- アフリカのビジネス環境
アフリカにおける日本企業の動き(2022年2月)
(写真はナイジェリアの小売店で売られるおむつ、ABP撮影)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
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【ナイジェリア、ガーナ】豊田通商傘下CFAO Motorsと、Uber等の配車アプリドライバー向けに自動車融資を提供するMooveが提携し、ナイジェリアとガーナでスズキ車の供給を開始。すでに5,000台を販売(2/10)
ナイジェリアの自動車融資スタートアップMooveが、豊田通商傘下のCFAO Motorsと提携した。CFAO Motorsは、36カ国に拠点を持つアフリカ最大の自動車ディーラーであるCFAO Automotiveの傘下事業。提携によりMooveは、ガーナとナイジェリアにおいて、CFAO Motorsが取り扱っているスズキの新車を顧客へ供給することで車両供給を強化する。すでにスズキ車5,000台を購入した。
Mooveは2020年から配車サービスのドライバー向けの自動車ローンを提供しており、Uberのサブサハラアフリカにおける車両供給および車両融資の独占パートナーでもある。週単位で車両レンタル料を支払うFlexirentalと、毎週の売上の一定割合を30カ月、36カ月、または48カ月に渡って返済し、返済完了時に所有権を得るDrive to Ownというサービスを提供している。アフリカでは人々が購入する車両は輸入の中古車が多くを占め、国内で新車を購入するのが難しい。Mooveは今回の提携により、車両調達力を強化し、Drive to Ownサービスを利用する顧客にいままでよりも迅速に新車を供給する。提携により修理やメンテナンスといったアフターサービスの提供も可能となる。
Mooveはこれまで、ナイジェリアのラゴスおよびイバダン、ガーナのアクラ、南アフリカのヨハネスブルグおよびケープタウン、ケニアのナイロビの計6都市で融資を行っている。同社は、将来的に供給する車両の60%は電気自動車またはハイブリッド車とすること、および顧客の50%を女性とすることを約束している。
ナイジェリアでは、自動車需要年間72万台に対して国内生産台数は1万4,000台に留まり、輸入に依存している。しかし輸入車両の4分の1がおよそ20年前以上経過した中古車で、新車の販売台数は2017年から2020年において4万2,166台に留まり、20年前と比較して大幅に減少している。ガーナでは自動車台数の約70%が輸入車と見られる。アフリカ全体で、2019年~2020年における新車購入台数は38%減少している。
【北アフリカ】検査キットのセルスペクトが中東北アフリカでバイオピリンからうつ病などを検査する検査キットの販売を開始へ(2/15)
日本のヘルスケアスタートアップセルスペクトが、中東北アフリカで簡易健康チェックキットの販売を開始する。指先から微量の血液を採取し血糖値や中性脂肪を測定したり、尿中に排出されるバイオピリンからうつ病などの精神疾患発症リスクの検査を行う検査キットを、サウジアラビアのアブドゥル・ラティフ・ジャミール(ALJ)を代理店として販売する。
紛争がある地域や難民が多い国は、精神疾患の患者が先進国より多いという。セルスペクトは2014年設立。日本国内では抗原検査キットの開発・販売や、PCR検査の受託サービスが伸びている。検査キットは日本で製造し、将来的には現地製造も視野に入れる。23年3月期に海外売上高は6~10億円を見込み、5年以内に30カ国強での展開を目指す。
【南アフリカ】日東電工が、ヨハネスブルグ証券取引所上場の製紙大手Mondiの紙おむつやマスク向け材料事業を6億1,500万ユーロで買収へ(2/17)
日東電工が、ヨハネスブルグ証券取引所とロンドン証券取引所に上場する製紙大手Mondiのパーソナルケア事業を構成する子会社4社を6億1,500万ユーロで買収することで合意した。紙おむつ、生理用品、ウェットワイプ、マスクの材料である伸縮部材や不織布、機能性フィルムなどの衛生材料の製造販売事業が対象となる。
Mondiは今後、包装事業の成長に注力する。機能紙とフィルムをフレキシブルパッケージ事業に統合し、持続可能な包装のための機能紙の開発を促進する。