- アフリカのビジネス環境
アフリカにおける日本企業の動き(2023年4月)
(写真は南アフリカUniqの店内写真、 ニュースサイトより)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
- アフリカにおける日本企業の進出事例の一覧は、「日本企業のアフリカ進出動向と事例」からご覧ください。
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【 南アフリカ】 南アフリカの小売大手Shoprite Groupが、 ユニクロにインスピレーションを得たと思われる衣料品小売チェーンUniqを開設して衣料品小売事業に参入( 4 / 3)
南アフリカの小売大手Shoprite Group( Shoprite) が衣料品小売事業に参入した。 中核となるスーパーマーケット事業の近接領域への進出は、 リカーショップ、 薬局、 ペット用品店、 ベビー用品店、 アウトドア用品店に続く6業態目となる。 競合のPick n Payは10年前から衣料品小売チェーンPnP Clothingを展開している。
同社が第1号店を開設した衣料品小売チェーンUniqでは、 プレミアムベーシックな衣料品を展開する。 Tシャツ1枚あたりの価格で比べると、 PnP Clothingが79 .99 ランド( 570 円) であるのに対しUniqは149ランド( 1, 000 円) と高めである。 Uniqは、 店舗デザインや在庫の管理方法含め、 日本のユニクロからインスピレーションが少なからず含まれている。 セルフレジも導入されている。 まずは大規模モールのみならず、 郊外の住宅街にある小規模モールにあわせて8店舗を開設する。 Shopriteは10~ 12 店舗の展開からはじめ、 時間をかけて衣料小売事業を構築すると述べている。
Shopriteの競合にあたる南アフリカの小売大手Pick n Payは、 傘下のディスカウントスーパーチェーンBoxerと並んで、 衣料品小売チェーンPnP Clothingを今後3年間の成長の柱に据えている。 PnP Clothingの単独店舗は300以上あり、 Pick n Payのハイパーマーケットないしスーパーマーケット180余りの店舗でも衣料品を販売している。 2023 年2月末までに、 過去3年間の出店数を上回る67のPnP Clothingの店舗を開設することも発表していた。 PnP Clothingの売上高は2022年3月から8月にかけて14 .8 % 増加している。※ 1 ランド= 7.2 円( モーニングスター、 4 / 7)
【 ナイジェリア】 大塚製薬が約58億円をかけてナイジェリアに飲料工場設立へ( 4 / 6)
大塚製薬は、 ナイジェリアで2024年にも機能性飲料の製造と販売を始める。 約58億円を投じて製造拠点を設立する。
大塚製薬は、 2022 年11月からナイジェリアでポカリスエットのテスト販売を開始していた。 同社がアフリカで飲料を現地生産するのは初めてとなる。
【 ナイジェリア】 本田技研工業のナイジェリア子会社がSUVであるHR - Vの新型車をナイジェリア市場に投入( 4 / 7)
本田技研工業のナイジェリア子会社Honda Automobile Western Africa Limited( HAWA) が、 SUVブランドHR - Vの2023年新型車をナイジェリア市場に投入した。
HR - Vはスタイリッシュなデザインとレスポンスのよいエンジンを特徴としている。 1.5 リッターエンジンを備えており、 走行条件や地形次第では1リットルあたり18 .4 キロメートルという低燃費での走行が可能である。 内装はデザイン性だけでなく、 サブコンパクトSUVにしては広い車内やドライバーが長時間座っても疲れにくい構造のシートなど、 快適さも兼ね備えている。 HAWAが販売している他のホンダ車同様に、 5 年間もしくは走行距離10万キロメートルまでを条件とする保証が適用される。
HAWAは本田技研工業の完全子会社で、 2013 年にナイジェリアで設立された。 2015 年には同社にとってアフリカ初となる組み立て工場をOgun州に開設し組み立て生産を開始している。 HAWAによると、 コンパクトSUVであるいわゆるBセグメントで、 同社はナイジェリア市場の38 % のシェアを獲得しているという。
