アフリカにおける日本企業の動き(2017年3月)

アフリカにおける日本企業の動き(2017年3月)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【モザンビーク】住友商事とIHIが、モザンビークでガス焚き複合火力発電所の建設を受注(3/16)

住友商事とIHIが、モザンビークの国営電力公社から、イニャンバネ州テマネにおけるガス焚き複合火力発電所の建設を受注した。調達、設計、建設を一括して請け負うEPC契約となる。既存の12メガワットのガスエンジン発電所を拡張し、100メガワットの発電容量を実現する。2018年着工、2021年完工の予定。

住友商事が折衝や調整を行い、IHIが関係会社であるJurong Engineeringと共に調達、据え付け、工事を行う。ガスタービンはGE社製航空転用型LM6000ガスタービンが使用される。

工事には1億9,000万ドルの予算が必要とみられている。契約においては住友商事が資金調達を担い、日本の銀行からソフトローンを受けることになる。

モザンビークの電化率は現在30%。

【ウガンダ】ウガンダの縫製会社で、日本人が社長を務めたフェニックス・ロジスティクス ウガンダがFine Spinnersに引き渡される(3/13)

ウガンダ政府は、縫製会社フェニックス・ロジスティクス ウガンダが所有していた建物や資産を、入札を経てFine Spinnersに正式に引き渡した。工場の生産拡大とウガンダ綿花の価値向上を目指す。

フェニックス・ロジスティクス ウガンダは、United Garmets Industry (UGIL)を買収した後、投資家の経営失敗と、約200人の従業員への給料・社会保険未払い合計56億ウガンダシリング(1億6,800万円)を含む負債の蓄積よって、2011年に破綻していた。

工場を引き継いだFine Spinnersは、生産の倍増を目標に掲げており、2016年には輸出量50万枚であったTシャツを2017年に100万枚、2018年には200万枚とすることを目指している。2016年にはTシャツ輸出の売上は40億ウガンダシリング(1億2,000万円)であったが、2017年には80億ウガンダシリング(2億4,000万円)となる。

フェニックス・ロジスティクス ウガンダの輸出先は欧州17カ国そして米国で、国内では学校や企業向けの制服や一般流通向けに販売している。Fine Spinnersはこれまで4,000万ドルを投資してきたが、2018年には製品の多様化し販売基盤を拡大するため、さらに機械設備に4,000万ドルを投資する予定。

※1ウガンダシリング=0.031円(ブルームバーグ、3/17)

【ケニア】豊田通商のケニア子会社による肥料ブレンド工場が販売を開始。価格は50kgにつき3,000ケニアシリングと期待より高価に。(3/19)

豊田通商の子会社Toyota Tshusho Fertiliser Africaが、ケニアのエルドレッドに開設した肥料ブレンド工場が販売を開始し、政府が補助制度の元で農家に配布する目的で5トンを購入した。まずは土壌と作物への適合性を確立するためのパイロット農場で使用され、農家の反応を見て購買量を増やす。

同工場は、年間15万トンの生産が可能で、これまでの輸入肥料と比べると、ケニアの土壌にあった肥料を農家が入手しやすくする。

一方で、ケニア政府は肥料の国内生産は輸入コストを削減し、貧しい農家も補助金に頼らずに済むとして奨励してきたものの、国内に肥料ブレンド工場であっても肥料コストの大幅削減は難しいことが分かってきた。豊田通商の肥料ブランドBarakaは、50kgにつき3,000ケニアシリング(3,000円)で販売されるが、政府補助金が投入された国家穀物生産公社(NCPB)の肥料は同量で1,800ケニアシリング(1,800円)である。政府は農家に安価に輸入肥料を提供するために、年間30億ケニアシリング(30億円)を補助金として支出している。

政府は、工場がブレンド工場でなく肥料生産工場へとアップグレードすれば、肥料価格の低減が可能だとし、ケニアで石油が生産される2020年には国内でアンモニアの調達できるため、肥料を原料から国内で生産することができるかもしれないと述べている。豊田通商側は、建設の第二フェーズにおいて、1,230億ケニアシリング(1,200億円)を投じて工場のアップグレードができればとしている。

※1ケニアシリング=1.0円(ブルームバーグ、3/23)

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