アフリカにおける日本企業の動き(2018年6月)

アフリカにおける日本企業の動き(2018年6月)

(ザンビアの首都ルサカのトヨタ販売店の壁に書かれた絵。右はアフリカで公共バスとして使われているハイエース。ABP撮影)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【アフリカ全般】トヨタ自動車が来年1月から、アフリカ営業業務をすべて豊田通商に移管(6/1)

トヨタ自動車と豊田通商が、トヨタ自動車のアフリカ市場における営業関連業務を、2019年1月を目処に豊田通商に全面移管する方向で検討を進める覚書を締結した。

対象となるのは輸出関連事務、販売、マーケティングといった業務。ただし、トヨタ自動車の南アフリカ子会社であるToyota South Africa Motorsが行う業務は除く。

トヨタ自動車はアフリカ54カ国のうち53カ国の国・地域で事業を展開しており、1万人以上の社員がアフリカ地域内で業務に従事している。

【アフリカ全般】日産自動車が、中国やインド、中東とあわせてアフリカを成長のためのターゲット市場として設定(6/13)

日産自動車が、中国やアフリカ、中東、インドといった地域の市場に焦点を当てている。

日産は過去数年間米国市場に焦点をあてており、10%のシェア獲得を目指して、2010年以降販売台数をほぼ倍増させてきた。しかし、ディスカウントにより利益は削られ、前会計年度での北米における営業利益が約3分の1まで減少したため、北米の利益率改善とともに中国や中東アフリカ、インドにターゲットをあて成長を目指す。

アフリカにおいては、南アフリカで現在のシェア10%を2022年度までに15%に拡大し、アルジェリアでは現地生産も検討する。アフリカ、中東、インド市場での販売台数を、2017年の880万台から、2022年には1,210万台まで増やしたいという。

【南アフリカ】 小松製作所とAnglo American Platinumが、南アフリカでビジネス支援の共同実施に関するMoUを締結(6/11)

小松製作所とAnglo American Platinum(Amplats)が、南アフリカにおいて、ICTトレーニング、インターネットカフェ、メカニカルハブの設計、建設、資金拠出の共同での実施に関するMoUを締結した。

メカニカルハブでは、若者の研修と起業化精神の促進、現地企業からのサービス調達を促進することによる企業支援などを行う。Amplatsと小松製作所は、事業の持続性確保への支援のために、6か月から1年間、初期段階のビジネスに対して研修やファイナンスを行う。小松製作所はコマツ南部アフリカのTransformation Trustを通して、最低でも今後2年間はメカニカルハブへの無償供与を継続する。

【モザンビーク】三井物産や米アナダルコが開発を予定するモザンビークの液化天然ガスの共同調達について、東京ガスと英電力大手Centicaが基本合意を締結(6/15)

東京ガスが、英電力大手Centricaとともに、米石油ガス大手アナダルコや三井物産などが開発するモザンビークの液化天然ガス(LNG)プロジェクトからLNGを共同調達する拘束力のない合意を締結した。年間260万トンのLNGを、生産開始から2040年代初頭まで購入する。両社にとってアフリカからの長期的なLNGの購入は初めてであり、また日本企業と欧州企業による液化天然ガスの共同調達も初めてとなる。

両社は2016年11月に相互協力に関する協定を締結しており、今回の液化天然ガス調達においても、日本と欧州の需要に応じてお互いで引き取り量を調整することになる。

今回の合意により、アナダルコが目標としている年間販売予定量810万トンの確保の見込みが近づいたため、200億ドルを投じる液化天然ガスプロジェクトの実施を正式に表明する最終的な投資決定が行われることが期待される。

【ケニア】いすゞ自動車のケニアにおけるディーラーが、いすゞ車両を用いた車体製造工場をオープン(6/20)

いすゞ自動車のケニア子会社Isuzu East AfricaのディーラーであるKenya Coach Industry (KCI)は、7億ケニアシリング(7億円)をかけてメンテナンス・修理サービス工場、ショールーム、車体製造工場をケニアの首都ナイロビにオープンした。

車体工場ではケニアの公共交通バスに使われるシャーシとボディーの製造や設置、いすゞ車両の販売及びサービスが行われる。Isuzu East Africaが行っている自動車組立を拡大させるとともに、質の高い車体を製造することで公共交通バスセクターを成長させる。また、車体製造にあたって現地からスチール、アルミニウム、塗料、ガラス、電気系統部品といった資材を調達することで現地企業を支援する。

現時点の車体製造能力は月100台分で、将来的には200台まで伸ばすことを目指している。

※1ケニアシリング=1.0円(ブルームバーグ、6/16)

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