アフリカにおける日本企業の動き(2022年4月)

アフリカにおける日本企業の動き(2022年4月)

(写真はナイロビのスーパーで販売されるエナジードリンク、右端がサントリーのブランドLucozade、ABP撮影)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【南アフリカ】豊田通商のグループ企業である南アCFAO South Africaが、南アのフォークリフトを始めとするマテリアルハンドリング機器販売会社EIE Groupを買収(4/4)

豊田通商のグループ会社で、南アフリカで自動車販売事業を展開するCFAO South Africaが、南アフリカの物流・倉庫機器販売会社EIE Groupを買収した。社名をCFAO Equipment South Africaとして事業を開始する。

CFAO South Africaはこの買収により、トヨタフォークリフトを始めとするフォークリフトやマテリアルハンドリング機器に製品ラインナップを広げる。

【エチオピア】三菱商事がエチオピアの地熱開発プロジェクトでEPCとして受注(4/4)

三菱商事がエチオピアの地熱プロジェクトでEPCとして受注を得た。エチオピアの地熱発電事業者Tulu Moye Geothermal Operations(TMGO)が国営電力会社Ethiopian Electric Power(EEP)から受注した地熱発電開発プロジェクトで、中国のエンジニアリング大手SEPCOIII Electric Power construction(山東電力建設第三工程有限公司)と形成したコンソーシアムがTMGOと契約を締結した。

アディスアベバの南東約120kmに位置するTulu Moye で行われるこの地熱発電開発プロジェクトは、投資予定総額が8億ドルで、2段階で合計150メガワットの発電容量を見込んでいる。三菱商事とSEPCOIIIが受注したのはこのうち第1段階に当たる50メガワットの発電容量分で、投資額は1億ドルと見られる。TMGOはPPA(電力購入契約)およびImplementation Agreementを2020年4月に締結しており、EPCの選定を進めてきた。発電所の建設は2022年9月、電力供給の開始は2024年12月が予定されている。

TMGOは2017年、エチオピアで地熱発電プロジェクトを実施するため、フランスの投資ファンドMeridiamおよびアイスランドの地熱発電事業者Reykjavik Geothermalによって設立された。現在4つ目の地熱井を掘削している。

【エジプト】自動車用ワイヤーハーネス世界大手矢崎総業がエジプトに進出へ(4/6)

自動車用ワイヤーハーネス大手の矢崎総業がエジプトに工場を設立する。Fayoum県に設置された投資誘致のためのフリーゾーンに位置する6万平方メートルの敷地に、ワイヤーハーネスやケーブルを製造する工場を設立するとしてエジプト政府とMoUを締結した。

初期投資額は最大2,000万ユーロで、欧州の顧客向けに年間1億ユーロの輸出を見込む。2023年7月の稼働を目指して、約3,000人を雇用する。

矢崎総業はグループ全体で45カ国に合計140法人を展開している。

【ナイジェリア】サントリー食品インターナショナルがナイジェリア子会社を投資会社Africa FMCG Distributionに売却、製造・販売ライセンスは維持(4/6)

サントリー食品インターナショナルは、子会社のSuntory Beverage & Food Asia Pacific(SBFA)が、ナイジェリア子会社Suntory Beverage & Food Nigeria(SBFN)の全株式およびSBFAがSBFNに対し保有する貸付債権をモーリシャスの投資会社Africa FMCG Distribution (AFDL)に売却することで合意したと発表した。買収価格は約15億円で、このうち株式の譲渡価額が約8億円となる。SBFAは売却後、AFDLとブランドの製造および販売に関するライセンス契約を結び、ブランドオーナーとしてナイジェリア事業を継続する。

【ナイジェリア】ナイジェリアのオンライン自動車保険スタートアップEtapが、豊田通商のCVCであるMobility 54率いるプレシードラウンドで150万ドルを調達(4/19)

ナイジェリアのオンライン自動車保険スタートアップEtapが、プレシードラウンドで150万ドルを調達した。豊田通商が子会社CFAO Groupと共同で設立したCVCのMobility 54がリードインベスターを務め、Etapの引受保険会社でもあるナイジェリアのTangerine Insuranceや、Graph VenturesおよびNewmont、その他数名のエンジェル投資家が投資した。

Etapは2021年設立に設立された。オンラインで手続きが完結する自動車保険アプリを提供しており、加入手続きは90秒、保険金の請求手続きは3分で完了するという。加入時と保険金請求時に必要な車両の状態の検査は、画像解析によってオンラインで行う。保険の加入期間は、運転の都度、日単位、月単位、年単位と自分の運転頻度に合わせて選択できる。

保険料は各ドライバーの運転行動のデータに基づいて決定される。ドライバーは安全運転をするとポイントを獲得でき、獲得したポイントは燃料代や様々なオンラインストアでの買い物に使うことができる。アプリには、保険金の不正請求を防ぐための機能として、位置情報を検出するジオロケーションタグ、タイムスタンプ、自動車のクラッシュ通知なども備わっている。

ナイジェリアでは、登録車両1,200万台のうち自動車保険に加入しているのは21%に過ぎず、残りは偽造保険に加入しているか、あるいはまったく保険に加入していない。ナイジェリアでは自動車保険加入は義務であるものの、更新漏れも多い。

【ケニア】豊田通商がアフリカで医薬品のドローン配送を行う米Ziplineと提携し、日本の五島列島で医薬品配送を開始(4/21)

豊田通商が米Ziplineのドローンを使った医薬品の配送を長崎県の五島列島で行う。Ziplineはアフリカではルワンダ、ガーナでドローンによる医療品配送を行っており、豊田通商は2018年にシリーズCラウンドで同社に出資した。ガーナにおいては、豊田通商グループの医薬品輸入卸のGokals Laborexが扱う医薬品の配送をZiplineが行っている。

