国別情報 エジプト
エジプトとはどのような国なのでしょうか。エジプトの経済指標やビジネス概況をまとめ、解説しています。
(写真はスエズ運河経済特区の説明地図、スエズ運河経済特区サイトより)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
伊藤忠商事とサウジアラビアのエネルギー企業であり海水淡水化大手ACWA Powerが、エジプトにおけるグリーン水素とグリーンアンモニアプロジェクトでの協力を検討するための契約を締結した。ACWA Powerが計画を進めているグリーン水素プラントの設置と、このプラントから製造されるグリーンアンモニアの購入に関して検討する。
両社は契約に基づき、設計、調達、建設、ステークホルダーの選定といった領域でのプロジェクト実施に向けた協業可能性について検討する。グリーンアンモニアの生産能力は第一段階では年間60万トン、第二段階では200万トンに拡大される計画であり、製造されたグリーンアンモニアを伊藤忠商事が購入する可能性についても検討する。
2023年12月にACWA Powerは、エジプトでのグリーン水素の製造に向け、エジプト政府機関らとの枠組み協定を締結したと報じられている。エジプト側で締結したのは、政府系投資ファンドThe Sovereign Fund of Egypt、スエズ運河経済特区(Suez Canal Economic Zone)、送電公社Egyptian Electricity Transmission Company、新エネルギーおよび再生可能エネルギーの担当省庁New and Renewable Energy Authority(NREA)である。
九州電力の子会社で海外事業を担うキューデン・インターナショナルが、南アフリカとインドで中小の商業・産業(C&I)顧客向けに太陽光発電システムの導入支援を提供するスイスのCandi Solarに出資し、戦略的パートナーシップを締結した。Candi SolarにとってはシリーズCラウンドにおける3,800万ドルの調達で、キューデン・インターナショナルのほかにはノルウェー政府系投資ファンドNorfund、既存投資家である仏政府系インパクト投資STOAがリードインベスターを務めた。
Candi Solarは2018年に設立された。企業向けに太陽光発電システムの設置、運用、保守とファイナンスを提供しており、企業は設置のための初期投資なしで自家消費用の太陽光発電を開始できる。南アフリカとインドで事業を展開しており、これまで顧客と契約した太陽光発電出力容量は累計112メガワットに達している。南アフリカでは8つの州で事業を展開し、仏重電メーカーSchneider Electricなどを顧客に抱えている。
今回調達した資金は、200メガワット分の顧客獲得を行うための融資原資に用い、これにより新たに二酸化炭素排出量が年間49万3,875トン削減されるという。事業拡大に必要な人材採用にも投じられる。
サラヤのエジプト子会社Saraya Middle East for Industrial Investmentが、1,200万ドルを投じた工場を開設した。
スエズ運河経済特区(SCZone)の2万平方メートルの敷地に設立された工場では、手洗い石けん液やアルコール手指消毒剤、甘味料であるラカントの包装、欧州やアジアの化粧品会社向けのホホバオイル抽出、自然派化粧品の計4つの生産ラインが備わっている。サラヤは2018年にエジプトに進出して以来、石けん液や消毒剤、滅菌ラテックス手袋、ホホバオイルなどを販売してきた。
同社はすでに工場増設を進めており、1万2,000平方メートルの敷地を確保してラインを2本追加し、滅菌ラテックス手袋、チョコレート飲料や低糖質チョコレートも製造することを目指す。
商船三井が、モーリシャスに拠点を起きアフリカ7カ国で物流事業を行うAlistair Groupの株式25%の取得で合意した。
Alistair Groupは、銅やコバルトなどの鉱物資源のトラック輸送を専門とし、約450台のトラックを用いて、南アフリカ、タンザニア、ザンビア、コンゴ民主共和国、モザンビーク、ナミビア、ウガンダでクロスボーダー物流、通関、倉庫運営、港湾荷役を行っている。
商船三井は、南アフリカ、モザンビーク、ケニア、モーリシャスに拠点を持ち、海上輸送のほか、航空貨物輸送、陸上輸送、倉庫事業等を行っている。