【 ナイジェリア、 エジプト】 豊田通商のCVCであるMobility54が出資するナイジェリアの自動車売買プラットフォームAutochekが、 エジプトの自動車売買プラットフォームAutoTagerを買収し、 エジプト進出( 4 / 18)
ナイジェリアの自動車売買プラットフォームAutochekが、 エジプトの自動車売買プラットフォームAutoTagerの過半数株式を取得して買収し、 エジプト市場に進出した。 両社はいずれも、 自動車の買い手とディーラーを繋ぐプラットフォームを運営している。
Autochekはこれまで買収を通じて事業を拡大しており、 今回が直近1年間で3度目、 2 年間で6度目の買収となる。 エジプトはアフリカ第2位の経済大国であり、 自動車の国内市場規模もアフリカで2番目に大きい。 Autochekは現在アフリカ9カ国で事業を展開している。
Autochekの自動車売買プラットフォームでは、 ディーラーによる販売車両を事前に検査し、 自動車ローンの提供が可能か金融機関による査定を得た上で掲載しているため、 買い手が自動車ローンを利用して車両を購入できる。 東アフリカ、 西アフリカ、 北アフリカで2, 000 以上のディーラー、 および70以上の金融機関と提携している。
AutoTagerは2021年に設立された。 同社もまた、 ディーラーが販売しようとする車両を事前に審査し、 融資をつけて車両を販売している。
【 ケニア、 モーリシャス】 三井物産がケニアのB2BeコマーススタートアップKyoskに出資( 4 / 26)
三井物産は、 同社が出資するETG Groupと株主を同じくするETG Globalとともに、 ケニアのKyosk Global Holdings( Kyosk) に出資した。
Kyosk Digital Serviceは2019年にケニアで設立された。 モーリシャスに登記し、 2022 年にはタンザニア、 ウガンダ、 ナイジェリアにも事業を広げている。 日用消費財メーカーの商品を、 倉庫や物流業者と提携しながら、 伝統的小売店のスマートフォンを通じた発注に応じて納入するプラットフォームを提供している。 取り扱い商品数の拡大や迅速な配送を実現させ、 後払い( BNPL) 機能などの金融サービスを拡充させることで、 2024 年までに30万店舗の登録を目指す。
【 モザンビーク】 治安悪化により2021年から中断されている三井物産が出資するLNG鉱区開発につき、 モザンビーク大統領が安全宣言。 オペレーターである仏TotalEnergiesは再開時期を明言せず( 4 / 27)
モザンビークのニュシ大統領が、 イスラム武装勢力の襲撃により2021年から中断されているモザンビーク北部Cabo DelgadoでのLNGプロジェクトMozambique LNGについて、 治安が回復したとして安全に再開できると発言した。 現在の天然ガスの価格高騰やクリーンエネルギー移行の風潮を追い風にLNG開発を進めたい考えを示している。
Mozambique LNGは、 将来的に年産4, 300 万トンまで拡張可能な200億ドル規模のプロジェクトで、 オペレーターであるTotalEnergiesが26 .5 % を、 三井物産とJOGMECによるMEPMOZ が20 % の権益を保有する。 TotalEnergiesは、 再開の可否は治安と人権の保証とともに、 中断によるコスト増加を踏まえた上で、 権益を持つ企業の全会一致により決定するとの考えを示し、 再開時期を明らかにしていない。 請負業者との調整に手間取っており、 2 月末が期限だった現地の人道的状況に関する委託報告書もまだ手にしていないという。 一方で、 当プロジェクトのEPCであり千代田化工建設とJVを組む伊Saipemは、 TotalEnergiesから7月の再開に向けて備えるよう通告を受けたとしている。
当初の計画では2024年に出荷を開始することを目指していた。 TotalEnergiesbによると、 プロジェクトが2年以上中断されているにも関わらず、 事前購入契約を締結している買い手企業らは購入撤回の権利を行使していないという。 また、 いくつかの日本の買い手はむしろ購入量を増やす意向だという。