- アフリカのビジネス環境
アフリカにおける日本企業の動き(2016年12月)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
- アフリカにおける日本企業の進出事例の一覧は、「日本企業のアフリカ進出動向と事例」からご覧ください。
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【ケニア】豊田通商のケニアICT企業Seven Seas Technologiesへの300万ドルの出資の出資比率は9.5%(12/2)
豊田通商が行ったケニアのICT企業Seven Seas Technologiesへの300万ドルの出資につき、Seven Seas Technologiesが、豊田通商の出資比率は9.5%であったことを明らかにした。豊田通商はSeven Seas Technologiesの企業価値を3,140万ドルであると算出したことになる。CEOのMichael Machariaの保有比率は35%。
出資は、豊田通商が2014年に設立した社会貢献型ベンチャー育成ファンドCSV Africaを通じて行われた。 Seven Seas Technologiesは政府や病院向けに、ICTと医療に関わるハードウェアならびにソフトウェアなどを提供している。
Seven Seas Technologiesは今回の豊田通商の出資によって、2020年の新規株式公開に向けた拡大を進めるという。当初同社は2017年の上場を目指していた。
【アンゴラ】丸紅が改修を行っていたアンゴラのテキスタイル一貫工場が生産を開始(12/2)
アンゴラのLassora textile(旧Africa Textil)が、16年間の生産停止期間を経て生産を再開した。タオルやシーツ、ブランケットの生産を行う。工場はBenguelaに位置し、年間120万本のタオル、160万枚のシーツ、12万枚のコットンのブランケットの生産能力を持つ。
同社によると、第一フェーズでは、アジアやヨーロッパ、アフリカなどの異なる国々から輸入したコットンを使用して紡績工程に必要な糸を生産する。将来的にはアンゴラで生産されたコットンの使用を開始する。
4億ドルを投じて設備の拡張や現代化を2012年3月から行ってきていた。アンゴラは国内の需要を賄える縫製企業がなく、同工場は国内市場を対象とする。
【ケニア】ロート製薬がケニアでヘアケア新製品を発売(12/4)
ロート製薬のケニア現地法人、ロート・メンソレータム・ケニアが新製品Rootiaを披露した。
ロート製薬は、胃腸薬や目薬、皮膚に塗る消炎鎮痛剤を販売しているほか、ObagiやHada-Laboといった幅広い美容品も開発してきた。世界110カ国以上にネットワークを持ち、米国やヨーロッパ、アジアなどの地域に現地子会社を持つ。ケニア現地法人の資本金は1億ケニアシリング(1億1,000万円)。
ケニアでは最近、プライベートエクイティのLeapFrogが、ケニアとウガンダで19店舗を展開している薬局チェーンGoodlife Pharmacyを、経営権を獲得できる持株比率にて22億ケニアシリング(24億円)で買収した。10月には医薬品チェーンHaltonsが、10億ケニアシリング(11億円)の事業拡大計画において、国際金融公社(IFC)から3億ケニアシリング(3億3,000万円)の融資を受けている。
※1ケニアシリング=1.1円(ブルームバーグ、12/9)
【アフリカ全般】味の素が、投資会社Tana Africa Capitalが食品会社Promisadorに持つ株式25%を、3億9,900万ドルで取得(12/13)
味の素が、投資会社Tana Africa Capitalが農業食品加工会社Promisadorに持つ株式25%を、3億9,900万ドルで取得した。味の素は33%の持分を目指している。
Tana Africa Capitalは家族経営の投資グループErnest Oppenheimer & SonとシンガポールのソブリンファンドTemasekのジョイントベンチャーである。Tana Africa Capitalは、市場で一定の地位を占める企業へのマイノリティ出資を戦略としている。今後も戦略に沿って、2,000万~7,500万ドルの投資を行っていくと明らかにしている。
Promisadorはアフリカ9カ国に進出し、33か国に製品を流通させている。2015年の売上は6億7,300万ドル。
【アルジェリア】日産とスズキがアルジェリアに自動車組立工場を建設する計画と報道される(12/15)
駐アルジェリア日本大使が、日産自動車とスズキが、アルジェリアに自動車組立工場を建設する計画であると語った。現在両社はアルジェリア政府の承認を待っているところだという。
同大使によると、トヨタ自動車も、トヨタグループでバスとトラックを担う日野自動車によって同国で組立工場を立ち上げることに関心があるという。PSA Peugeot Citröenやフォルクスワーゲンといったヨーロッパ勢も、工場建設の計画を明らかにしている。
アルジェリアでは、地方自治体が自動車メーカーに対して営業許可の取り消しを盾に組立工場の建設を要求している。日産やスズキは、利益の高いアルジェリアの自動車市場を失わないように、組立生産に踏み切る。