アフリカにおける日本企業の動き(2026年1月)

アフリカにおける日本企業の動き(2026年1月)

(写真はケニアのスタートアップKoko Networksのコンロを使用する家庭の台所、ABP撮影)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

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【南アフリカ】NTTデータが南アフリカで運営する7つのデータセンターを、南アフリカ通信インフラWIOCCのデータセンター子会社Open Access Data Centersに売却(1/2)

NTTデータが、南アフリカで運営している7つのデータセンターを、南アフリカの通信インフラWIOCCの子会社であるデータセンター事業者Open Access Data Centres(OADC)に売却する。競争委員会が承認した。対象には関連インフラ、機器、サプライヤー契約、リース契約、敷地が含まれる。売却額は公表されていない。

2021年に設立されたOADCは、南アフリカで4拠点、コンゴ民主共和国、ナイジェリアとあわせてアフリカで合計6拠点のハイパースケールデータセンターと、30以上の小規模エッジサイトを運営している。
今回の買収承認の直前に、同社の親会社であるWIOCCは、国際金融公社(IFC)、Proparco、Emerging Africa Infrastructure Fund(EAAIF)、Asia Infrastructure Fund、ならびに資産運用会社Ninety Oneから総額6,500万ドルの融資を確保している。これはOADCが設立直後に発表した5年間で最大5億ドルを投資しアフリカ全域でデータセンター事業を拡大するという計画に対する融資の一環となる。

NTTデータは2010年に南アフリカDimension Dataを買収した。2021年にヨハネスブルグに12MWのハイパースケールに特化した施設(JOH1)の第1フェーズを開設している。アフリカ最大規模を誇る南アフリカのデータセンター市場は、現在約5億8,000万ドル規模とされており、2030年までに約12億5,000万ドルに拡大すると予想されている。

【ナイジェリア】双日と英プライベートエクイティHelios Investment Partnersが、ナイジェリアの天然ガス小売Axxelaの株式を現地企業コンソーシアムに売却(1/2)

双日とアフリカに特化したプライベートエクイティのHelios Investment Partnersが、ナイジェリアの天然ガス小売Axxela に保有する株式をBlueCore Gas InfraCoに売却した。双日は25%、Helios Investment Partnersは75%の売却となる。Helios Investment Partnersの売却に際し、双日はタグアロング権を行使した。

新たにAxxelaの経営権を取得したBlue Coreは、ナイジェリアおよび西アフリカ全体でのガス・電力開発を目的に設立されたコンソーシアムで、ナイジェリア企業Afrigaz Energie、Levene Energy Development、emPERSAND、energy&からなる。ナイジェリア政府はガスを工業化と発電の安定化の基礎として位置づけようとしている。規制改革や需要の増加が起こっていた。

Axxelaは過去10年にわたり、ナイジェリアにおけるガス利用の普及を進め、ディーゼルへの依存の低減と産業の支援に関わってきた。その資産であるパイプラインを通じて、工業、商業、発電といった領域の顧客に天然ガスを供給した。

【モロッコ】三井物産が出資するモロッコ養鶏大手Zalar Holdings傘下の農業会社Zalar Farmsが、高付加価値果物の生産会社Africultureを吸収合併(1/2)

モロッコの農業大手Zalar Farmsがモロッコの同業で高付加価値果物生産会社Africultureの吸収合併を発表した。Zalar Farmsの既存株主であるZalar Agri SARL、Milagri Holdings LLC、Fermes Avenir SARLとともに、Africultureの株主である投資ファンドUnion Finance Corp SAが共同支配として加わる。

1977年に設立されたZalar Farmsは、モロッコを代表する農業企業の一つで、果物・野菜の生産、包装、販売を一貫して手がけている。主な製品には、リンゴ、アボカド、アーモンド、デーツ、ブルーベリーが含まれ、国内販売及び輸出を行っている。合併により、生産拠点の連携強化、物流の統合が期待され、西アフリカ、北米、アジアといった新たな輸出機会を創出する。Zalar Farmsは、特定の技術的専門知識の移転を通じて生産品質の向上を目指すとともに、国際市場の最も厳しい基準を満たすために、包装および物流能力を強化する。

【アフリカ全般】ドローンとAIによりマラリア蚊の駆除を支援する日系スタートアップSora TechnologyがプレシリーズAのセカンドクローズで4億円を調達(1/5)

ドローンとAIを使ってマラリア蚊の駆除を支援する日系スタートアップSora Technologyが、プレシリーズAのセカンドクローズで4億円(約250万ドル)を調達した。2025年3月に発表された480万ドルの調達に続くもので、これにより同社の累計調達額は約730万ドルとなった。

最新ラウンドでは、ニッセイキャピタルやSMBCベンチャーキャピタルといった既存投資家に加え、大和ハウスグループ、東海国立大学機構や三菱UFJ銀行等が出資する東海研究開発、UNERIキャピタルファンドが新たに加わった。
Sora Technologyは、衛星画像、ドローン、AIを組み合わせて調査・分析し、蚊の繁殖地の正確なマッピングを行い、疾患発生の予測モデルを構築することで、標的を絞ったマラリア蚊の駆除を可能にする。ガーナ、シエラレオネ、ベナン、コンゴ民、セネガル、ケニア、モザンビークなどアフリカ10カ国で、政府や地方自治体、大学、研究機関、国際的なパートナーと連携している。今後は鉱山会社の環境モニタリグや農業における生産性確保や環境負荷低減にも取り組む。

