- アフリカのビジネス環境
アフリカにおける日本企業の動き(2017年11月)
(写真はナイジェリア・ラゴスの道路 ABP撮影)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
- アフリカにおける日本企業の進出事例の一覧は、「日本企業のアフリカ進出動向と事例」からご覧ください。
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【アフリカ全般】NECがアフリカで携帯電話基地局向けの給電装置・管理のシステムを販売へ (11/4)
NECが携帯電話基地局向けにリチウムイオン電池、太陽電池など複数の給電装置を搭載したエネルギー管理システムをアフリカなどで提供する。機器は同社が保有し、利用料を得るモデル。同システムでは、停電や気象、太陽電池発電のデータからの予測により給電を管理する。ディーゼル燃料を用いたジェネレーターにより電波塔への電力を維持する従来の方法は、ジェネレーターの使用開始が間に合わない、燃料費が高額となるなどしていた。複数の給電装置を管理することにより、燃料費を抑え通信状況を維持する。
【ナイジェリア】三菱ふそうトラック・バスとCFAOが、ナイジェリアでFUSO車の組立工場を開設(11/17)
三菱ふそうトラック・バスと、CFAOとその子会社でFUSOブランドのナイジェリアにおける独占販売事業者であるCFAO Equipmentが共同で、ナイジェリアのラゴスにFUSO車の組立工場を開設した。FUSOの工場は西アフリカにおいては初、アフリカ全体ではケニアに次いで2か所目となる。トラックCanterを生産する予定で、生産能力は年500台。
CFAOはアフリカとフランス海外領土における商社で、自動車、医薬品、消費財、テクノロジーの分野のマーケットリーダーである。豊田通商の子会社であり、アフリカ54か国中53か国へのアクセスを有し、36か国には自社の拠点を持っている。2017年には連結売上42億2,800万ユーロを計上していた。三菱ふそうトラック・バスは、ダイムラートラックの中核を成すアジアを代表する商用車メーカーで、2016年にはFUSOブランドとして13万台の軽~大型トラックとバスを販売している。株式の89.29%はダイムラーが、10.71%は三菱グループの各社が保有している。
【アフリカ全般】三菱東京UFJ銀行が、アフリカ輸出入銀行向けに初の円建てサムライ債の協調融資を実施。参加銀行は群馬銀行、四国銀行、台湾銀行、三菱UFJ信託銀行(11/17)
三菱東京UFJ銀行が、アフリカ輸出入銀行向けに初の円建て協調融資、サムライ債・タームローンファシリティを実施した。合計1億5,000万ドルで、62億円と1億ドルの2つのトランシェに区分して実施する。アフリカ向け融資では初めての円建てとなり、協調融資には台湾銀行、群馬銀行、四国銀行、三菱UFJ信託銀行が参加した。
【アフリカ全般】三井物産が、東アフリカ中心に展開する農業商社・農業資材販売のETGに株式約30%にあたる2億6,500万ドルを出資へ(11/20)
三井物産が、カシューナッツや豆類、ごまの世界的な食糧商社でありアフリカで事業を展開するETGに、2億6,500万ドル、約30%を出資する。ETGは持分法適用会社となり、三井物産は常勤取締役2人と非常勤取締役1人を派遣する。
ETGはドバイを本拠地とし、東アフリカを中心に世界36カ国で、農産物取引の他、肥料などの農業資材販売や食品製造販売を行っている。2017年3月期の売上は36億5,800万ドル。米投資会社カーライルが2012年に同社に出資し、2015年に売り戻している。三井物産は創業家とプライベートエクイティPembani Remgro Infrastructure Fundから株式を買い取る。三井物産の持つ農業資材の調達ノウハウや穀物取引のネットワークを活用して事業拡大を図ったり、共同で灌漑施設や発電所の建設といったインフラ事業にも乗り出す。
日本の商社はエネルギーと資源からの多角化を図っており、食糧や農業セクターへの投資を増やそうとしている。三菱商事は2015年、シンガポールの農業商社オラムの株式20%を11億ドルで取得している。
【南アフリカ】日野自動車が南アフリカで500系新モデルトラックの組立生産を開始(11/23)
日野自動車が、南アフリカ・ダーバンにあるトヨタの工場で、トラックWide Cab500系の組立生産を開始した。南アフリカで販売する500系トラックとしては14年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
2,000万ランド(1億6,000万円)を投じて生産設備を整備した。113人の従業員を抱え、1シフトで年産5,000台の生産を見込む。
※1ランド=8.0円(ブルームバーグ、11/23)
【モロッコ】日通が日系フォワーダーで初めてモロッコに支店を開設(11/24)
日本通運が、欧州日本通運の支店をモロッコに開設し、12月1日から営業を開始した。日系フォワーダーのモロッコでの支店開設は初めてで、日通にとっては8月のケニア支店に続きアフリカで2カ所目の支店開設となる。支店以外ではアフリカには、南アフリカに駐在員事務所がある。
モロッコには仏ルノーが完成車工場を構え、日本の自動車部品メーカーも進出している。日系企業および外資企業に対して、ヨーロッパとモロッコ間や、ヨーロッパとモロッコを入り口としたアフリカ各国への国際輸送を手がける。
【ケニア】オンライン物流ベンチャーのSendyが、インパクトファンドDOB Equityと豊田通商子会社CFAOグループから2億760万シリングの資金調達(11/26)
ケニアのオンライン物流ベンチャーのSendyが、オランダのインパクトファンドDOB Equityと豊田通商子会社のCFAOグループから2億760万シリング(2億円)の出資を受けた。Sendyによると、資金調達は2017年10月にクローズし、調達資金は顧客の獲得とケニア国内の他の主要都市に事業を拡大するために使われる。
Sendyは携帯を通じて物流、小口配送をオンデマンドに依頼できるサービスで、約5万人の顧客を有し、ケニアのナイロビの他、Thika、Mombasa、Kisumuの4,000事業所以上にサービスを提供している。ナイロビ以外の都市への事業展開は今後数か月で進めることを予定している。
※ケニアシリング=1.0円(ブルームバーグ、11/26)