southern Africaの一部であるFusoはそのまま分かれて運営されている。
日揮ホールディングス傘下JGC Franceが、仏Technip Energiesおよび韓国サムスン重工と共同で、モザンビークの浮体式液化天然ガス(FLNG)プロジェクトのプラント建設におけるEPCIC役務を受注した。総額50億ドルの受注金額のうち、JGC Franceの受注分は約10億ドル超となる。
伊Eniとそのパートナー企業が所有するMozambique Rovuma Ventureが開発する、モザンビーク沖合のRovuma Basin Area 4鉱区にあるCoral Northガス田におけるFLNGが対象となる。このガス田は、Eniが主体となり中国石油天然气(CNPC)、モザンビーク炭化水素公社(ENH)、アブダビ国営石油会社(ADNOC)の子会社XRG、および韓国ガス公社(KOGAS)が権益を持つ。年間約360万トンのLNG生産が見込まれており、受注役務は設計・調達・建設・据付・試運転となる。
Eniは、2025年10月に最終投資決定を下しており、JGC Franceは2025年7月に先行業務を受注し資材調達などを進めていた。2028年からLNG生産を開始する。
モザンビークで2基目のFLNGプラント建設となる。1基目のCoral Southガス田においても、同じく日揮、Technip Energiesおよび韓国サムスン重工が2017年にプラント建設を受注した。2022年以降出荷を開始しており、年間約340万トンのLNGを生産している。
丸紅が、タイヤ・自動車部品の小売・サービスを展開する南アフリカのTiAuto Investmentsを買収することで合意した。買収額は200億円程度とみられる。
TiAuto Investmentsは1967年に設立され、タイヤや自動車部品の小売、卸売、タイヤ交換、ホイール修理事業を行っている。南アフリカ、ボツワナ、ナミビア、ジンバブエ、ザンビアに直営店中心に161店舗を構える。
丸紅は2006年に、タイで自動車メンテナンス事業を行うB-Quickを買収した。店舗を拡大し、インドネシアおよびメキシコにも進出した。複数ブランドのタイヤ、オイル、バッテリーを販売し交換を提供するB-Quickの事業モデルを南アフリカにも導入し、店舗数の拡大を進める計画である。同社は南アフリカの自動車メンテナンス市場は年率約6%の成長が続いてきたとみている。
NTTデータが、アフリカにおける企業向けAI案件獲得のため、提携を行った。中東・アフリカ地域においてクラウド基盤ソフトウェア需要を取り込むために、企業向けハイブリッド・マルチクラウド基盤ソフトウェアを提供する米Nutanixと提携した。また、ケニアを軸とする東アフリカでは、クラウド顧客管理・営業支援プラットフォームの米セールスフォースと提携し、AI顧客管理システムの導入提供を拡張する。
Nutanixとの提携により、NTTデータのシステムインテグレーションとNutanixのハイブリッドクラウドソフトウェアを組み合わせ、企業向けにクラウド基盤の近代化とともにAIワークロードの展開に必要なインフラを提供する。
セールスフォースとの提携により、同社のAIエージェント機能、マーケティング支援、システム連携、データ統合機能を提供し、企業向けに顧客データの統合、顧客接点の可視化、AIを使った顧客対応・営業・マーケティングといったAIを活用した顧客管理システムの導入を提供する。ケニアでは、金融サービス、フィンテック、デジタル導入が東アフリカの成長をけん引しており、企業の顧客対応では、部門ごとに分散する顧客データを統合し、AIや自動化を使って営業、マーケティング、サービス対応に生かす需要が高まっている。
日本政府とケニア政府が、最大250億円の円建て協調融資(サムライファイナンス)について、融資契約を締結した。2025年8月に意向表明書を結んでいたもので、銀行団が確定し、日本貿易保険(NEXI)が貿易保険の付与を決定した。資金配分についても合意した。
協調融資の銀行団は、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、百五銀行、北国銀行、静岡銀行、伊予銀行、八十二長野銀行の8行となる。250億円のうち150億円はケニアの自動車産業の育成にあて、日本企業が新車工場を新設したり、現地人材育成に取り組む際に、ケニア政府がこの融資資金を活用して支援する。55億円は送配電ロスの削減に充てる。ケニア電力公社が高効率な変圧器を調達する際の資金として使い、日本企業の製品の採用を目指す。残りの45億円は、ケニア政府の政策実行資金として活用する。NEXIは別途、ケニア財務省との間で、実行のフォローアップのための協力覚書も締結した。