【タンザニア、ケニア】タンザニアなどアフリカ5カ国でランタンレンタルを展開する日系スタートアップWasshaが、ケニアのバイク向け融資日系スタートアップZaribeeを買収(1/7)

タンザニアを始めとするアフリカ5カ国で、太陽光発電を用いたランタンのレンタルサービスを展開する日系スタートアップWasshaが、ケニアでバイク向け融資を提供する日系スタートアップZaribeeを買収した。これによりWasshaはケニアに進出するとともに、バイク向け融資に事業領域を拡大する。

Zaribeeはスカイライトコンサルティングとアンカバードファンドが出資し、2021年に設立された。これまで累計約5,000台の商用バイクユーザに所有権移転型融資を提供したという。今後はWasshaが構築してきた現地人材主体の運営ノウハウを投入する。

Wasshaは上場を目指しており、今後もM&Aを加速するとしている。

【ケニア】ケニアの眼鏡小売Mamy Eyewearが、ファンケル創業者が設立した池森ベンチャーサポートから調達(1/13)

ケニアの眼鏡小売Mamy Eyewearが、日本のファミリーオフィスである池森ベンチャーサポートから調達した。金額は非公開。東アフリカ一帯へと事業を拡大する。

Mamy Eyewearは、スタイリッシュで高品質かつ手頃な価格の眼鏡を販売する。近代的な眼鏡店ネットワークを構築し、AIを活用した無料の視力検査を経て、最短2時間で15ドルから処方眼鏡を提供している。
池森ベンチャーサポートは、アフリカとアジアで投資を行っている。ファンケル創業者がスタートアップ支援のために設立した。

今回の出資により、Mamy Eyewearは池森ベンチャーサポートの消費小売分野における知見を活用し、戦略的ガイダンスを受けながら、東アフリカにおける眼鏡小売の先駆者となることを目指す。

【エチオピア】小型衛星の開発・運用を行うアクセルスペースがエチオピアのJethi Software DevelopmentとMoUを締結(1/15)

小型衛星の開発・運用を行う日系スタートアップ、アクセルスペースがエチオピアのテクノロジー企業Jethi Software DevelopmentとMoUを締結した。衛星データを用いて現地の課題を解決する。
農業、環境・森林保全、防災・気候変動対策、都市計画・インフラ構築といった分野で、地球観測データや利用に関するノウハウを提供し、エチオピア国内における地球観測データ利用の枠組みの構築や衛星データを現地の情報やルールと組み合わせる。今後解決すべき社会課題を見極め、これら地球観測データと現地情報を組み合わせたソリューションを開発する。

【モロッコ】電動工具のマキタがモロッコに拠点設置へ(1/15)

電動工具のマキタが、モロッコで2026年中に同社アフリカ初となる物流拠点を設ける。首都カサブランカに、1億円程度を投資し、倉庫と修理場を設け、営業支援拠点も併設する。現在はベルギーからアフリカに製品を輸出しており、現地の販売代理店への出荷に時間がかかっていた。現地の営業スタッフを19人に増やし、サービスも充実させる。

同社によると、アフリカではビル建設を始めとしたインフラ整備が増えており、高機能で高価な工具の需要が高まっているという。一方で説明の難しさから代理店だけに任せるのが難しくなってきており、一緒に営業してサポートする体制づくりを行う。

先進国では人手不足や資材高騰などで住宅着工件数が減少し、需要が伸び悩んでいる。一方アフリカの建設需要は伸びており、マキタの2025年3月期の中東・アフリカ売上高は前年比18%増の187億円となったという。

【ナイジェリア】ヤマハ発動機が出資するナイジェリアの電動バイク向け融資Metro Africa Xpressが2,400万ドルを調達(1/16)

ナイジェリアで二輪向け融資を提供するMetro Africa Xpress(MAX)が、2,400万ドルをエクイティとデットで調達した。UAEのEquitane DMCC、英Novastar、米Endeavor Catalystなどのグローバル投資家が参加し、英Energy Entrepreneurs Growth Fundや開発金融による資産担保型デットを確保した。MAXは2019年以降、累計約8,700万ドルを調達している。

MAXは2015年に配送サービスから開始し、配車サービス、車両金融を経て、現在の電動バイク向け融資へと複数の事業転換を行っている。2020年から電動バイク向け融資に注力し、黒字を達成したという。ヤマハ発動機やインドの二輪メーカーHero、電動バイクのSpiroと提携して車両を調達し、ナイジェリアのIbadanには月間最大3,600台の電動バイクと電動三輪車を組み立てできる工場を運営している。これまで5,600万ドル超の融資を提供し、4,400万ドルを回収した。

