アフリカ国別情報
アフリカ54カ国それぞれの人口、都市人口・都市化率、中位年齢、ジニ係数のほか、GDP、経済成長率、貿易、カントリーリスクに関する指標をまとめました
2050年にはアフリカが世界の人口の1/4を占める。都市化も進み、人口ボーナス期を迎えさらなる経済成長が期待できる国も
アフリカビジネスを検討する上で、人口は欠かせない要素です。このページでは、2050年に向けた今後の人口増加と、ビジネスの観点からみて重要な人口ボーナス期と都市化の到来についてまとめました。その(2)では、アフリカの中間層が現在どの程度存在するのかについて考察します。
(写真はナイジェリアのマーケット、ABP撮影)
ビジネスの拠点としてのアフリカの魅力のひとつは、その人口にある。2022年時点で14億人を擁するアフリカの人口は、2050年には25億人まで増え、世界人口の4分の1がアフリカとなると予想されている。
アフリカで人口がもっとも多いナイジェリアは、米国を抜いて世界第3位の人口大国となる。下図ではオレンジがアフリカの国々の人口を示しており、25億人のアフリカは、青のアジアに次いで世界で大きな存在感を持つことになる。
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2022年は、ちょうどアフリカとインドと中国の人口が14億人で並び、アフリカが超えていく交接点となった。アフリカの人口は、アジアの人口増加が減少に転じる2056年以降もまだ成長を続けると予想されている。2100年時点のアフリカの人口は39億人、アジアは47億人である。
人口増加は経済の規模を拡大するため、どの業界にとっても好機を生むが、価値の創出と負担のバランスが重要だ。人口に関する指標のうち、ビジネスにおいてとくに重要なのは、人口に占める生産人口の割合と都市人口の比率である。生産人口(15歳から64歳)の割合が多いと富を生み出す力が効率化し、経済成長や工業化が進みやすく、都市化が進むと富の集中と集積が起こり、消費者人口や購買力が増え、農村から都市へのサプライチェーンが効率化しうるからだ。
生産人口の割合の増加は、出生率の低下とともに起こる。たとえばケニアは、2050年には子どもの数が減り、生産人口が非生産人口の2倍に近づく。いわゆる人口ボーナス期の到来だ。労働力が増えて社会負担が減る、その国に1度だけあらわれる経済成長の黄金期となる。
ナイジェリアの現在の中位年齢(人口の中央の年齢)は17歳であり、つまり人口の半分以上が未成年であるとても若い国で、現在の人口ピラミッドをみると裾野がとても広い。2050年になると生産人口と非生産人口がちょうど半分ずつとなる。ナイジェリアで生産人口が非生産人口の2倍となる人口ボーナス期がやってくるのは、2075年ごろとなる。
アフリカの都市化は2000年以降急速に進んでおり、南アフリカやナイジェリアなど人口に占める都市化率が50%を超えた国もある。都市に人口が集中すると、交通や電気といったインフラが追いつかないなどの弊害もあるものの、集積が進んで経済が成長する。貨幣がなくとも生活が可能な農村部と、出費をすることで生活が成り立つ都市部は消費力に大きな差があり、都市に人口が集中するおかげで規模が必要な製造業も小売流通も成立し、投資が行われる。農村にとっての市場が生まれ、経済化が進む。
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都市化と人口減少は、一般的には同時に起こる。たとえばケニアの首都ナイロビではいま、都市で仕事をみつけた夫婦は伝統的な大家族とは違って共働きの核家族で暮らしており、住宅事情や十分な教育を与えようとする傾向から子どもの数は2人程度に減っている。一方で、たとえばナイジェリアの商都ラゴスのように、一族の長期的な繁栄への期待やリスクに備えてスペアを用意する習慣から、少なくとも3人は産まないと不安だとされ、都市化と子どもの多さが両立している国もある。
2020年時点で、アフリカには人口100万人を超える都市は68都市、300万人を超える都市は25都市、500万人を超える都市は、カイロ(エジプト)、ラゴス(ナイジェリア)、キンシャサ(コンゴ民)、ルアンダ(アンゴラ)、ダルエスサラム(タンザニア)、ハルツーム(スーダン)、ヨハネスブルグ(南アフリカ)、アレクサンドリア(エジプト)、アビジャン(コートジボワール)の9都市が存在している。今後も都市化は確実に進み、2050年には人口が多い都市の数も増加するだろう。
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ここまで、2050年に向けて、アフリカの人口増加がアフリカ全体および各国の経済成長につながる可能性について言及しました。次のページでは、アフリカの中間層が現在どの程度存在し、アフリカの都市部ではどのような消費性向が持たれているのかについてまとめます。
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