アサヒグループホールディングスがケニアのビール製造会社East African Breweries(EABL)の株式65%と蒸留酒製造会社UDV Kenyaの53.68%を英蒸留酒製造会社Diageoから買収することで合意した案件に関して、マチャコス高等裁判所が本審理が行われるまでの一時差し止めを命じた。
少数株主の代理人が訴えていたもので、Diageoが2022年から2023年の公開買い付けで持分を50.03%から65%へ引き上げた際、少数株主に重要情報が開示されなかったため、取引の一時停止を求めていた。CMA(資本市場庁)およびCAK(競争当局)に対して改めて審査を行い少数株主の不利益を評価することも求めていた。マチャコス高等裁判所は、当事者双方が出席する審理が開かれるまで、取引の進行を差し止める保全命令を出した。
この判決の翌日、EABL側は最高裁判所に対して書簡を送った。ナイロビ裁判所の管轄である当該案件が、ナイロビ高等裁判所で棄却されたにも関わらずマチャコス高等裁判所に訴えられ、矛盾する命令が発出されたことへの懸念を示し、私的な商業目的のために当該取引を妨害しようとする組織的な訴訟戦術に繰り返し標的にされていることへの遺憾を示した。
※1ケニアシリング=1.2円(モーニングスター、6/27)
三井海洋開発が、モザンビークのCoral Norte FLNG(浮体式液化天然ガス)プロジェクト向けに、日揮ホールディングス傘下JGC Franceと仏Technip Energies、韓国サムスン重工の合弁企業からの委託のもと、内蔵式タレット係留システムを供給する契約を獲得した。三井海洋開発は2022年にCoral South FLNG(浮体式液化天然ガス)プロジェクト向けにも受注実績がある。
内蔵式タレット係留システムは、船体の安全な回頭を可能にしながら船体が海底に係留される仕組みで、波や海流が強くなり得るRovuma Basinの気象・海象条件においても操業を支えるよう設計されている。
Coral Norte浮体式液化天然ガス(FLNG)プロジェクトは、Eniが主体となり中国石油天然气(CNPC)、モザンビーク炭化水素公社(ENH)、アブダビ国営石油会社(ADNOC)の子会社XRG、および韓国ガス公社(KOGAS)が権益を持つ。2025年10月に最終投資決定を終え、2026年1月に船体進水済みで、2028年の初回LNG生産と年360万トンの液化能力を見込む。
豊田通商が、ベナン発電公社から、太陽光発電所向け蓄電池システムの設置工事を受注した。出力は50メガワット、容量は160メガワット時となる。総事業費は4,860万ユーロを見込む。独Eiffage RMTにEPC役務を発注した。豊田通商が建設した25メガワットの太陽光発電所を含む3つの計75メガワットの太陽光発電所に対応する。
豊田通商が建設した太陽光発電所は、2023年に同じくベナン発電公社から受注したもので、2026年3月より発電が開始されている。太陽光電力は天候によって発電量が変動し、また電力需要のピーク時は日没後となることから、安定的な電力供給に課題が残っていた。
日立エナジーが、イタリアとチュニジアを結ぶ初の高圧直流送電(HVDC)プロジェクトElmedの変換所2カ所の建設を7億7,000万ユーロで受注した。イタリアの送電公社Ternaおよびチュニジアの電力・ガス公社STEGとの間で契約を締結した。変換所の設計、供給、建設を請け負う。
この高圧直電送電は、容量600メガワット、総延長は約220キロメートルとなる。大部分は海底ケーブルで構成され、最大水深は約800メートルに達する。受注した変換所2カ所は、イタリアのシチリア島とチュニジアのMenel Temimeに建設される。
日立エナジーはHVDC変換器バブルを中心とした機器類と制御システムを備えた変換所を供給する。
丸紅が、南部アフリカでタイヤや自動車部品の小売、卸売、タイヤ交換、ホイール修理事業を展開する現地企業を買収しました。アフリカではどの程度自動車が普及しているのでしょうか。どのメーカーのシェアが高いのでしょうか。
先月の「アフリカにおける日本企業の動き」。住友商事、ヤマハ発動機、アサヒグループホールディングス、いすゞ自動車、トヨタ自動車、ジェイテクト、三菱UFJ銀行、三井物産を取り上げました。
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