アフリカにおける日本企業の動き(2022年10月)

アフリカにおける日本企業の動き(2022年10月)

(写真はSafaricom Ethiopiaの広告)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【ケニア】ケニアの農業スタートアップTwiga Foodsが、配送能力の強化のためいすゞ自動車とNCBA銀行と提携し契約ドライバーへの車両提供を開始。ウガンダに続きコートジボワールやコンゴ民に進出予定(10/5)

ケニアの農業スタートアップTwiga Foodsが、配送を強化するため、ケニアの銀行NCBA Groupといすゞ自動車のケニア子会社Isuzu East Africaと提携した。まずは総額8,000万ケニアシリング(9,600万円)相当となる15台のトラックを確保した。

Twiga foodsの物流を請け負いたいドライバーに対して、NCBAがいすゞ自動車のトラックへの融資を提供する。Twiga Foodsは融資を得たドライバーと物流サービス契約を締結する。ドライバーは毎月13万5,000Ksh(16万2,000円)の収入が期待でき、その中からNCBAへ返済を行う。このスキームを通じたいすゞ車両の提供を最大300台まで増やす。

2014年の設立後、Twiga Foodsは農家とその売り先であるバイヤーや販売店を繋ぐアプリを提供し、2019年には消費財メーカーと小売店を繋ぐB2Beコマースへと事業を発展させている。毎日累計200万kg以上の商品を1万2,000km の距離を移動して14万人を超える販売者を通じて市場や小売店に届けている。

【エチオピア】住友商事が出資するSafaricom Ethiopiaがエチオピアで通信サービスを開始。モバイルマネーライセンスも取得見込み(10/6)

エチオピアの通信会社Safaricom Telecommunication Ethiopia(Safaricom Ethiopia)が、通信サービスを開始した。

Safaricom Ethiopiaは、ケニアの通信会社サファリコム、住友商事、英Vodafone、南アフリカのVodacom、英開発金融British International Investmentによる合弁会社となる。同社は一部の都市で実証実験を行ってきたが、このたび首都アディスアベバを含む主要11都市で本格的にサービスを開始する。2023年4月までに14都市を加え計25都市へとサービス地域を拡大し、人口の25%をカバーする。

2G、3G、4Gデータサービスや音声通話、SMSサービス、国際電話の他、手頃な価格帯の電話販売も提供する。顧客は店舗でSIMカードや通話料の購入、カスタマーサポートを利用することができる他、エチオピアの4言語と英語に対応するコールセンターを利用できる。

あわせてエチオピア政府は、Safaricom Ethiopiaにモバイルマネーサービスを提供することを承認した。2021年4月に外国資本企業がモバイルマネーサービスを提供するための法案が起草されていた。Safaricom Ethiopiaの筆頭株主であるケニアのサファリコムはM-pesaで知られるモバイルマネーをケニアで普及させてきた。エチオピアでは2021年5月に競合となる国営エチオテレコムがTelebirrという名称でモバイルマネーを開始しており、数週間で400万人のユーザーを集めている。

【ナイジェリア】ナイジェリアの医薬品調達プラットフォームLifestores HealthcareのプレシリーズAラウンドで300万ドルを調達、豊田通商が新たに設立したCVCであるHealthcare54がリードインベスターとして投資(10/12)

ナイジェリアで医薬品調達プラットフォームを提供するLifestores Healthcareが、プレシリーズAラウンドで300万ドルを調達した。豊田通商のCVCであるHealth54がリードインベスターを務め、Aruwa Capital Managementや、その他複数の既存投資家が投資した。Lifestores Healthcareは2020年のシードラウンドで100万ドルを調達している。

Lifestores Healthcareは2017年に設立された。薬局チェーンの運営から事業を開始し、2020年には薬局向けに医薬品をオンラインで調達できるOGApharmacyや日々の業務をデジタル化するERPシステムの提供を開始した。OGApharmacyでは、購入ニーズを集約することでサプライヤーと交渉し、正規価格から10%~20%の割引価格での提供を実現している。同社によると、ナイジェリアの薬局の10%に該当する750店舗以上を顧客に抱え、顧客薬局を通じて10~20万人の利用者にアクセスしているという。2023年までにはこれを25%に拡大し、利用者数を40万人まで増やすことを目指している。

