South Africa consulting

南アフリカ進出コンサルティング

南アフリカはアフリカ最大の工業国で経済大国。消費の成熟度も高い。アフリカビジネスパートナーズは南アフリカでコンサルや調査を提供しています

南アフリカにおけるコンサルティングサービス

アフリカビジネスパートナーズは、南アフリカに現地法人を設立し、日本企業や南アフリカ企業、海外企業に対してコンサルティングサービスを提供してきました。ヨハネスブルグにオフィスを構え、高い専門性を持つ現地のスタッフを雇用しています。

南アフリカは製造業の裾野が広く、消費地立地型の製造業のみならず重化学工業も存在し、鉄鋼や自動車産業をはじめ輸出産業も豊富に存在しています。日本企業にとってはそういった製造業向けに製品を販売する機会が多く、弊社の南アフリカ向けコンサルティングのクライアントも製造業企業の割合が多くなっています。

顧客となる南アフリカの製造業企業や代理店となるパートナー企業を探すニーズは高いです。また、さらに進んで、投資やM&Aの支援についても多くお声がけいただきます。すでに取引関係のある現地企業を買収する場合や、オーナー企業の事業継承案件、また、南アフリカのスタートアップに投資する場合の、ソーシングや事業デューデリジェンス、FA業務、およびPMIのご要望は多いです。

南アフリカは日本企業がもっとも進出している国であり、あらたに南アフリカに現地法人や支店、駐在員事務所を設立し、進出する企業も継続して生まれています。これら企業に対して、事業戦略の立案から、法人登記や税務登録、人材の雇用、パートナー企業との交渉支援も含めた、事業立ち上げの最初の一歩から軌道に乗るまでの支援をトータルで行うパターンがよくあります。事業は立ち上げの段階がもっとも難しく、エネルギーを要し、誤った選択をするとあとから修正が困難なまま何年も無駄とすることになるため、この第一歩の支援にとくに力を入れています。

昨今は、消費財企業の南アフリカへの再検討も増えてきました。日本の消費財企業には、80年代や90年代に南アフリカに進出したものの、取り組みを行わないまま年々シェアを落としている企業が多くあります。テコ入れを行うために、調査や戦略の再立案代理店の再設定などを経て、消費財ブランドの営業の支援やマーケティングの支援を行っています。

南アフリカにおけるコンサルティング実績

アフリカビジネスパートナーズが南アフリカで行ったコンサルティングサービスの実績を、実績のページで紹介しています。

南アフリカを始めとする工業国で投資・提携を検討した長瀬産業様のプロジェクトについては、お客様の声でご紹介しています。

南アフリカ進出にあたってのガイドと注意点

以下のページで詳しく説明しています。

南アフリカの経済・ビジネス指標

南アフリカの経済構造と事業環境

南アフリカの代表的な企業

南アフリカに進出する日本企業

南アフリカの事業機会

南アフリカへ進出する方法(法人設立、BEE(黒人経済力強化政策)対策、税制、労働許可・雇用、治安)

南アフリカの経済構造と事業環境

アフリカ最大の経済国で工業国。産業成熟度は高い

金、石炭、プラチナといった鉱物資源や、穀物、果物といった農業資源に恵まれ、その加工を行う資本集約型製造業と輸出が主要産業として経済を牽引してきた。1948年に法制化されたアパルトヘイトは欧州からの技術移転と労働力を提供し、道路、鉄道、港湾、電力といったインフラの整備とともに工業化が進んで1950年代には近代産業が発展した。石油化学や鉄鋼といった重工業も生まれた。M&Aがさかんで企業の規模化が進む傾向があり、南アフリカから世界に進出した企業も多数存在する。南部アフリカ随一の経済国であるため、周辺南部アフリカの国々の市場を支配し「南ア経済圏」を形成しており、人口以上の市場規模がある。

