Kenya consulting

ケニア進出コンサルティング

ケニアは日本企業にとっての「アフリカのゲートウェイ」。アフリカビジネスパートナーズはケニアでコンサルや調査を提供しています

ケニアの経済構造と事業環境

開かれた経済と民主主義

ケニアは東アフリカ最大の経済国。主要産業は農業で、紅茶やコーヒー、花卉、野菜・果物といった農産物の輸出と、モンバサ港を起点とした交易を経済の基盤とする。資源がなく人口規模も中規模だが、近隣の東アフリカ共同体諸国を含む諸外国との関係を保つことで投資を呼び込んできた。開かれた国であり、外資にとって事業がやりやすい環境にある。ビジネスのしやすさランキングではアフリカ4位で、GAFAや大手外資企業が東アフリカの拠点を置く。

日本でも良く知られるモバイルマネーM-Pesa(エムペサ)の普及や、スタートアップ数の増加に見るように、進取の気質に富み、商売を重んじ、利があれば新しい・違うものも受け入れる文化がある。英語能力も高い。他のアフリカで苦労することが多い外貨不足によるL/C開設の困難がないのもやりやすい点である。

都市消費生活の普及

人口の5割が農業に従事する農業国であるものの、首都ナイロビのみならず近郊や地方中核都市にも都市文化は広がりつつある。道路、鉄道、港湾、電力といったインフラは、都市型消費ビジネスの基盤となっている。小売流通額の半分はまだパパママショップのような伝統的小売が占めているが、スーパーマーケットは地方にも展開をしている。老若男女が携帯を使い、15歳以上人口の7割がモバイルマネーを使用している。

一人あたりGDPは2,000ドルを超えインドと同程度。所得格差を示すジニ係数は米国や中国と同水準で、アフリカのなかでは貧富の差が小さく、貧困層と富裕層の暮らしぶりの間にも類似性がある。月収2万円~8万円程度の中間層では、家にテレビと冷蔵庫と電子レンジがあり、スーパーやファストフードにも行き、スマホでSNSを見てときにEコマースも使う生活を送っている。

製造業の近代化・規模化を妨げる壁

製造業は内需向けの食品、日用品を製造する消費地立地型製造業で構成されており、化学や製鉄といった重工業は存在せず、輸出製造業も縫製工場等を除いて少ない。アフリカのなかでは保護的な貿易政策が少なく輸入が容易なこともあり、基礎素材は国外から輸入されている。

富裕層・資本家が農場を占有しそれを富に変えてきた経緯から、金融機関の融資含め投資は不動産に向かう傾向があり、製造業への投資は不足している。資金流動性の不足の他、原料のみならず完成品においても輸入品が流入していることや、製造業は家族経営が多く外部資本を受け入れないため買収・統合が進まないことも、製造業の近代化・規模化が進まず工業化を阻害する要因となっている。

ケニアにおけるコンサルティングサービス

アフリカビジネスパートナーズは、2015年に日系企業初のコンサルとしてケニアに現地法人を設立し、日本企業やケニア企業、海外企業に対してコンサルティングサービスを提供してきました。ナイロビにオフィスを構え、専門性の高い現地のスタッフを雇用しています。

ケニアは日本企業にとって「最初のアフリカ」として検討されやすいこともあり、需要やサプライチェーンに関する調査や、代理店やパートナー候補企業およびポテンシャル顧客の探索を非常に頻繁に行っています。現地企業とのネットワークを有しており、どのような産業でも適した顧客や代理店をご紹介することが可能です。ケニア商工会議所とも提携しています。

ケニアではとくに、製造業向け資機材の販売や消費財の販売で進出する企業が多く存在します。これら企業に対して、事業戦略の立案から、現地法人、支店といった法人登記や税務登録、人材の雇用、パートナー企業との交渉支援も含めた、事業立ち上げの最初の一歩から軌道に乗るまでの支援をトータルで行うパターンがよくあります。事業は立ち上げの段階がもっとも難しく、エネルギーを要し、誤った選択をするとあとから修正が困難なまま何年も無駄とすることになるため、この第一歩の支援にとくに力を入れています。

