イラン有事と中東情勢によるアフリカ経済への7つの影響
イラン・中東有事により、アフリカはどのような影響を受けるでしょうか。ありえる影響をまとめています。

(写真はケニアに進出したトヨタ自動車CVCが出資する米スタートアップZeno、ABP撮影)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
トヨタ自動車のCVCであるToyota Ventures が出資する米電動バイクスタートアップZenoが、東アフリカで垂直統合型の電動バイクとバッテリー交換網を拡大するため、2,500万ドルのシリーズAラウンドを完了した。総額のうち2,050万ドルはエクイティによるもので、米Congruent Venturesが主導しActive ImpactとLowercarbon Capitalが参加した。残る450万ドルはCamber Road、Trifecta Capitalがデットを提供した。同社は2024年に、Lowercarbon CapitalとToyota Venturesが主導するシードラウンドで950万ドルを調達している。
Zenoは、元テスラのエンジニアが2022年に創業し、アフリカではケニアに拠点を置いている。地域に特化したカスタムバイク車両、独自のリン酸鉄リチウム電池、クラウド運用ソフトを採用し、すでに800台超のバイクを製造し、4都市に150超のバッテリー交換拠点を展開した。現在は週70~80台を製造している。ハードウエアとソフトウエアを自社で制御することで、ドライバーが負担するコストは内燃機関バイクと比べて50%削減できるという。顧客はバッテリーを含めて購入するか、バッテリーは交換型の充電とするかを選ぶことができる。
今後は、まずはケニア、ウガンダ、タンザニアで存在感を高め、2026年後半にはインド市場への参入も視野に入れる。今回得た調達資金を用いて交換ステーションを拡大する。
Zenoは交換式バッテリーをより広範なエネルギーソリューションとして位置付けており、今後はBattery-as-a-Service(BaaS)事業をさらに強化する。家庭や企業で照明や家電製品への電力供給に利用できるバッテリードックを提供する計画が進行中である。
豊田通商がナミビアのレアアース開発に参画する。JGOMECが保有する権益オプションの40%に関する一般競争入札を行い、豊田通商が落札した。JOGMECと共同で事業化可能性評価を行い、2026年度中を目処に事業化に向けた最終判断を行う。
レアアースは先端技術の開発や電気自動車、ハイブリッド車のモーターにも使われる。JOGMECは2020年より、ナミビアのKunene州に所在するLofdal地域において、カナダの探鉱会社Namibia Critical Metalsと共同で探鉱を行っている。電気自動車をはじめとする永久磁石の製造に必要とされる重希土類を多く含む。
豊田通商はインドでレアアースの分離・精製拠点を運営している。
伊藤忠商事とJOGMECが、南アフリカのプラチナ鉱山プラットリーフ開発事業に追加出資を行った。同鉱山の権益8%を保有し、伊藤忠商事、JOGMEC、日揮で構成されるコンソーシアムITC Platinum Development(IPTD)に対し出資したもので、JOGMECの投資額は8,940万ドルとなる。伊藤忠商事は投資額を公開していない。
プラットリーフ鉱山は、世界最大級の鉱量が確認されており、プラチナの他、パラジウム、ロジウム、ニッケル、金、銅が産出される。カナダのIvanhoe Minesが64%を保有する。同鉱山は2025年11月に生産を開始し、現在は設備投資総額が12億ドルとなる第二期の開発を行っている。2027年第4四半期の完了後、鉱石処理能力は現在の年間80万トンから410万トンに増加する。
プラチナは自動車の排ガスを浄化する触媒や、水を電気で分解して水素を作る水電解装置、水素と酸素でつくる電気で駆動させる燃料電池車の触媒などに使われている。権益を保有する企業は権益に応じた購入権を保有しており、日本はIPTDの8%と伊藤忠商事が別途保有する2%のあわせて10%の権益を保有している。
米ドローン配送スタートアップZiplineが、2026年1月の調達に2億ドルを追加調達し、シリーズHラウンドの合計調達額が8億ドルに達した。1月の調達では、企業価値は76億ドルと算出され、米Fidelity Management & Research Company、英Baillie Gifford、米Valor Equity Partners、米Tiger Globalがラウンドに参加していた。今回は暗号資産投資会社米Paradigmも参加した。
Ziplineは2014年にルワンダで血液の配送から事業を開始した。ドローン機体と離着陸システム、物流ソフトを組み合わせた配送インフラを、アフリカ5カ国、米国、日本で展開しており、食品、消費財、農産品、医療品を配送している。
今回の資金調達により、米国で新たに4州へと事業エリアを拡大する。ルワンダでは全国を対象とした新たな契約を締結しており、3つ目の配送センターの開設も予定されている。
ソーシャルコマースプラットフォームを提供するケニアのTwivaが、ケニアのアクセラレータ―Jobtech Allianceから出資を受けた。
Twivaは2019年に創業した。中小零細企業がインフルエンサー等のクリエイターを通じて製品やサービスを販売できるプラットフォームを提供している。キャンペーン管理、パフォーマンス追跡、レポート作成、支払いをプラットフォーム上に組み込むことで、企業側は費用対効果を把握することができ、クリエイター側は収入を予測できるようになるという。散発的な契約によりクリエイターが安定した収入を得られないという課題を解決するためには企業から安定したリピート需要を生み出すことが必要で、そのためにスキルを育成し、認知度、クリック数、コンバージョン数、売上といった成果を測定し、明確な手順と組み込み型の支払いシステムを備えたキャンペーンを構成している。
Jobtech Allianceは利用者が適切な収入を得ることができるプラットフォームを構築できるよう起業家への支援プログラムを提供してきた。現在はベンチャー投資も行っており、最近ではいずれもeコマースプラットフォームであるナイジェリアのBumpaとケニアのFlowcartに投資した。
東洋エンジニアリングが、タンザニアで肥料工場を設立する計画を明らかにした。タンザニア農業省との協議で明らかになった。タンザニアの天然ガスや石炭資源を活用して、アンモニアや尿素肥料を製造する計画である。予備的な協議と計画の段階であるため、具体的な投資額や実施時期は明らかにされていない。
タンザニアの肥料使用量は1ヘクタールあたり20キログラムを下回っているとされ、タンザニア政府は使用量の増加に取り組んでいる。足元で肥料は世界的な逼迫とサプライチェーンの混乱に見舞われている。タンザニアは東アフリカでエチオピア、ケニアに次ぐ第3位の肥料輸入国で、2019年から2023年の輸入量は年平均56万8,217トンだった。一方で国内生産量は年平均3万7,510トンに留まり、肥料需要の多くを輸入に依存している。2024年にはその約31%を中東の湾岸地域から調達していた。タンザニアには、窒素肥料の原料となる天然ガスの埋蔵量が54兆5,700億標準立方フィート存在すると推定されているものの、2024年時点の活用率は2%未満だった。