一方、1990年代以降の投資不足や経営の失敗により、近年は電力、港湾といったインフラや航空など国営企業が混乱をきたしている。豊富な石炭を用いてかつては世界一安く供給され、工業化の進展に貢献した電力は計画停電が行われるような供給不足に陥った。加えて世界的な脱炭素の潮流は、石炭立国である南アフリカ経済に打撃となっている。

先進国型の消費文化

早くから国中の物流インフラが整ったことから、都市型の消費生活の普及も早かった。スーパーマーケットは日本とほぼ同時期に誕生。モールの数は日本に続く世界第5位である。人口の67%が都市に住み、モータリゼーションも進んでいるため、どのような地方に行っても店舗がある。一人あたりGDPは6,427ドルと、タイ(7,650ドル)に続く水準で、大半の東南アジアの国より高い。単純労働でも賃金は月5~8万円程度であり、他のアフリカの国々と比較すると住環境や所有物、生活の水準も高い。富裕層から貧困層まで先進国型の生活スタイル、食生活が普及している。しかしながら所得格差を示すジニ係数が世界で最も高いなど貧富の差は大きく、今も土地の70%は白人が所有するなどアパルトヘイト時代からの資本家に富は偏在している。

M&Aのための環境は整っているが競争を妨げる要素も

資源国であることから金融が発展しており、M&Aや投資のための法制度や支援産業も整う。買収に値する現地優良企業も多く、外資によるM&Aはアフリカのなかではやりやすい。直接投資額もアフリカのなかで桁外れに大きい。ただし競争当局の権限が強く、独占的な買収は阻止される。

1990年にアパルトヘイトが撤廃されて以降政権をとる与党ANCは、その誕生の経緯から民主的な政策をとっており、南アフリカはアフリカのなかではデモクラシー指数は高く、腐敗指数は低い。アパルトヘイトにより生み出された格差を是正するため、福祉による支援を取り入れ、黒人経済力強化政策(BEE)を導入してきた。しかしこれら政策は、逆に失業率の上昇や利権の固定化を生み出す結果となっており、新規参入企業の成長や所得階層の移動が自由な経済の達成は道半ばとなっている。

南アフリカに進出する方法

法人設立

南アフリカに進出するにあたっての法人形態は現地法人、支店、駐在員事務所がある。特定業種*を除いて、外資の進出規制や株式保有比率の規制はなく、日本企業100%出資による法人設立が可能。駐在員事務所は営業活動はできない。現地法人の場合の取締役数は1人でも可能で、外国人のみでも良い。資本金額の規定はないが、事業内容に応じた慣習的な金額が存在する。正しいステップを踏めば、法人設立は数日で完了する。

法人口座の開設は時間がかかることが多い。南アフリカの代表的な銀行としては、Standard Bank、元バークレイ銀行であるAbsa Bank、First National Bank(FNB)、Nedbankが挙げられる。 外資の金融機関としては、CitibankやStandard Chartered、Société Généraleなどが南アフリカで営業を行っている。Standard BankやEco Bank、Access Bankといったアフリカ複数国で営業するアフリカ系銀行も利用できる。日系の金融機関はみずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行が出張所を置いている。

*銀行、保険、通信、鉱業については、政府の許可が必要となる

BEE(黒人経済力強化政策)対策

南アフリカでは、アパルトヘイト時代に不利益を被った主として黒人の人たちに対する格差是正のためのアファーマティブアクションとして、BEE(Broad-Based Black Economic Empowerment、黒人経済力強化政策)が導入されている。黒人の経済的地位向上に対する企業の貢献度を所有権、経営支配、技能開発、企業およびサプライヤーの発展、社会開発の5要素それぞれで点数化(スコア)し、その合計点数により企業をレベル1からレベル8までに格付けするもので、政府や公共事業の応札優先条件として用いられている。民間取引では条件でないものの、スコア化の5要素のうち1要素中の1項目に「優先調達」があり、黒人が51%以上の株式を保有する企業などからの調達の割合に目標数値が設定されていることや、BEEレベルの高い企業からの調達額は多く算入できることから、取引相手によってはサプライヤー選定の判断基準に使うことがある。