MAXは、電動バイクの統合型プラットフォームへと事業を変化させようとしており、今回の調達資金を用いて、電気自動車台数の拡大、バッテリー交換ステーションといったインフラの拡充、フリート管理とIoTの強化を進め、西アフリカおよび中央アフリカの国々へと事業を拡大する。2027年までに25万人のドライバーに融資を提供し、経常収益1億5,000万ドル超を目指すという。

【ナイジェリア】東洋エンジニアリングの尿素技術が、ナイジェリアでBua Chemicalが計画している世界最大規模となる日産8,000トンの尿素肥料プラントに採用(1/22)

東洋エンジニアリングの尿素合成および造粒に用いられる尿素技術が、ナイジェリアの化学肥料メーカーBua Chemicalsが計画している世界最大規模となる日産8,000トンの尿素プラントに採用された。
東洋エンジニアリングは世界で110件以上の尿素技術の供与およびプラント建設実績がある。アフリカにおいては、4件の日産4,000トン規模の尿素肥料プラントで採用されている。

【南アフリカ】日産自動車が南アフリカ工場を中国Cheryに売却、南アフリカの自動車生産から撤退(1/23)

日産自動車が、南アフリカの生産資産を中国の自動車メーカーChery(奇瑞汽車)に売約することで合意した。プレトリアのRosslynに所在する工場の土地、建物、近隣のプレス工場が対象となる。

日産自動車の南アフリカ工場は、2024年3月にNP200の生産を終了して以降、ナバラ1車種のみを生産していた。Nissan South Africaによると、稼働率を確保するために新車種の生産を検討していたが、2024年末に向けて日産自動車がグローバルな事業再編に着手したため、計画は頓挫したという。800人以上いる従業員の雇用を継続するために、工場閉鎖でなく売却を優先し、雇用を引き受けることを条件に1年を費やして売却先を探した結果、現地化を進め本格的な生産を開始する計画であるCheryとの合意に至ったという。Cheryは、従業員の大多数をほぼ同等の条件で再雇用する。

日産自動車は今後も南アフリカで販売を続ける。ナバラはタイから輸入し、新型車の販売も計画しているという。

【モザンビーク】三井物産が出資するモザンビークの液化天然ガスプロジェクトが建設再開で合意(1/29)

モザンビーク政府と仏TotalEnergiesが、同社を含むコンソーシアムによる液化天然ガスプロジェクト「モザンビークLNGプロジェクト」の建設再開で合意した。遅延により発生した追加コストに関する交渉は引き続き行う。

同プロジェクトは、北部のCabo Delgado州におけるイスラム過激派の攻撃により、2021年に建設を中断していた。2025年10月にTotalEnergiesは治安が改善傾向にあるとして、再開の準備を開始していた。海底インフラの設置を行うための最初の洋上作業船はすでに準備を開始しているという。一方で、中断していた間にコストが45億ドル増加したとして、コンソーシアムはモザンビーク政府に、部分的な補償として建設および生産期間を10年延長することを求めているが、合意に至っていない。プロジェクトが稼働すれば、モザンビークの経済構造は転換し、政府は期間中に税や権益により最大350億ドルを得る可能性がある。

2029年までに、200億ドルの予算で、年間1,300万トンの液化天然ガスを供給することを目指す。プロジェクトのコンソーシアムでは、TotalEnergiesが26.5%、三井物産とJOGMECが共同出資するMEPMOZが20%、モザンピーク国営炭化水素公社(ENH)が15%、インドのBharat Petroleum、Oil India、ONGC Videshがそれぞれ10%、タイのPTTEPが8.5%を出資している。

【ケニア】調理用バイオエタノール燃料を供給するケニアの燃料転換スタートアップKoko Networksが破産申請(1/31)

ケニアのKOKO Networksが、カーボンクレジットの国外販売に関する政府承認が得られないことから、破産申請を行った。即時に全従業員約700人を解雇し、操業を停止した。低所得世帯向けにバイオ燃料および専用ストーブを市場より低価格で提供する同社の事業モデルは、海外での炭素クレジット売上に大きく依存するモデルであり、政府による認可状(LOA)の取得が事業維持の要であった。

2013年設立の同社は、バイオエタノール燃料と専用調理用コンロを約150万世帯に販売してきた。燃料の販売には、数千の代理店に3,000台以上の自動給油機を設置してきた。同社のバイオエタノールの販売価格は1リットルあたり100ケニアシリング(110円)だったが、市場価格は200ケニアシリング(220円)だった。調理用コンロは1,500ケニアシリング(1,600円)で販売していたが、市場の相場は1万5,000ケニアシリング(1万6,000円)である。2027年12月までに、少なくとも300万世帯の顧客を新たに獲得する計画だった。

KOKO Networksは世界銀行グループの多国間投資保証機関(MIGA)から、契約違反や政治リスクを対象とする1億7,964万ドルの保証を確保していた。Verod Kepple Africa VenturesやSBIが出資するNovastar Ventures、南アフリカのRand Merchant Bank、仏Mirova、Microsoft Climate Innovation Fundらからエクイティとデットで1億ドル以上を調達している。
※1ケニアシリング=1.1円(モーニングスター、2/1)

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