- アフリカのビジネス環境
アフリカにおける日本企業の動き(2020年7月)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
- アフリカにおける日本企業の進出事例の一覧は、「日本企業のアフリカ進出動向と事例」からご覧ください。
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【ナイジェリア】関西ペイントがナイジェリアから撤退と日経新聞が報じる(7/11)
関西ペイントが2020年度中にナイジェリアから撤退すると日経新聞が報じた。海外の拡大路線を転換する。M&Aにより欧米の塗料メーカーに先駆けて新興国に進出したが、今後は収益が低い資産を整理し、強みである企業向けを開拓するとしている。
※実情については週刊アフリカビジネス(法人版)で解説済み
【エジプト】日立製作所がABBのパワーグリッド事業を買収し設立したHitachi ABB Power Gridsがエジプトをアフリカのハブと位置づけアフリカへの輸出を強化すると明らかに(7/14)
日立製作所がスイス重電大手ABBのパワーグリッド事業を買収し設立したHitachi ABB Power Gridsは、今後エジプトをアフリカ地域のハブと位置づけ、エジプトで製造した変圧器と高電圧製品の輸出割合を数年で50%まで増やす考えであると、地域ダイレクターが明らかにした。
ABBは1926年にエジプトで拠点を開設し、現在10th of Ramadan工業団地に2つの最新鋭の工場を構えている。1つは変圧器、もう1つは高電圧製品を製造しており、変圧器は中東北アフリカの30カ国以上に、高電圧製品は5カ国に輸出している。変圧器の現時点での輸出割合15〜20%だという。現在はモロッコとコートジボワールに支店をおきながら、エジプトから北アフリカと西アフリカ27カ国以上をカバーしている。
【マダガスカル】住友商事がマダガスカルのニッケル鉱山開発事業アンバトビーの出資比率を54.17%へ引き上げへ。共同出資者カナダSherrittの債務整理により(7/27)
住友商事はマダガスカルのニッケル鉱山開発事業アンバトビーへの出資比率を引き上げる見通しだと発表した。47.67%から54.17%へと引き上げる。
共同出資者であるカナダSherritt International Corporationが、住友商事のSherrittに対する債権とSherrittが持つアンバトビー事業の株式の一部を交換するとした債務整理計画を提出し、債権者に賛成を得たもの。裁判所の承認を得て計画を実行する。住友商事は2017年にもSherrittから持分の一部を取得している。
アンバトビーは世界最大級のニッケルプロジェクト。4月からはコロナウイルスの影響で操業を停止しており、年内は操業停止が続くとされる。
【南アフリカ】フルヤ金属が南アPGM大手アングロ・プラチナムと低温活性触媒を活用する環境事業会社を合弁設立、アングロ・プラチナムが40%出資(7/27)
工業用貴金属メーカーのフルヤ金属は、南アフリカのPGM大手で英国に Anglo Platinum Marketingと合弁契約を締結したと発表した。フルヤ金属が設立した低温活性触媒を活用する環境事業会社Furuya Eco-Front TechnologyにAnglo Platinum Marketingが40%出資した。
Furuya Eco-Front Technologyは、人体に有害なアレルギーや悪臭の原因となる揮発性有機化合物(VOC)や、植物の腐敗を早めるエチレンを除去する低温活性触媒を量産できる技術を持つ。同触媒により、鮮度劣化による食料廃棄の削減やゴミの防臭、抗菌による公衆衛生の向上が期待できる。
【ケニア】いすゞ自動車がケニアでソーシャルディスタンシングを保ちながら最大限の乗客を乗せられるミニバスを再設計(7/30)
いすゞ自動車のケニア現地法人Isuzu East Africaが23人乗りミニバスを再設計した。コロナウイルス感染拡大により、密集を避けるため車内に空席を設けるというルールが実施されている中、効率的に多くの乗客を載せられるよう設計した。登録承認を受けるためにNational Transport and Safety Authority とKenya Bureau of Standardsと現在協議を行っている。
既存の33人乗りのミニバスは、空席を設けなければならないため、乗せることができる乗客数は合計16人となる。ミニバス運営事業者によると、これにより運行あたり1,000ksh(980円)の損失がでているという。再設計されたミニバスは座席を3列にし、23人が乗れるようにする。
ケニアにおけるミニバス産業の売上は年間4,200億シリング(4,100億円)以上とされる。
※1ケニアシリング=0.98円(モーニングスター、8/1)
【ルワンダ】ソフトバンク子会社HAPSモバイルが、ルワンダで成層圏での無人航空機(ドローン)通信基地局によるモバイル通信の実証実験を開始へ(7/31)
ソフトバンク子会社HAPSモバイルが、ルワンダにおける成層圏通信基地局によるモバイル通信の共同研究に関してルワンダ情報通信技術革新性とMoUを締結した。
ルワンダにおいて無人航空機の試験飛行を実施し、4Gならびに5G通信の提供を実証する。アフリカ各国における商用化に向けての端緒とする。
ルワンダ情報通信技術革新省は、今回の実証実験について、概念実証を推進する国を目指すというルワンダ政府のビジョンと合致すると歓迎している。