日本企業においても、南アフリカで展開したい事業の内容によっては事業成長のためBEEのスコアの確保が必要となるため、法人を設立するタイミングで、得たいBEEレベルにあわせて株主比率や取締役の任命、法人のサイズ、現地企業との提携や原料調達先、サプライチェーンの座組みなどについてあらかじめ検討し工夫を行う必要がある。

税制

法人税の基本税率は27%で、売上額が55万ランド以下の小企業や100万ランド以下である零細企業と定義される場合はそれより低くなる。日本の消費税にあたるVAT(付加価値税)は2024年現在15%で、課税対象の商品・サービスの供給額が年間100万ランドを超える場合に納税義務が生じる。ほかに品目に応じてExcise Duty(物品税)が課税される。また、企業は税務登録から21日以内に南アフリカIDを保有する個人をPublic officerとして指名することが義務付けられている。

所得税は累進課税で、たとえば一般的な工場労働者の年収相場である237,101~370,500ランド(2024年4月現在の為替で199万円~310万円)で26%、オフィスワーカーの相場である370,501~512,800ランド(310万~430万円)で31%、673,001~857,900ランド(同560万~720万円)で39%となり、最高税率は45%である。ほかに事業者は雇用にあたってUIF(失業保険)、SDL(技能開発税)、COIDA(労災)を負担するが、金額としては大きなものではない。なお、日本と南アフリカの間には二重課税防止協定が締結されている。

労働許可・雇用

外国人が南アフリカで労働を行うためにはWork permit(労働許可)の取得が義務付けられている。駐在員の多くはICTビザとよばれる企業内転勤ビザ (Intra Company Transfer Visa)を取得しており、これは4年間に限り取得が可能である。駐在員が取得可能なビザとしてはほかに、5年間有効で更新が可能である、特定技能を持つ者に認められるクリティカルスキルビザ(Critical Skill Visa)と一般労働ビザ(General Work Visa)が存在し、ポイント制導入をはじめとする近年の改善により取得方法が明確となった。いずれのビザも提出書類が多いため計画的な対応が必要である。書類の提出先は日本の南アフリカ大使館で、15日間程度かかる。

外資が設立した法人では、南アフリカ人を雇用することが原則的に必要とされている。前述のICTビザの取得にあたっては技能をTransferする南アフリカ人の雇用者が必要であったり、従業員が50人以上もしくは一定の売上高以上の企業は一定の割合で南アフリカ国民の雇用が求められている。労働法に関しては日本と大きく変わらず、解雇、残業代の割増支払い、法定休暇などの労働者の権利が定められている。最低賃金は月額4,000ランド程度だが、実際の相場は掃除やホテルスタッフ、レストランの給仕で月収5,000ランド~1万ランド、工場労働者で1~2万ランド、オフィスワーカーで2万~5万ランド程度となっている。

治安

治安リスクは、(1)テロ、暴動、紛争対立といった国家の脆弱性リスクと(2)誘拐、強盗、スリひったくりといった犯罪リスクに分けられる。南アフリカでは暴動はときどき発生するものの、テロや紛争はほぼ発生しない。暴動には理由があり、いきなりは発生することはなく必ず前兆があるため、ニュースなどで把握することが対策となる。(2)の犯罪は、経済発展にともない犯罪者の水準も上がる一般的な傾向どおり、アフリカでもっとも高度な犯罪が組織化された形で実行されている。住居への侵入と移動時の強盗や襲撃が二大リスクであり、防犯カメラや防止柵の設置、歩かず自動車で移動し窓を開けないといった基本的な対策のほかに、狙われないためにロープロファイルを心がけることが重要である。ただしこういった犯罪リスクが高いのは人が集まる都市部や中心部であり、また同じ都市部においても犯罪が起こりやすい地域とそうでない地域に分かれているため、自己の治安対策能力にあわせて居住地域や訪問地域を選ぶことで防ぐことができる。

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