将来的には新市場への進出も検討しているが、当面はナイジェリア国内での事業拡大に取り組むという。今後ラゴスに新たな業務処理センターを開設するほか、薬局管理ソフトウエア、AIを用いた予測注文、信用販売、利用者管理プログラムといった新機能を立ち上げる。利用者向けのサービスも拡大できるよう、医薬品購入用貯蓄や治療管理、医薬品配送に関するパイロット事業を行う。まずはナイジェリアに集中してソフトウエアの能力向上に注力するが、今回投資家として豊田通商傘下のCFAOグループのCVCを迎えたことで、アフリカ全域で医薬品卸事業を行うCFAO Healthcareのナイジェリアやアフリカにおける卸売流通ネットワークを活用し、将来的に事業国を拡大する可能性がある。

【モロッコ】欧州住友商事会社が、モロッコでのグリーン水素およびグリーンアンモニアのサプライチェーン開発で協業するためモハメド6世工科大学とMoU締結(10/14)

欧州住友商事会社が、モロッコでグリーン水素およびグリーンアンモニアの大規模なサプライチェーンを開発するため、モロッコの大学Mohammed VI Polytechnic University(UM6P)とMoUを結んだ。

肥料の三大要素のうち窒素とリンをベースとする肥料の製造には通常、化石燃料や天然ガスの燃焼によって合成されるアンモニアが用いられる。この化石燃料や天然ガスをグリーン水素で代替できれば、カーボンフリーな肥料を製造できる。

今回のMoUに基づき、欧州住友商事会社とUM6Pはグリーン水素を用いたアンモニアや肥料の製造を推進する。あわせてグリーンアンモニアの製造に最適な立地であるモロッコ南部の製造拠点から、モロッコの肥料製造会社OCP Groupの工場までの貯蔵、輸送、流通といった国内物流や、欧州やアフリカ諸国向けに輸出を行うための物流や輸出インフラに関する調査と開発を行う。さらには、モロッコの肥料産業の脱炭素化や農業分野での協業への拡大も念頭においているという。

【南アフリカ】NTTが南アフリカにデータセンターを開設、NTTとしてはアフリカ初で、アフリカに1億2,000万ユーロを投じる計画(10/26)

NTTが、南アフリカのヨハネスブルグにJohannesburg 1データセンターを開設した。ティア3基準を満たす特定のキャリアの縛りがないキャリアニュートラルなデータセンターとなる。完成すれば、受電容量12メガワット、広さ6,000平方メートルとなる。建設の計画は2020年に発表されていた。NTTは南アフリカに海外事業子会社Dimension Dataを保有する。

NTTはDimension Dataを通じて、アフリカに計11のデータセンターを運営してきた。今回のデータセンター開設は、NTTとしてアフリカへの進出と事業拡大に最大1億2,000万ユーロを投じるという計画の一環で、今後数年の間にヨハネスブルグをはじめとしたアフリカの複数の都市へのデータセンターの建設を加速する。同社が2022年に世界で開設したデータセンターとしては、今回のJohannesburg 1データセンターが6施設目となる。

南アフリカでは2019年以降、マイクロソフトやAmazon Web Servicesといったいわゆるハイパースケーラーと呼ばれるクラウド大手に加え、Dimension Data、アフリカのデータセンター運営会社Teraco、中国ファーウェイなどがデータセンターに投資している。2022年9月にはGoogleも南アフリカにてデータセンターを建設する計画を発表している。

【ガーナ】. 世代原発とされる小型モジュール炉(SMR)のガーナへの導入で日米両政府が協力。脱炭素に向けた代替発電手段としてアフリカへの展開を目指す(10/26)

日米両政府は、ガーナに対して、次世代原発とされる小型モジュール炉(SMR)導入に向けた技術支援における戦略的協力を行うことを発表した。ガーナへの導入をきっかけにアフリカへのSMR導入を促進する。

SMRは、脱炭素を進めるにあたっての代替発電手段として注目されている。3カ国の協力を通じて、ガーナは、エネルギー安全保障と気候変動対策を推進する上でのリーダーシップを示すだけでなく、革新的な原子力技術の導入においてアフリカにおける中心的な存在となることを目指す。

導入にあたっては、ガーナの原子力規制、米国の輸出規制を前提とする。国際原子力機関(IAEA)の推奨する「マイルストーンアプローチ」に沿って、安全性、セキュリティー、核不拡散のハイレベル水準を維持することで合意した。

次のステップとして、日本政府はガーナ政府と共同でSMRに関する実現可能性調査を実行する。IHI、日揮ホールディングス、Regnum Technology Group、NuScale Powerといった日米の原発関連企業が参加する。米国政府はSMRの人材開発プログラムを支援する。

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