アフリカにおける日本企業の動き(2016年11月)

アフリカにおける日本企業の動き(2016年11月)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【南アフリカ】三菱化学子会社Verbatimが、南アフリカ事業を別会社3つに移管(11/1)

三菱化学の完全子会社であり、データ外部記憶装置製品や水浄化機器を製造販売するVerbatim社が、その南アフリカ事業をCrossafrica Holdings社に移管した。顧客価値と南ア企業に求められるアファーマティブアクションであるBroad-Based Black Economic Empowerment(B-BBEE)要件への準拠を向上させるため。

Verbatimの商品構成に合わせてCrossafrica Holdingsの傘下に3つの販売企業を作り、それぞれとVerbatimが独占販売契約を結び、アフリカ一帯をカバーする仕組みとする。Crossafrica TechnologiesがVerbatimとFreecomブランドを管理し、Crossafrica LightingはLEDライト事業、Crossafrica Water Solutionsはアフリカで伸びている飲料水需要をターゲットとして水浄化機器の販売を行う。

Crossafrica Holdingsのマネージングダイレクターは、Verbatimの中東アフリカ事業のジェネラルマネージャーが務める。Verbatimは1994年にヨハネスブルグに事務所を開設したが、市場の進化や顧客ニーズ、事業環境への対応を進めるため、今回の再構築を行った。Crossafrica Holdingsとしての事業は、11月から行われる予定。

【ケニア】関西ペイントがケニアで合弁会社を設立(11/5)

関西ペイントはケニアで、同社が85%、現地の原料輸入企業の実業家が15%を出資し、合弁会社を設立する。日本で使われてきた漆喰の技術を活用した虫よけ機能のある塗料などを販売していく。

【アフリカ全般】味の素がアフリカの食品大手プロマシドールに資本・経営参画し、アフリカ36カ国に製造・販売拠点を拡大(11/8)

味の素が、アフリカの大手加工食品会社プロマシドール・ホールディングスの株式の33.33%を、約5億3,200万ドルで取得し、持ち分法適用会社にすると発表した。

プロマシドールはアフリカ36カ国で粉ミルクや粉末飲料、風味調味料、シリアルなどを製造・販売している。2015年度の売上高は6億7,300万ドル。主要展開国は、ナイジェリア、アルジェリア、ガーナ、コンゴ民主共和国、アンゴラ。

味の素からは役員を派遣し、経営に参画する。両社のナイジェリア法人も統合する方向で検討する。

【ケニア】トヨタケニアが、ケニアの公共交通向けに16シートのハイエース新モデルを発売(11/24)

トヨタケニアが、16シートのハイエースの新モデルを公開した。ケニアの公共交通マタツにおけるシェア拡大を目指す。

New Sharkと名付けられた新モデルは、より長く広さのある車体で、天井も高く、16シートの乗客にとって快適で豪華な移動を可能としている。これまでマタツ用のトヨタのバンは14シートであったが、2シート増席する。車の所有者にとっては資金回収ペースが上げられ、乗客にとっては快適性が高まる。エアバック、CCTVが付随され、さらに、ガソリン消費量は1リットル当たり12キロメートルと燃費効率も上昇している。販売価格は455万ケニアシリング(500万円)。

トヨタケニアはケニアの公共交通でのシェア拡大を狙っている。トヨタケニアを通じて販売している日野自動車のバスはすでにこの市場で大きなシェアを握っている。

※1ケニアシリング=1.1円(ブルームバーグ、11/27)

【タンザニア】東芝がタンザニアでストレージ製品の販売活動を活発化(11/25)

東芝の中東アフリカ社長が、タンザニアで東芝のHDD、SDカード、USBといったストレージ製品の販売を促進し、現地チャネルのパートナーを鼓舞することを目指して、Go Africaプロジェクトを開始したと述べた。新技術、新商品の紹介も行っていく。

同氏によるとGo Africaプロジェクトの一環で、中東アフリカ社はストレージメディアの製品ポートフォリオとして最新の製品群を展開するという。外付けHDDや内臓HDD、SSD、SDカード、マイクロSDカード、フラッシュUSBドライブなどが含まれている。

【コートジボワール】世界ビール大手ハイネケンと豊田通商子会社CFAOの合弁会社がコートジボワールでビール工場を開業、仏カステルと価格での競争に挑む(11/28)

世界2位のビールメーカーハイネケンが、豊田通商子会社CFAOとの合弁企業により、1億6,200万ドルを投資したコートジボワールのビール醸造工場が11月に開業した。ハイネケンのコートジボワールのGMは、ビール市場が拡大しているコートジボワールにおいて、シェアトップである仏カステル社より安価なビールを販売し、価格競争によりシェアを追い上げる計画であると語っている。

アビジャンに建設されたこの工場の製造能力は年間年間1億6,000万リットル。60clのボトルの販売価格は、カステルよりも安い500CFAフラン(90円)を計画している。

コートジボワールは2011年に約10年間にわたる危機が収束して以降、アフリカで最も成長している経済となっており、ビール消費量も伸びているという。国内では年間2億7,000万リットルのビールを消費しており、現在はそのほとんどのシェアをカステルが占めている。

ハイネケンは、コートジボワール以外に、ナイジェリアや南アフリカ、コンゴ民主共和国、エチオピアを含むアフリカ10カ国で事業を展開している。

なお、豊田通商はこれに先立つ11月22日、持分98%であったCFAOの残りの株式をTOBにより追加取得し、完全子会社化すると発表している。CFAOはこれにより仏市場での上場が廃止となる。

※1CFAフラン=0.18円(ブルームバーグ、11/30)

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