(調査レポート)ケニア、ナイジェリアにおけるコロナに関する意識行動調査

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(調査レポート)ケニア、ナイジェリアにおけるコロナに関する意識行動調査

(写真は、世界的なマスク不足となったあとケニアで販売され始めたアフリカ布で作ったマスク。ABP撮影)

アフリカビジネスパートナーズのオンライン調査システムを使って、ケニアとナイジェリアで調査を行いました。このコロナ禍における人々の意識・行動をクイックに調査しています。

ケニアではナイロビ都市圏が都市封鎖(外出禁止は夜間のみ)となり、ナイジェリアではラゴス、アブジャ、オグン州が都市封鎖および完全外出禁止となるロックダウンを実施しています。この調査は、それぞれが開始されたあとに、対象都市の居住者を対象として実施しました。

調査項目

  1. これまでのところ、政府の感染対策は、うまくいっていると思いますか
  2. これまでのところ、政府による個人や企業への経済支援は、いまの状況を考えると満足のいくものですか
  3. 次のうち、あなたが心配しているのはどれですか
  4. 現時点で、世帯収入はどの程度影響をうけましたか
  5. 感染防止のためになにをやっていますか
  6. コロナ禍によって、使用をはじめたり、使用が増えたものはありますか
  7. 現在のコロナの状況は、5月になるとどうなっていると思いますか

調査結果要旨

  1. ケニア、ナイジェリアとも、政府のコロナウイルス感染対策はうまくいっていると評価している
    ケニア(とてもそう思う28%、まあそう思う53%)、ナイジェリア(とてもそう思う31%、まあそう思う37%)とも、自国政府の感染対策への評価は高い。両国とも、毎日感染者数の発表を行い、大統領がリーダーシップを発揮し国民に行動を促しているが、それを国民は好意的に受け止めている様子。
  2. 一方で、政府の経済支援には不満が多い
    ケニア(あまりそう思わない46%、全くそう思わない27%)、ナイジェリア(あまりそう思わない20%、全くそう思わない56%)と、両国とも経済支援には不満が多い。ナイジェリアは特に、全く満足のいくものでないという回答が半数を超えている。
  3. ナイジェリアでは、感染することよりもマクロ経済の悪化を心配している
    ケニアでは、もっとも心配していることは感染すること(72%)で、国の経済状況の悪化(52%)、世帯収入を失うこと(51%)と続く。ナイジェリアは感染への心配(47%)よりも、国の経済状況の悪化(63%)に対する心配の方が高い。どちらもまだ感染者の増え方が大きくはないため、自分が重症化して命を落とすような事態をリアルに懸念する状態ではない様子である。
  4. 世帯収入への影響は、ロックダウンを実施しているナイジェリアでより大きい。収入をすべて失ったとする人がケニアでは18%、ナイジェリアでは31%
    昼間の経済活動は可能なケニアでは、半分以上失ったが41%、すべて失ったが18%。雇用されている人はまだ解雇などの影響は受けておらず、現状維持できている人も22%存在する。ロックダウンにより個人事業主やカジュアルワーカーなどのインフォーマルセクターの仕事がなくなったナイジェリアでは、31%がすべて失った、29%が半分以上失ったと答えており、深刻度は高い。
  5. 感染防止のための正しい行動を行っている
    手洗いをいつもより頻繁に行うとした人の比率は両国とも高く、ケニアで89%、ナイジェリアで85%。ケニアでは公共の場所でのマスクが義務付けられたため、63%がマスクをつけている。人混みを避けたり、集会や人と会うことを避けるソーシャルディスタンスの実施率も両国とも高い。また、フェイクニュースに騙されず正しい情報を得るという回答も、ケニアで43%、ナイジェリアで55%と半数前後に上った。
  6. ケニアではモバイルマネー、ナイジェリアではオンラインバンキングが伸びる。ナイジェリアはコンテンツ消費とオンライン学習の伸びが目立つ
    ケニアではモバイルマネー、ナイジェリアではオンラインバンキングがもともと普及しているが、それらの使用頻度が高まっている様子。ソーシャルディスタンスにより人と会えなくなった分、WhatsAppをはじめとするオンラインコミュニケーションツールも使用が増えている。ナイジェリアでは、テレビやオンライン動画といったコンテンツの消費と、教育熱心の国柄を表してかオンライン教育も伸びている。eコマース、デリバリーの使用が増えたとする人は2割に留まっている。
  7. 5月になればよくなる、解決するとの楽観的な見通し
    国際機関などが相次いで、アフリカの感染者はこれから増え、今後危険な状況を迎えるという見立てを発表しているが、ケニアでは「5月にはほぼ解決する」という回答が37%。ナイジェリアでは22%に留まるものの、「5月には今よりよくなる」という回答が半数を超える。

調査結果の入手方法

調査結果の詳細・グラフや解説については、以下からご覧ください。
コロナに関する意識行動調査 (1)ケニアの結果
コロナに関する意識行動調査 (2)ナイジェリアの結果

お問い合わせはこちらからお願いいたします。

調査概要

調査方法: オンライン調査。アフリカビジネスパートナーズのオンライン調査システムを用いて、パネル(会員)を中心に調査。回答者は携帯のWhatsAppを通じて回答
調査対象地域: ケニアではナイロビ都市圏、ナイジェリアではラゴス、アブジャ、オグン州
サンプル数: ケニア119ss、ナイジェリア93ss
調査期間: 2020年4月12日~14日

※引用される場合には、「アフリカビジネスパートナーズ」との出所の表記と引用におけるルールの遵守をお願いいたします。

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