- アフリカのビジネス環境
アフリカにおける日本企業の動き(2020年11月)
(写真は30℃を超えるガーナの首都アクラのクリスマスツリー、ABP撮影)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
- アフリカにおける日本企業の進出事例の一覧は、「日本企業のアフリカ進出動向と事例」からご覧ください。
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【ガーナ】豊田通商がガーナで車両組立事業者の許可を取得(11/2)
豊田通商は、ガーナで車両生産会社を設立し、車両組立事業者の認可を取得した。新工場の生産能力は1,300台で、ハイラックスをセミノックダウンで生産する。700万ドルを投資し、2021年に稼動を開始する予定。
豊田通商の車両生産拠点としては、ケニア、エジプト、ナイジェリア、ルワンダに続いて5カ国目となる。
【エジプト】日本政府が25年ぶりにエジプトから日本への柑橘類の輸入禁止を解除(11/4)
長年の対話と交渉の結果、日本政府が25年間続いたエジプトからの柑橘類の輸入禁止措置を解除した。日本の輸入検疫基準を満たしていないことから禁止措置が課されていた。
過去数年間、複数の国が複数のエジプトから輸入された農産物に対して、高レベルの農薬が検出されたことを理由に禁止を課していた。この状況を踏まえてエジプト政府は、収穫前、収穫後、輸出前の複数回にわたって検査を行うなど、輸出農産物の品質を確保するための新たな規制や検疫措置を導入してきた。現地メディアによると、エジプトの農作物輸出量は2020年の1月から10月までで430万トンを超えており、中でも柑橘類の輸出量は最も多い1,397,945トンに達しているという。次いでジャガイモ、玉ねぎ、ぶどうが続く。
エジプトではさらに、鳥インフルエンザの感染が拡大した2006年以来停止している食肉の輸出再開に向けた準備が進んでいる。
一方、日本からエジプトへの輸出についてもこのたび、東京電力の福島第1原発事故後からエジプト政府が求めていた、福島産などの水産物に対する放射性物質検査証明の提出義務が撤廃された。
【ナイジェリア】ナイジェリアのチャレンジャーバンクKudaが、シードラウンドとしてアフリカ最高額となる1,000万ドルを調達、SBIインベストメントも投資(11/10)
ナイジェリアのチャレンジャーバンク(デジタル銀行スタートアップ)Kudaが、シードラウンドではアフリカ最大となる1,000万ドルの調達を発表した。欧州のベンチャーキャピタルTarget Globalをリードインベスタートとし、EntréeCapital、SBIインベストメントなどが参加した。
2019年9月のサービス開始以来、約30万人の顧客を獲得し、平均して毎月5億ドルを超える取引を処理している。ベータ版立ち上げのためにプレシードラウンドとして160万ドルを調達していた。アフリカに住む人のみならずディアスポラも対象に、個人および事業主を対象とした金融サービスを提供することを目指す。
携帯を使ったデジタルな金融サービスであるチャレンジャーバンクは世界中で勃興している。しかし、既存の銀行と提携し資金の出し入れなどバックオペレーションを委託して、顧客接点に注力している多くのチャレンジャーバンクと異なり、Kudaはマイクロファイナンス銀行免許を取得し、支払いや送金、デビットカードの発行を自社で行う。銀行サービスのコアな部分を内製化することで、収益の確保を狙う。
【南アフリカ】丸紅が南アフリカの石炭火力発電事業から撤退とロイターが報じる。脱石炭の流れ(11/11)
丸紅が、南アフリカのThabametsi石炭火力発電事業から撤退することを明らかにした。同社の「脱石炭」の取り組みに従い、新たな石炭火力発電所への投資を凍結する。50%ずつを出資する韓国の電力公社KEPCOも10月に撤退を表明している。
Limpopo州に21億ドルを投資し、630メガワットの石炭火力発電所が建設される予定だった。南アフリカの深刻な電力不足を緩和するため、独立発電事業を促進する政府のプログラムの一環として、2016年に丸紅とKEPCOが受注していた。
南アフリカ最大の年金基金であるPublic Investment Corporation(PIG)とIndustrial Development Corporationも資金供給を行わないとしている。化石燃料による汚染が著しい石炭火力への投資を中止し、より環境に優しい形のエネルギーへ転換することへの企業に対する圧力が世界的に強まっている。
丸紅は2018年に、温室効果ガス排出量を削減するため、同社が関わる石炭火力発電の純発電容量約3ギガワットを2030年までに半減する方針を掲げている。
【アフリカ全般】住友商事が英通信大手Vodafoneと提携(11/19)
住友商事が英通信大手Vodafone Groupと通信インフラ事業やデジタルサービスの分野で提携する。
Vodafoneは欧州最大の携帯および固定ネットワーク事業者で、21カ国で通信事業を展開している。アフリカを中心に4,500万人に対してモバイルマネーサービスM-pesaを提供している。
住友商事は、新興国での通信インフラ事業やDX支援を成長分野と位置づけている。ミャンマーにおいては、KDDIとミャンマー郵電公社(MRT)と組み、5Gネットワーク整備やスマホを活用した送金・決済などDX事業を推進している。
【南アフリカ】トヨタ自動車が南アフリカで通信会社Vodacomと提携してToyotaConnectとLexusConnectにエンターテイメントサービスを導入(11/27)
トヨタ自動車の南アフリカ法人Toyota South Africa Motorsが、通信会社Vodacomと提携して、同社が展開する通信サポートサービス、ToyotaConnectとLexusConnectに新しいストリーミングサービスであるMyEntertainmentを12月から導入することを発表した。
車載WiFiなどの機能を提供するToyotaConnectとLexusConnectは1年以上前に開始し、全てのトヨタやレクサスの新車に装備されている。専用アプリを利用すると、オンデマンドサービスの予約、車両使用情報(ログブック)の取得、車両ライセンスの更新、追跡データの確認、ロードサイドアシスタンスの依頼などを行うことができる。
今回のMyEntertainmentでは、VodacomのビデオストリーミングサービスVideo Playと音楽ストリーミングサービスMy Muzeを提供する。Video Playは映画やドラマ、ミュージックビデオなど国内外のエンターテイメントを、My Muzeは国内外の音楽を提供しており、これらを移動中に楽しむことができる。