アフリカにおける日本企業の動き(2018年8月)

アフリカにおける日本企業の動き(2018年8月)

(写真はナイジェリアの名優創品の店舗、ABP撮影)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【南アフリカ】住友ゴム工業が新たに9億7,000万ランドを投資した同社南アフリカ工場で、トラック・バス用ラジアルタイヤの製造を開始へ(8/7)

住友ゴム工業が南アフリカ工場で、トラックとバス用のラジアルタイヤの製造を開始した。2018年の第4四半期には販売を開始する。2020年までに1日750タイヤの製造を目指す。

住友ゴム工業は自動車用タイヤと工業用ゴム製造で世界第5位。2013年に南アフリカでタイヤ工場を買収し、アフリカでの製造拠点とアフリカにおけるダンロップブランドの営業権を得た。2014年には数十億ランドの投資を開始し、工場のアップグレードと近代化を進め、乗用車とSUV用タイヤの製造を増強した。現在の乗用車およびSUVの製造可能数は1日約12,500タイヤとなる。

2016年には、トラック・バス用ラジアルタイヤの製造開始を目的に隣接した土地を取得し、9億7,000万ランド(75億円)を投資していた。トラック・バス用ラジアルタイヤはこれまで、輸入により販売を行っていた。

※1ランド=7.8円(ブルームバーグ、8/10

【ナイジェリア】ナイジェリア国営石油公社が、製油所再生プランに関して日揮、伊サイペム、千代田化工建設との契約に至る見通しを示す(8/13)

ナイジェリア国営石油公社が、同社が進めるナイジェリアのPort Harcourt、Warri、Kadunaにある3つの製油所の再生プランに関して、2018年10月を目処に、それぞれ日揮、伊サイペム、千代田化工建設との契約に至る見通しを示した。

【ナイジェリア】日本の小売店チェーン名創優品が、ナイジェリアで2019年に200店舗を開設し、2020年までに製品の現地調達率を45%とする計画(8/14)

日本の小売店チェーン名創優品が、ナイジェリアにおいて製品の原材料調達率を2020年までに少なくとも45%とすることを計画していると語った。あわせて少なくとも200店舗を2019年にナイジェリアで開設すると述べた。現地調達率の達成については、すでに現地の製造会社と交渉に入っているという。

同社は2017年9月にナイジェリア1号店をラゴスのLekkiに開設、その後11店舗をIbadan、Abuja、Port Harcourtに開店した。2018年末までには南東部の州に10店舗以上を開設する予定。

【南アフリカ】トヨタ自動車の南ア子会社Toyota South Africa Motorsが、アフリカ市場の回復によりアフリカ向け輸出台数の増加を目指す(8/17)

トヨタ自動車の南アフリカ子会社であるToyota South Africa Motors(TSAM)は、同社ダーバン工場から他のアフリカ諸国に向けた輸出台数が、2018年に約1万7,500台となると見込んでいると明かした。市場の回復を背景に挙げている。2017年は1万5,000台であった。

同社ダーバン工場の年間生産可能台数は24万2,000台で、23万4,000台がHilux、FortunerおよびCorollaで占められ、1万3,500台がSes'fikile、5,000台が日野のトラックとなっている。2017年の実際の生産台数は13万台で、世界に向けた輸出台数は4万3,000台だった。Hilux は欧州およびアフリカ向けに輸出されており、FortunerとCorollaは南アフリカ含むアフリカ向けにのみ販売されている。エンジンとギアボックスはタイと日本から輸入している。

ただし、以前はアフリカ向けのみで6万台を輸出しており、原油や資源価格の下落によりアフリカの景気が落ち込んだことやエンジンとギアボックスの輸入における制限から、生産台数は落ち込んでいる。一方で同社は、アフリカ市場について資源価格の回復やインフラ投資を材料に前向きな予想をしており、今後2~3年で市場が上向くと見ているという。同社はサポート体制や営業体制を強化し、アフリカ諸国のシェアを確保していくとしている。

【ウガンダ、タンザニア】Uberが、スズキのアルトを用いた低価格帯サービスUber Chap Chapをケニアに次いでウガンダ、タンザニアでも2018年内に開始することを検討(8/17)

配車アプリの米Uberは、2018年末までにウガンダとタンザニアにおいて、Uberの低コスト版であるUber Chap Chapを拡大することを検討している。

Uber Chap Chapは最初、ケニアのナイロビで、スズキのアルト300台を用いてパイロット事業を行った。現在ナイロビでは400台以上のChap Chapがサービスを提供している。スズキのアルトは燃費がよいため、料金を抑えることができる。

Uberによると、同社は現在東アフリカ4カ国において31万1,000人のMAU(月あたりアクティブユーザー)と9,000人のアクティブなドライバーがいる。Uberは、2018年3月にはタンザニアとウガンダの首都においてオートバイを使った低価格サービスの提供を開始し、5月にはナイロビでUberEatsのサービス提供を開始している。

【ケニア】自動車中古部品を扱う会宝産業が、ケニアで自動車部品リサイクル工場の建設計画を発表(8/28)

日本の大手自動車リサイクル会社である会宝産業が、ケニアのMeruカウンティに自動車部品リサイクル工場を建設する計画を発表した。実現すれば同社にとってアフリカで初の自動車部品リサイクル工場となる。

この工場で、自動車部品を回収し再販する他、車載バッテリーを含む他の廃棄物を回収する施設を建設する予定。Meruカウンティは、バッテリーの不注意な廃棄は環境汚染を引き起こすことから同社に廃棄物管理の担い手となることを期待すると述べている。また、廃棄車両が広範囲に放置されていることから、それらがリサイクルされて移動できることで用地が有効活用できると述べている。

【ケニア】丸紅がケニアで70MWの地熱発電所を約100億円で受注。機器納入は富士電機(8/30)

 丸紅がケニア発電公社から、70MWの地熱発電所建設を約100億円で受注した。オルカリア1発電所内の第6号機となる。フルターンキー契約で、蒸気タービン、発電機は富士電機が納入する。丸紅にとってアフリカでの地熱発電所建設はこれが初めて。2021年完工予定。

ケニアでは地熱発電の総発電量の約43%を占めている。

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