アフリカにおける日本企業の動き(2017年7月)

アフリカにおける日本企業の動き(2017年7月)

(写真はパナソニックの販売店 ABP撮影)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【南アフリカ】マツダの南アフリカにおける新車販売台数が順調な伸び(7/3)

マツダの南アフリカ法人であるMazda Southern Africaの2016年の新車販売台数が、2015年(9,067台)比33%増となる12,049台となった。南アフリカの新車販売台数が全体で11.4%減少する中、成長を見せている。同社の2014年の販売台数は4,939台だった。

販売台数急増の要因として同社は、新製品の投入や日本の親会社からの持続的なマーケティング予算の供給、単一モデルに依存しない構造、国内52のディーラー網の他、レンタル向けの販売を行わず、エンドユーザー向け販売だけを行うという戦略を挙げている。

2017年の販売台数は、前年比8%増の13,300台程度に達する見込み。マツダにとって南アフリカは、台数ベースで上位12市場のうちのひとつとなっている。

【ガーナ】川崎汽船、住友商事、日揮が、ガーナのFPSO保有・傭船事業の参画に基本同意(7/4)

川崎汽船、住友商事、日揮が、ガーナの原油ガス田における浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)の保有・傭船事業への参画に基本合意した。マレーシアのFPSOコントラクターであるYinson Holdings Berhadが手掛ける事業への参画で、3社はこのあと、Yinson社のFPSO保有子会社に26%出資する予定。

Yinson社は、オペレーターである伊Eni との間に15年の長期傭船契約を締結している。当該鉱区ではすでに2017年5月に原油生産を開始しており、天然ガスは2018年半ばから生産できる見込み。3社にとって、FPSOの保有・傭船事業への参画は初めてとなる。

【ガーナ】ガーナが日本のJAXAの支援を受け、初の人工衛星を打ち上げ(7/7)

ガーナが初となる人工衛星Ghana Sat-1の打ち上げに成功した。同衛星は、All Nations Universityの学生によって開発された。

日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の支援を受けた予算5万ドル、2年間のプロジェクトの成果である。

人工衛星は、ガーナ湾岸の地図作製のためのモニタリングと、宇宙科学技術の能力向上のために利用される。

【ザンビア】豊田通商がザンビアでオフグリッド発電事業立ち上げのためのFSを実施へ(7/16)

豊田通商が、オフグリッド発電事業のパイロットプロジェクトの立ち上げを目的としたフィージビリティ実施のため、ザンビアを訪問すると在京ザンビア大使館が発表した。電力の供給のみならず、農村における生活向上を見込む。

同プロジェクトでは、太陽電池とNAS電池を使用する。太陽電池の利点は、設置が短時間で可能で、メンテナンスコストが低廉という点にある。同社のアフリカにおける事業は自動車販売が中心であるものの、農村での契約栽培事業の立ち上げにも関心があり、灌漑設備と農家へのトレーニングも提供しているという。

【ルワンダ】電通の海外子会社電通イージス・ネットワークが、ルワンダの広告会社Impact Africaと提携(7/19)

電通イージス・ネットワークがルワンダの広告会社Impact Africa Limited(iAfrica)と提携した。

Dentsu Aegis Network Sub Saharan Africa(SSA)は、メディア、デジタル、クリエイティブコミュニケーションに特化したメディアグループで、南ア、ナイジェリア、ケニア、タンザニアにおいて自社による事業を行うと同時に、提携先を通じてサブサハラアフリカのその他32の市場でもサービスを提供している。

iAfricaは、BBC、Coca-Cola、KLM、Canon、Colgate、East African Breweries、African Trade Insurance Agencyといった優良顧客を持ち、広報、メディア戦略、企画、宣伝、メディアリサーチ、野外イベント、クリエイティブ戦略、販売戦略などのサービスを提供している。2005年にルワンダの首都キガリに設立され、従業員数は11人。ルワンダの他、ブルンジ、タンザニア、ケニア、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、南スーダン、エチオピア、ウガンダで事業を行っている。

【エジプト】パナソニックがエジプトで液晶テレビの生産を開始(7/25)

 パナソニックがエジプトで、現地企業に委託し液晶テレビの生産を開始する方針を明らかにした。ナイジェリアにおけるエアコン、液晶テレビに続き、3カ所目となる。エジプトおよび他のアフリカ諸国で販売する。

【南アフリカ】 NTT子会社南アIT企業ディメンションデータが、BEE企業Convergence Partnersが株式売却することにより南アのB-BBEE(黒人経済力強化政策)に係る取引を10月末までに変更へ(7/30)

IT企業・システムインテグレーターのDimension Data Middle East & Africa(DiData)がB-BBEE(Broad-Based Black Economic Empowerment、黒人経済力強化政策)に係る取引を変更する。同社のB-BEEスコアリングの根拠のひとつである、DiDataの従業員組合や黒人コミュニティとともに同社の株式25%を2004年から保有してきたBEE企業である南アConvergence Partnersが、持分をDiDataの親会社のNTTに売却する。DiDateは、10月までに新しいBEE企業を迎え、現在のB-BBEEレベル2を保持する予定。

所有権に係る契約期間は2016年9月までだったが、2017年6月に両社合意のもと契約を終了し、株式の売却となった。

Convergence Partnersは2004年にBEE対策としてDiDataの株主となった後、投資会社として組成した最初のファンドConvergence Partners Fund IにおいてDiDataに10億ランド(82億円)を投資していた。

Convergence PartnersはサブサハラアフリカにおけるTMT(テクノロジー、メディア、通信)セクター企業への投資を継続している。最近では、通信インフラ企業CSquaredへGoogle、三井物産、国際金融公社(IFC)とともに最大1億ドルを投資した。同社の2号ファンドConvergence Partners Communication Infrastructure Fundは、2015年8月に2億ドルを調達した。

※1ランド=8.2円(ブルームバーグ、8/4)

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