アフリカ国別情報(エチオピア)
エチオピアとはどのような国でしょうか。経済・ビジネス指標や事業環境、代表的な現地企業や日本企業の進出状況についてまとめています。
2019年の建設・稼働状況
(写真:上空からみたBole Lemi Industrial Park I、ABP撮影)
エチオピアは、製造業による立国を目指し、工業団地・輸出特区を非常に活発に建設しています。アフリカビジネスパートナーズは、2017年にエチオピアの工業団地の計画や進捗状況についてまとめていますが、その更新版となる2019年の建設・稼働状況について、以下に一覧表にしました。
エチオピアの現時点でのすべての工業団地の稼働と建設、計画状況が把握できます。当社による現地調査や公開情報からまとめています。
2017年には建設中や建設前だった、Mekelle、Kombolcha、Adama、Jimmaが建設を完了し、すでに稼働しています。これで稼働済みの工業団地の数は、2017年時点の3件から増え、合計7件となりした。Jimmaについては竣工後、エチオピアですでに大規模な靴工場を経営する中国Huajinに売却され、同社が自社工場を設置する他に他社中国企業に対しても入居を募り、工業団地の運営も行っています。
Debre Birhan、Bahir Dar、Arertiについてもほぼ建設は完了しており、稼働を待つ段階です。Bahir Darは香港企業に売却され、香港の縫製工場を中心に入居が進む予定です。
Bole Lemiの2つ目の工業団地であるBole Lomi2、医薬品や医療機器の工業団地となるKilinto、業種混合型のDire Dawaの3工業団地は、竣工間近となっています。
建設業者は、Hawassa工業団地以来、すべて中国企業が占めています。資金調達および建設スピードが大変短いことから、中国の建設会社が好まれています。
このように多くの工業団地が林立しているのは、輸出製造業の振興が経済発展のためにも、国際収支の改善のためにも、外貨獲得のためにも非常に重要な政策となっているという点とともに、政治による地元への利益誘導の面もあります。工業団地のほとんどが、政治的に強いTigray州、Oromia州、Amhara州、SNNPR州に偏ってもいます。エチオピアは2020年の5月に総選挙が予定されており、その結果次第では、今後の工業団地の計画も影響を受ける可能性があります。
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