アフリカにおける日本企業の動き(2021年2月)

アフリカにおける日本企業の動き(2021年2月)

(写真は住友重機械工業プレスリリースより)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【アフリカ全般】住友重機械工業がケニアのコングロマリットJanus Continental Groupなどとともに再生可能エネルギー貯蔵技術を持つ英Highview Enterpriseに7,000万ドルを投資(2/11)

ケニアのコングロマリットJanus Continental Group(JCG)の投資部門であるJanus Capitalが、再生可能エネルギーの貯蔵技術を持つ英Highview Enterpriseに1,300万ドルを投資した。住友重機械工業とTSKも今回の投資に参加し、合計調達金額は7,000万ドルとなった。

Highview Enterpriseが持つ液化空気エネルギー貯蔵技術は、数ギガワット時間の貯蔵が可能で、制限なく拡大でき、二酸化炭素を排出しない。地理的な制約がなく、再生可能エネルギーと組み合わせることで化石燃料や原子力発電と同等のパフォーマンスが可能である。

今後サブサハラアフリカにおいて、Highview Enterpriseは、ザンビア、ケニア、ウガンダ、モザンビークといったJCGが事業を行っている市場に展開を拡大する。また、Highview EnterpriseはJCGの子会社であり、モザンビークで現在250MWのガス火力発電開発に取り組んでいるGreat Lakes Africa Energy (GLAE)と共同で、再生可能エネルギー発電や貯蔵プロジェクトの開発に参加する。

【エジプト】日立ABBパワーグリッドがエジプト電力送電公社に高性能グリッド安定化技術を納入(2/16)

日立ABBパワーグリッドは、エジプト電力送電公社(Egyptian Electricity Transmission Company、EETC)に向けて、砂漠の農地化計画が進むエジプト南西部の戦略的開発地区における電力品質の向上と送電容量の拡大を支援するために、高性能グリッド安定化技術を提供する。

既存の220キロボルトの変電所に接続される200メガボルトアンペア(MVAR)STATCOM(Static Compensator:静止型無効電力補償装置)に基づいてソリューションを設計する。電力供給範囲や供給量を増加させることができるため、人口が増加している地域や農村開発が行われる地域により多くの電力が迅速に提供されるようになる。

グリッドの拡大と信頼性は、アフリカ各国や欧州との電力交換地域ハブとなることを目指すエジプト政府にとって、計画の前提条件となる。顧客のカーボンニュートラルエネルギーシステムへの移行を促進し、エネルギー産業の持続可能な成長戦略を志向するエジプト政府の2030ビジョンにも基づく。今回、日立ABBパワーグリッドが納入するSTATCOMには、静止型補償装置、変圧器、制御装置、保護装置、通信装置が含まれ、様々な電力網状況下において、電圧の安定性の改善や円滑な電圧分布の供給により、グリッドの送電能力を強化する。

【ナイジェリア】味の素が出資するナイジェリアの乳製品加工会社PromasidorとEkiti州政府との合弁会社が米テキサス州から250頭のジャージー牛を受け取り、乳業再興を目指す(2/19)

味の素が出資するナイジェリアの乳製品加工会社Promasidor NigeriaとナイジェリアのEkiti州政府の合弁事業であるIkun Dairy Farm Limited(IDFL)は、ナイジェリア国内の牛乳生産量を増加させる取り組みの一環で、米国テキサス州からジャージー牛を輸入した。500頭を超える輸入のうち、このたび初回バッチとして250頭が到着した。

2019年に設立されたIDFLには、酪農業の再活性化と同州の経済成長に向け、Promasidor Nigeriaから500万ドルが投資されている。機器の購入や適切な牛の提供、飼料用牧草を育成する外部契約農家スキームの開発に使用される。ナイジェリア中央銀行も、ナイジェリアにおいて1日あたり牛乳生産量約1万リットルを達成して、将来的に輸入依存から脱却するために支援を行っている。

【セネガル】関西電力とシュークルキューブジャポンがセネガルで太陽光発電による電力および通信サービスの1カ月の実証実験を実施(2/22)

関西電力とシュークルキューブジャポンは共同で、アフリカの未電化地域向けの電力および通信サービスの実証実験を1カ月実施する。太陽光パネルとモバイルルータ内蔵の蓄電池をセットにしたキットを使用し、診療所や学校、役所において発電や電波の送受信状況を検証する。

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