ケニアへの日本企業の進出数はアフリカで第2位と多いため、すでに進出済みの企業も多く存在します。こういった企業のケニア事業の売上を伸ばし、業績を回復させるため、営業の代行や営業体制の立て直し代理店の運営方法のモニタリングや改善支援をお手伝いすることも多くあります。

ケニアにおけるコンサルティング実績

アフリカビジネスパートナーズがケニアで行ったコンサルティングサービスの実績を、実績のページで紹介しています。

弊社の業務内容やレポートは、クライアントとの契約上非公開ですが、JICAや経産省といった公的機関向けに作成したレポートは公開が可能です。ケニアに関して調査した公開可能なレポートは以下などからご覧になれます。

関連記事:アフリカ業界地図:ケニアの農業ビジネス、化学工業、機械・機器販売の概要

ケニアに進出するためのガイドと注意点

以下のページで詳しく説明しています。

ケニアの経済・ビジネス指標

ケニアの経済構造と事業環境

ケニアの代表的な企業

ケニアに進出する日本企業

ケニアの事業機会

ケニアへ進出する方法

法人設立

ケニアに進出するにあたっての法人形態は現地法人と支店の2種類がある。特定業種*を除いて、外資の進出規制や株式保有比率の規制はなく、日本企業100%出資による法人設立が可能。現地法人の場合の取締役数は法的には1人でも可能だが慣習的には2人以上で、設立時にはケニアID保有者が必要となる。支店の場合はケニアIDを保有する「代表者」を置く必要がある。資本金額の規定はなく、慣習的には10万ケニアシリング、1株100ケニアシリングを最低額とする。

法人設立のプロセスに大きな障壁はなく、正しいステップを踏めば外国法人の設立は1~2カ月で完了するが、明文化されていない慣習的なルールや相互に矛盾するプロセスが存在するため、対策が必要である。

営業を行うカウンティで営業許可を取得し、毎年更新する必要がある。

外資の金融機関としては、CitibankやStandard Charteredがケニアで営業を行っている。日系の金融機関は進出していないが、アフリカ各国に支店をもつStandard BankやEcobankが営業を行っているほか、現地の金融機関にも比較的よい銀行が多い。

*金融、保険、ICT産業、航空、海運、建設、鉱業、警備およびエンジニアリングにおいては、外資の進出および出資比率に規制がある

税制

法人税は、現地法人の場合は30%、支店の場合は37.5%。日本の消費税にあたるVAT(付加価値税)は2024年現在16%で、年間売上500万ケニアシリング以上の企業に納税義務が生じる。ほかに品目に応じてExcise Duty(物品税)が課税される。

所得税は、年収38万8,001ケニアシリングから600万ケニアシリングの場合で30%、960万1ケニアシリング以上が35%(最高税率)の累進課税となる。ほかに事業者は雇用にあたって各種社会保険(健康保険、年金保険、住宅供給税)や労働者訓練税を負担するが、金額としては大きなものではない。なお、日本とケニアの間に二重課税防止協定は締結されていない。

労働許可・雇用

外国人がケニアで労働を行うためにはWork permit(労働許可)の取得が義務付けられている。駐在員の多くはクラスDとよばれる雇用ビザを取得しており、2年ごとに更新し2年で40万ケニアシリングの支払いが必要となる。労働許可の取得には時間がかかることが多いため、早く取得できる代わりに3カ月に限って労働が許可されるスペシャルパスという短期労働許可が存在している。スペシャルパスは2回更新可能で合計6カ月有効であるが、税務登録や住宅賃貸など労働や居住にあたっては労働許可を必要とすることが多い。手続きはケニアの移民局で行う。なお、2024年現在、労働許可の支払い金額を変更し倍以上に増額することが検討されている。

外資が設立した法人にケニア人を雇用することは法的には義務ではない。労働法に関しては日本と大きく変わらず、解雇、残業代の割増支払い、法定休暇などの労働者の権利が定められている。最低賃金は業種とエリアによって決められており、たとえばナイロビで働く雇用ドライバーの最低賃金は20,517.8ケニアシリングで、受付は23,413.5ケニアシリングとなる。大学新卒者の給与相場は7万ケニアシリング~15万ケニアシリング程度で、経験のあるマネージャー層や現地代表のポジションになると人材が不足しているため想定以上の給与額が必要となる。

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