- アフリカのビジネス環境
アフリカにおける日本企業の動き(2015年8月)
毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。
- アフリカにおける日本企業の進出事例の一覧は、「日本企業のアフリカ進出動向と事例」からご覧ください。
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【製造業】いすゞが南アフリカ企業2社を買収(7/28)
いすゞ自動車は、南アフリカ現地法人のいすゞトラックサウスアフリカが、現地企業のKANUコマーシャル・ボディー・コンストラクションとオートモーティブ・シャシー・テクノロジーズの2社を買収することを発表した。買収金額は明らかにされていないものの報道によると数億円程度と見られている。
今回買収する2社は、荷台部分の架装、車台の改造技術を有しており、いすゞは顧客のニーズに対応した車両の組み立てから架装までを一貫して現地で手掛けられるようになる。
いすゞはアフリカでの商用車販売台数を2017年度に2014年度比3割増の3万5000台まで増やすことを目標としている。
【投資環境】三井物産がコートジボワールに駐在員事務所を開設予定と現地紙が報道(8/4)
三井物産が、2015年末までにコートジボワールに駐在員事務所を開設する予定であると語ったと、現地紙が報じた。
同社の石川博紳欧州・中東・アフリカ本部長が、同国経済中心都市アビジャンでのダンカン首相との会談で述べたとされており、インフラ、エネルギー、農業、運輸セクターに、今後10年で30億〜100億ドルの投資を行うことを明らかにしたという。
同社はすでに3月にはコートジボワール政府に対して同国西部サン・ペドロへの1,000メガワットの火力発電所建設を提案済で、また、サン・ペドロ港開発・運営にも関心を示しているという。
同グループの三井海洋開発はすでにコートジボワールオフショア油田開発で養生設備であるFPSOのチャーター事業を行っている。
【インフラ】IHIの完全子会社であるドイツのエンジニアリング会社Steinmüller Engineeringが南アフリカに拠点を開設(8/4)
IHI(旧石川島播磨重工業)子会社であるドイツのエンジニアリング会社Steinmüller Engineeringが、南アフリカの既存顧客に対するサービス、及びサブサハラアフリカ向けの新たな電力・産業ビジネスを強化するため南アフリカに支店を開設した。
同社は、2006年から南アフリカ電力公社Eskomとのビジネス関係にあるものの、今後は、石油化学、鉱業等のエネルギー消費が多い企業による代替電源のニーズや独立発電事業体(IPP)に対するソリューションを提供する。
同社は、長期的にはプラントのコンポーネントや機器について、現地調達を行うことも視野に入れているという。
【製造業】ナイジェリア政府がトヨタ、ホンダを含む12社の自動車工場の建設を承認と現地紙が報道(8/4)
ナイジェリア政府が、National Automotive Design and Development Council (NADDC)を通じ、トヨタ、ホンダを含む複数の自動車メーカーに関して、合計12社の自動車組立工場の建設を承認したと現地紙が報じた。
認可された工場では、SUV、乗用車、ピックアップトラック、バス、三輪オート、二輪車など、多岐に渡る車両の組立が行われる。
ナイジェリアの自動車組立プラントは、今回の12工場を含めて合計45工場になるという。
【製造業】日産が南アフリカの工場で新たなモデルの生産開始を検討(8/5)
日産が南アフリカの工場で新たなモデルの生産開始を検討していることを明らかにした。今回新たに生産を計画しているモデルは1トン小型トラックで、既に世界市場では販売しているが、南アフリカ市場では初投入となる。
現在日産は同国の首都プレトリア近くRosslynに工場を持っており、1トン小型トラックNP300 Hardbodyと、0.5トンピックアップNP200を生産している。日産によるとRosslyn工場は、アフリカのハブ工場となり地域への組立部品基地とするという。
南アフリカでは多くの完成車メーカーが、同国政府による自動車セクターの投資促進プログラム(Automotive Production and Development Plan、以下「APDP」)に基づくインセンティブを背景に、南アフリカでの生産と同国からの輸出を拡大している。APDPによるインセンティブが適用されるために必要な生産台数は50,000台で、Rosslyn工場の生産能力は110,000台とそれを上回るものの、2015年の生産台数は40,000台程度にとどまる見通し。
アフリカでは2014年に新車140万台が販売され、2020年までには220万台まで伸びる見込み。
【天然資源】ガーナ石油公社が三井物産をガス生産に必要なインフラ整備支援に指名と現地紙が報道(8/13)
ガーナ石油公社(Ghana National Petroleum Corporation、以下「GNPC」)が、天然ガス生産に必要なインフラ整備のファシリテーター兼アドバイザーに三井物産を指名したと現地紙が報道した。
既存および新規ガス田で生産されるガスの処理と市場まで輸送するためのインフラ開発が対象で、これまでにGNPCが予備調査を行ってきている。今後本合意に基づき三井物産は、技術・商業・経済面からの詳細なフィージビリティスタディーを行う。
このフィージビリティスタディーには、国内2基目となるガスプラント建設も含まれるという。本サービスは三井物産側の無償で行われる。
なおガーナではTano Basinのガス田で、2018年以降、日量2億5,000万立方フィートのガス生産が期待されている。
【農業】三菱商事がシンガポールの農業商社Olamの20%株式を取得へ(8/28)
三菱商事がシンガポールの農業商社でアフリカにおいても幅広く事業を展開するOlamの株式について、Olam創業家から約8%を取得するとともに、同社の第三者割当増資の引き受けで約12%、合計20%株式を保有することでOlamとの資本提携で合意した。
総出資額は約1,300億円。三菱商事はOlamに取締役2名を派遣する。
Olamを戦略的事業パートナーとし、原料の調達網拡大や、Olamの農業生産・調達基盤と三菱商事の食品製造・販売基盤を融合させ、農業・食品バリューチェーンの垂直統合を実現し、グローバルベースでの事業展開を目指す。
また、Olamが持つアフリカでの原料調達網及び食品加工などの事業基盤を起点に、将来有望な消費市場であるアフリカ大陸における事業拡充にも積極的に取り組むとしている。