アフリカにおける日本企業の動き(2012年10月)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【自動車】ホンダが新興国専用車「ブリオ」の南アフリカへなどの輸出を開始 (10/25)

ホンダはインドで生産している新興国専用車「ブリオ」の南アフリカなどへの輸出を開始する。2013年3月までに1,700台(日経新聞web版による)をHonda Motor Southern Africaを通じて販売。

Honda Cars India Limited社長の 金山氏は、「ホンダの輸出ビジネスの拡大は、インドをグローバルな生産拠点とするための最初の一歩だ」と語った。

南アフリカの他、マラウイ、モザンビーク、タンザニア、ケニア、ジンバブエ、ザンビア、モーリシャス、セイシェルでも販売を開始する予定。

【自動車】豊田通商、ナイロビ事務所を現地法人に格上げ(10/25)

豊田通商はナイロビ事務所を現地法人化する。社名は豊田通商イーストアフリカ(Toyota Tsusho East Africa Limited:TTEA)とする。資本金約5,000万円。

EAC(東アフリカ共同体)経済圏に特化した事業運営を行うため、東アフリカにおける拠点が必要と判断した。現地法人を持つことで、EAC5カ国の政府やローカルパートナーとの結び付きを強め、自動車ならびに自動車以外の分野で新規事業を推進していく。

ナイロビ事務所はこれまでは南アフリカを本社とする現地法人豊田通商アフリカ(Toyota Tsusho Africa Pty Limited :TTAF)の支店という位置づけだった。

【サービス】カービューがケニアに現地法人設立(10/24)

カービューがケニアに現地法人を設立した。社名はカービュー・ケニア(CARVIEW KENYA LIMTED)とする。

同社はグローバルな中古車輸出入サイト"tradecarview.com"を運営しており、近年ケニアをはじめとした東アフリカ地域に関する日本からの輸出取引やサイトへの問い合わせが増加していた。

2013年1月にケニアの消費者向けサイト"tradecarview store(仮称)"を開設する予定。ケニアの消費者と日本の中古車事業者双方の利便性向上につながるサービスを開発していく。

【自動車】トヨタ自動車が南アフリカ工場の操業再開。スト妥結により(10/23)

トヨタ自動車は、10月17日から生産を停止していた南アフリカのダーバン工場の操業を24日再開すると発表した。シートやドアを製造するトヨタ紡織の南アフリカ工場で賞与を求めるストが発生していたが、労使の合意により妥結したため。

南アフリカ全国金属労組(NUMSA)の地域担当幹部ムブソ・ングバネ氏によると、トヨタ紡織の従業員の要求は1,500南アフリカランド(1万3,823円)の賞与支払い。南アフリカトヨタの広報担当レオ・コク氏によると、トヨタ自動車のダーバン工場で生産が停止されると1日当たり700台分に影響がでるという。同工場ではカローラの他、新興国向けIMVシリーズのハイラックス、フォーチュナー、ダイナを生産している(参考:ト

南アフリカでは鉱山で始まった労働者のストが運輸業界に広がっている。

※1南アフリカランド=9.22円(出所:ブルームバーグ、10/28)

【製造業】ケニアでヤマハのバイクが1日350シリングの1年間の分割払いで購入可能に(10/19)

ケニアでヤマハ製のローエンドのバイクについて1日350ケニアシリング(326円)を1年間にわたって払い続けることで利用できるサービスが導入された。地元販売金融機関Motorbankとの提携によって、銀行の融資が利用できない顧客層での普及拡大を図る。

この価格で利用できる商品は「Yamaha Crux」で、現金一括払いの価格は82,500ケニアシリング(76,725円)、1日350ケニアシリング(326円)の1年間にわたる分割払いでの価格は127,750ケニアシリング(118,808円)となる。なお現地で販売されている安価な中国製バイクの価格は70,000ケニアシリング(65,100円)となっている。

ケニアではバイク利用が急速に拡大している。ケニア歳入庁(Kenya Revenue Authority)によれば、年間販売台数は2007年の16,293台から2011年には140,215台と4年で9倍に拡大している。

※1ケニアシリング=0.93円(出所:ブルームバーグ、10/21)

【製造業】ニトリがマダガスカルの綿花農家に技術指導し、日本向けに綿花を調達と現地紙が報道(10/18)

家具大手のニトリが、マダガスカルで綿花の調達を開始し、今月中にも日本向けに20トンが出荷される予定であると現地紙が報じた。

ニトリは契約した農家に対して、技術供与を行ってきたとしている。事業地は同国北部のAmbilobe。マダガスカル経済開発庁によれば、同国の綿花は繊維が長いうえに強く、海外事業者から注目を集めており、綿花のジニング工場が改修されているという。

ニトリは、JETROの2011 年度開発輸入企画実証事業で採択され、マダガスカルにおける綿製品(ベッドリネン・タオル)の製造指導を行い、日本市場のニーズに合った製品の新規生産・輸入を試みていた。同社が今年2月に提出した実施報告書では、現時点で中国の代替生産地としての価格優位性を示す根拠は見当たらず、潜在的な可能性はあるものの1、2 年でそれらが整うとは思えないとしている。

【製造業】ホンダがケニアで自動車ディーラーとフランチャイズ契約を締結(10/11)

ホンダがドバイを本拠としてケニアで自動車販売代理業を手掛けるTransAfrica Motorsとの間でフランチャイズ契約を締結した。

TransAfrica Motorsはすでに中国のFAWやDalianを取り扱っているがホンダ車の販売は同社内で独立した部門が手掛けるとしている。

ホンダはこれまで、個別購入ごとの輸出で商品を提供してきたが、アフリカおよびラテンアメリカ新興諸国における売り上げを拡大するという世界戦略にのっとり、さらなる売り上げの拡大を図る。

ホンダは7年前にアフリカ東部市場から撤退していたものの、地元の自動車販売業者が売り上げの拡大を目的としてブランドや販売網を拡大させてきていた。今回のフランチャイズ契約を機にホンダでは、ナイロビに新たな自動車販売・展示施設を、2013年第一四半期をめどにオープンさせる。またヨハネスブルグに本拠を有するホンダ自動車南部アフリカ(Honda Motor Southern Africa)が、製品やパーツの供給、人材育成、業務運営の仕組みについて支援を行うこととなっている。

【投資環境】住友商事がタンザニアに駐在員事務所を開設(10/1)

住友商事が、タンザニアの経済中心都市ダルエスサラームに駐在員事務所を開設した。

同社は、同国で今年6月、電力公社向けのガス焚き複合発電所(発電容量240MW)の建設及び2年間の保守運転業務を受注している。

ダルエスサラームはサブサハラアフリカの6か所目の拠点。これまでの開設済み拠点は、南アフリカのヨハネスブルグ、ケニアのナイロビ、アンゴラのルアンダ、マダガスカルのアンタナナリボ、ガーナのアクラにとなっている。

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