日本での展開に際し業務提携を締結した。豊田通商はZiplineから技術と機体の提供を受け、過疎地や離島における医薬品などの配送を行うドローン物流サービス事業を展開する。五島列島においては現地の医薬品卸会社と提携し、離島の医療機関・薬局へ配送する。離島間を結ぶ定期航路の設定を目指す。

Ziplineはルワンダ、ガーナと米国の3カ国でこれまで約800万キロメートル以上の飛行を行っている。

【ケニア】ケニアへの二国間融資額で日本が中国を2年連続で上回り最大の相手国になる見込み(4/20)

ケニアへの二国間融資と無償資金供与の相手国は、日本が10年近くトップであった中国を2年連続で上回り、最大の相手国となることが見込まれている。ケニア財務省によれば、2021/22会計年度では日本が364億9,000万ケニアシリング(400億円)であるのに対して中国は212億5,000万ケニアシリング(230億円)であり、続く2022/23会計年度の予算では、日本が311億1,000万ケニアシリング(340億円)、中国が294億6,000万ケニアシリング(320億円)を計上されている。

日本からケニアへの融資は、運輸インフラ省やエネルギー省および財務省などのプロジェクトに使われる。中国の融資額は2015/2016会計年度には1,400億3,000万ケニアシリング(1,500億円)だったのと比較すると、この7年で大幅に減少している。一方で過去10年間ケニアの道路や鉄道、港湾などの大型インフラプロジェクトに数多くの融資を提供してきたため、現在もケニアにとって最大の債権国であり、2021年12月時点のケニアの対中債務は69億5,000万ドルであったのに対し、対日債務は14億2,000万ドルに留まる。

2022/23会計年度予算における二国間融資の総額は1,204億4,000万ケニアシリング(1,300億円)で、日本、中国、フランス、ドイツ、イタリアが全体の81.66%を占め上位5位となる。

※1ケニアシリング=1.1円(モーニングスター、4/28)

【アフリカ全般】三菱商事が出資する、アフリカで家庭用太陽光発電キットのPAYG(割賦)販売を行う英Bboxxが、同業のPEG Africa買収で合意に達したと報じられる(4/27)

アフリカで太陽光発電事業を展開する英Bboxxが、ガーナに拠点を置き同じく太陽光発電事業を行うPEG Africaを買収することで合意に達したと報じられた。

Bboxxは2010年に設立された。家庭向けに太陽光発電キットをPAYG(Pay as you go)と呼ばれる割賦で販売している。ナイジェリア、ブルキナファソ、ルワンダ、コンゴ民主共和国、トーゴ、ギニア、ケニアなど7カ国とパキスタンで展開し、同社によると創業以来500万人以上に電力を提供してきたという。2019年には、仏電力大手EngieのCVCであるEngie Rassembleurs d'Energiesおよび三菱商事から、シリーズDラウンドで5,000万ドルを調達した。最近では太陽光発電で動く灌漑用ポンプや、薪や木炭よりも環境に優しいLPガスと調理用コンロをセットで提供するサービスを開始した

PEG Africaは2013年に設立された。Bboxxと同じく家庭用に太陽光発電キットの割賦販売を行っている。ガーナで事業を開始し、現在はマリ、セネガル、コートジボワールでも事業を展開している。共同創業者のWhalanにとってこれが3社目のエグジットとなる。これまでに200万人以上にサービスを提供しており、累計調達額は6,500万ドルとなっている。

【ナイジェリア】ナイジェリアの貨物輸送デジタル化スタートアップOnePort 365が、豊田通商のアフリカ特化CVCであるMobility 54率いるシードラウンドで500万ドルを調達(4/28)

ナイジェリアの貨物輸送デジタル化スタートアップOnePort 365が、シードラウンドで500万ドルを調達した。豊田通商のCVCであるMobility 54がリードインベスターを務め、SBI Investment、Flexport、ODX、サムライインキュベート、シンガポールのシンジケートファンド、その他エンジェル投資家が投資した。

OnePort 365は2019年に設立された。ナイジェリアとガーナで貨物輸送を管理するオンラインプラットフォームを展開している。ナイジェリアで貨物輸送を行うには、見積もりを得るのに10日~14日かかり、トラック輸送から入出港までの貨物輸送のプロセスをそれぞれ別々に、ほぼ紙で手続きする必要がある。追跡システムがないため港を出たトラック10台のうち3台は行方不明となる。

同社のプラットフォームを使うと、貨物輸送の手配にかかる時間は数分に短縮され、内陸輸送業者や海運業者とオンライン上でつながり手配から支払いまでの全てのプロセスを管理でき、輸送のリアルタイムの進捗も把握できる。業者によって違うさまざまな支払い方法はPan-African Payment and Settlement System(PAPSS)を利用して集約することで、即時支払いを行うことができる。

同社は、海上貨物のみならず航空貨物、内陸輸送、従量課金制の倉庫、海上保険、通関業務をカバーしている。2021年には、20フィートコンテナ換算した取り扱いコンテナ数を140%増やし、法人顧客は5社から50社に、売上は前年比420%以上の増加となった。

今回の調達により、オペレーションの効率化とアフリカ内国際輸送の間接費用削減に取り組むという。さらに、2022年の第4四半期までにアフリカ内の主要拠点を3カ国とする。Mobility54は出資により、同社が持つアフリカ54カ国のネットワークを活用し他国展開を支援する。加えて、Mobility54がすでに出資しているケニアの物流アプリSandyとコートジボワールの物流アプリKamtarとの連携により、国際物流と域内物流を一気通貫して効率化・デジタル化することを目指す。

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