アフリカにおける日本企業の動き(2016年7月)

アフリカにおける日本企業の動き(2016年7月)

(写真はJTIが買収したエチオピアのNational Tobacco Enterprise Ethiopiaの主要製品でありエチオピアでもっとも人気があるタバコ製品、ABP撮影)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【南アフリカ】ロート製薬が南アのヘルスケア企業を完全子会社化(7/1)

ロート製薬が南アフリカのAJ North社を完全子会社化した。AJ North社は1902年創業で売上約5億円。ヘルスケア製品の製造・販売会社で、アフリカ中南部の大手スーパーを中心に日用品や化粧品の販路を持つ。歯ブラシの生産を行う南アフリカ唯一のメーカーでもある。他社製品のOEM生産やライセンスビジネスを行っており、ロート製薬はAJ North社からライセンスを受け妊娠線防止クリームの製造をベトナムで製造していた。

ロート製薬はこの買収に伴い、中南部アフリカの販路を開拓するとともにロート製薬ブランドの生産も始める予定。

【コートジボワール】精米機メーカーのサタケがコートジボワールに駐在員事務所を開設(7/4)

精米機メーカーのサタケのグループ会社である、英サタケ・ヨーロッパが、コートジボワールのアビジャンに駐在員事務所を開設、活動を開始した。

ナイジェリア、コートジボワール、モロッコ、チュニジアが主要取引国となる。将来的には現地法人化を目指す。

【ケニア】セイコーエプソンの大容量インクタンク搭載プリンターが世界累計1,500万台を達成、アフリカではケニアが販売台数トップ(7/14)

セイコーエプソンは、同社の大容量インクタンク搭載インクジェットプリンターの世界累計販売台数が1,500万台を達成したと発表した。Epson East Africaによると、アフリカにおいてはケニアが最も販売台数が多い。

ケニアでは2011年に販売を開始して以来、製品の購入価格よりも日々のランニングコストの低減に関心が高いビジネスセクターをターゲットとしており、小規模事業者に支持されている。

2015年のケニアでの販売台数は10,000台で、Wi-Fi接続やモバイルフォンからの印刷やクラウドプリンティング性能の搭載により、中小企業向け市場で特に成功を収めているという。

【エチオピア】日本たばこ産業の子会社JTIが、エチオピアのたばこ企業の株式取得を完了し、筆頭株主に(7/15)

日本たばこ産業の子会社JT International(JTI)が、エチオピアの国営たばこ企業National Tobacco Enterprise Ethiopia(NTE)の株式40%を5億1000万ドルで取得した。今年5月に政府持ち分の売却に応札し落札していたもので、契約締結および株式取得が完了した。JTI以外の株式は、エチオピア政府が30.95%、Shebaグループなど民間企業が29.05%を持つこととなり、JTIはNTEの筆頭株主となる。

JTIによると、NTEはエチオピアたばこ市場の85.6%のシェアを持ち、主要ブランドはNyala。エチオピアのたばこの市場規模は約62.5億本。

JTIは出資資金を手元資金と借り入れ枠内での借り入れによって充当する。

【南アフリカ】住友生命保険が南アフリカの保険会社ディスカバリーの保険プログラムの独占使用権を獲得、ソフトバンクと提携しフィンテック保険を展開へ(7/22)

住友生命保険が南アフリカの保険会社ディスカバリーが持つ保険プログラムの独占使用権を得た。ソフトバンクとモバイルを通じたデータ収集で提携し、ITと保険を結びつけたフィンテック保険の提供を行う。

ディスカバリーは、人々の健康への取り組みから病気の発症リスクを分析するモデルを保有している。運動や食生活などの健康への取り組みを点数化し、高評価だと翌年以降の保険料が安くなるほか、提携先の店舗やホテルで優待を受けられるプログラムを、イギリス、カナダ、アメリカ、イタリア、中国など世界11カ国で約350万人に展開している。各国で、中国平安保険、カナダのマニュライフ、イタリアのゼネラリなど現地保険会社と提携している。

住友生命保険は、通常の死亡保険や医療保険に上乗せするプログラムとして提供し、ホテルや旅行、スポーツジムといった提携先で受けられる割引などの特典を付加する。ソフトバンクが歩数や心拍数などの運動データの収集を行う。2018年の商品化を目指す。

発表後、ディスカバリーの株価は上昇し、最終的に1.56%上昇の125.93ランド(9310円)となっている。

※1ランド=7.4円(ブルームバーグ、7/23)

【モザンビーク】日揮、サムスン重工業、フランスのTechnipが、モザンビークでイタリアENIのプロジェクトに対して浮遊式LNGプラットフォームの提供を協議(7/21)

日揮、サムスン重工業、フランスのTechnipが、イタリアの石油会社ENIによるモザンビークでのプロジェクトに対する浮遊式LNGプラットフォームの提供に関してENIと協議を行っていることをサムスン重工業が明らかにした。総額54億ドルの契約となる見込みで、このうちサムスン重工業の契約分は25億ドル。2016年下半期の受注見込み。

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