アフリカにおける日本企業の動き(2017年10月)

アフリカにおける日本企業の動き(2017年10月)

(写真はセネガルで売られているトマト ABP撮影)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【ウガンダ】関西ペイントが買収したウガンダ塗料会社との間でSadolin Paintsブランドライセンス契約を解約したオランダ塗料大手AkzoNobelが、関西ペイントの競合Crown Groupと提携し自らSadolin Paintsブランドの販売を開始へ(10/2)

ウガンダにおいて、Sadolin Paintsブランドが再び販売されることとなった。Sadolin Paintsのブランドを保有するオランダのAkzoNobelは、ウガンダでRegal Paintsを製造販売するCrown Groupをウガンダにおけるローカルパートナーとして選んだ。AkzoNobelは100億ウガンダシリング(3億1,000万円)を投じてNamave産業パーク内に新工場を設立する計画も発表している。

AkzoNobelはSadolin Paintsブランドを1987年から保有しており、Sadolin Paints East Africa等ケニア、ウガンダ、タンザニアの現地会社にブランドラインセンスを提供してきた。同社はSadolin East Africa等が関西ペイントに買収されたのきっかけに、これらのライセンス契約を取り消していた。

ケニアではCrown GroupのCrown Paintsブランドが約33%のシェアを占め、Sadolin Paintsブランドのシェアは13%となっている。一方、ウガンダではSadolin Paintsブランドは一般家庭に広く知られ60%のシェアを占めており、Crown GroupのRegal Paintsは7~8%という状況。Crown Groupはウガンダで今後、Regal PaintsブランドとSadolin Paintsブランドの両方を販売する。

※1ウガンダシリング=0.031円(ブルームバーグ、10/5)

【ガーナ】電通の海外子会社電通イージス・ネットワークが、ガーナの体験型マーケティング企業BTL Marketingと業務提携(10/8)

電通イージス・ネットワークが、ガーナのBTL Marketing Solutions Limited(BTL)との業務提携に関して合意した。

Dentsu Aegis Network Sub Saharan Africa (SSA)は、サブサハラアフリカにおけるメディア戦略やデジタルおよびクリエイティブコミュニケーションに特化した企業で、南アフリカ、ナイジェリア、ガーナ、ケニア、タンザニアに子会社を持つ他、サブサハラアフリカ32か国で業務提携やパートナーシップを結んでいる。

BTLは、ガーナにおいて優良クライアントを抱える体験型マーケティングのリーディング企業で、デザインマーケティングキャンペーン、需要創出、商品化、ソーシャルメディアを介したトレンド創出、事業・消費者調査、体験型イベントの実施、革新的モバイルマーケティング、スポンサーシップマネジメント、CSR、フィールドスタッフ管理といったサービスを提供している。

【南アフリカ、ナイジェリア】 住友ゴム工業の南ア法人Sumitomo Rubber South AfricaがナイジェリアでTyre Express Nigeriaと提携し、タイヤ販売のリテールモデル店舗を開店(10/15)

住友ゴム工業の南アフリカ法人Sumitomo Rubber South Africa(SRSA)が、Tyre Express Nigeriaと提携し、ナイジェリアのラゴスに販売店Dunlop Zoneを開店した。

SRSAはすでに、代理店を通じてナイジェリアの4店舗で販売を行っているが、今回開店する店舗はホイールバランスやアライメント調整サービスを提供し、ブレーキ、バッテリー、ショックアブソーバー、排気装置および牽引バーといった製品を扱うなど、顧客の多様なニーズに対応する。レベルの高いサービス、快適なラウンジ、無料Wi-Fiを提供するなど、カスタマーサービスにおいても工夫を凝らし、タイヤ販売のリテールモデルを構築する。

【タンザニア】住友化学が蚊帳の新製品「オリセットプラス」のタンザニアでの生産を開始(10/16)

住友化学が、蚊帳の新製品のタンザニアでの生産を開始し、蚊用の殺虫スプレーの販売も開始した。

同社の蚊帳製品である「オリセットプラス」を、タンザニアの縫製会社A-Z Textile Millesとの合弁会社であるVector Health Internationalで製造する。住友化学は「オリセットプラス」の製造権をA-Z Textile Millesに無償供与した。A-Z Textile Millesはまずは年間3,000万帳を生産し、4,500万帳まで拡大する。あわせて、室内用のスプレータイプの殺虫剤SumiSheildとSumiLarvaeの販売も開始した。

Vector Health Internationalは、傘下に研究所Africa Technical Research Centreを抱えており、同研究所は150万ドルを投じ3カ所の研究所を持ち、防蚊、農業科学、分析論を対象とした研究が行われている。

【南アフリカ、モロッコ】損害保険ジャパン日本興亜が、南アとモロッコの損害保険会社3社との業務提携により、アフリカにおける保険引受可能国を27カ国に(10/19)

SOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパン日本興亜およびSOMPOインターナショナルホールディングスが、南アフリカの金融・保険会社Sanlam傘下の保険会社SantamおよびSanlam Emerging Markets、モロッコの金融会社Saham Group傘下のSaham Financesの3社と、損害保険事業に関する包括業務提携契約を締結した。

同社がアフリカ地域で保険引受が可能な国は、これまで南アフリカとアンゴラの2カ国だったが、同提携により27カ国に拡大されることになる。主として日本企業向けに工事保険や火災保険を始めとする商品を販売。現地の大規模農家を対象とした損害保険の市場も開拓する。

【ケニア】関西ペイントがケニアで塗料職人1万人を対象とした研修プログラムを開始(10/22)

関西ペイントのケニア法人が、ケニア全国の若者を対象とした1万人の塗装者研修プログラムを開始した。塗料職人の技術を向上し、低水準な塗装を根絶することが目的であるという。塗装職人に対して塗装水準を保証する証書を発行し、これまでスキルの無い労働力に頼ってきた塗装セクターの専門性を高めていく新戦略も導入予定である。

研修は、塗装・装飾技術の他、起業家精神や塗料取扱時の安全確保、応急処置などを内容とし、個人の塗装業者がプロフェッショナルに業務を行えるようにする。

【南アフリカ】電通の海外子会社Dentsu Aegis Networkが南アフリカの独立系大手クリエイティブエージェンシーFoxP2 Holdingsの買収で合意(10/23)

電通の海外子会社Dentsu Aegis Networkが南アフリカの独立系大手クリエイティブエージェンシーのFoxP2 Holdingsの過半数株式の取得で合意した。

FoxP2 Holdingsは2005年創業で、ヨハネスブルグとケープタウンをベースに83名の従業員を抱える。同社は、これまで買収提案は受け入れてこなかったが、Dentsu Aegis Networkが南アフリカにクリエイティブエージェンシーを持っていない点や、創業者が一定の影響力を持つ持株比率を保持できる機会である点、クライアントへの提案をよりよいものとしていける機会である点から今回の合意に至ったと語っている。

Dentsu Aegis Networkのサブサハラアフリカにおける売上に占めるクリエイティブサービス売上は15%に過ぎない。

【セネガル】カゴメがセネガルに現地法人を設立。加工用トマトの栽培を開始へ(10/27)

カゴメがセネガルに現地法人を設立する。セネガルで加工用トマトを栽培し、トマトペーストなどトマト加工製品を製造する現地企業に販売する。

将来的には現地の農家と契約を結び、カゴメの持つ苗や栽培に関するナレッジを基に農家にトマト栽培のためのインプットを提供した上でトマトを仕入れる予定。

2018年度に約60ヘクタールの農地で加工用トマトの栽培を開始する。1ヘクタールあたり50トンの収穫量を目標とする。

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