タンザニア

タンザニア

経済・ビジネス指標

正式名称
タンザニア連合共和国
人口
7,055万人(2025年、世銀)
アフリカ5位
宗教
イスラム教(約40%)、キリスト教(約40%)、土着宗教(約20%)(外務省)
使用言語
スワヒリ語、英語(外務省)
GDP
873億ドル(2025年、IMF、名目ベース)
アフリカ12位
GDP成長率(経済成長率)
5.9%(2025年、IMF、実質ベース)
アフリカ15位
一人当たりGDP
1,292ドル(2025年、IMF、名目ベース)
アフリカ32位
GDP構成比
農業23.4%、工業28.7%、サービス28.4%(2024年、CIA)
消費者物価上昇率
3.3%(2025年、IMF、年平均)
アフリカ27位
政府債務残高GDP比率
49.7%(2025年、IMF)
アフリカ31位
輸出額上位3品目
金(37.2%)、ナッツ類(5.3%)、精製石油(5%)(2024年、OEC)
輸出額上位3カ国
南アフリカ(19.2%)、インド(15.4%)、ウガンダ(14.1%)(2024年、OEC)
輸入額上位3品目
精製石油(24.5%)、自動車(2.1%)、トラクター(2.1%)(2024年、OEC)
輸入額上位3カ国
中国(30%)、インド(22.9%)、アラブ首長国連邦(8.2%)(2024年、OEC)
直接投資額(フロー)
17.2億ドル(2025年、UNCTAD)
アフリカ12位
工業競争力指数
世界128位、アフリカ21位(2024年、UNIDO)
都市人口・都市人口比率
4,145万人・58.8%(2025年、国連)
アフリカ7位
中位年齢(人口の中央の年齢)
17歳(2024年、国連)
中間層比率
21.2%(2014年、アフリカビジネスパートナーズ)
ジニ係数
40.5(2018年、世銀)
アフリカ26位
現地日系企業数
30社(2024年、アフリカビジネスパートナーズ)
アフリカ6位
加盟経済共同体
SADC(南部アフリカ開発共同体)
EAC(東アフリカ共同体)
Doing Business ランキング
世界141位、アフリカ26位(2020年、世銀)
腐敗指数
世界84位、アフリカ12位(2025年、世銀)
デモクラシー指数
世界86位、アフリカ13位(2024年、EIU)
リスク指数
カントリーリスク、Cビジネス環境C(2026年、coface)
携帯電話普及率
85.3%(2024年、ITU)
アフリカ9位
インターネット利用率
31.2%(2024年、ITU)
アフリカ36位
銀行口座普及率
21.9%(2024年、世銀)
モバイルマネー普及率
52.9%(2024年、世銀)
次回の大統領選挙年
2030年

※「中間層比率」はこちら、「現地日系企業数」はこちらにアフリカ各国のデータと算出根拠が説明されています。

タンザニア進出ガイド

経済構造と事業環境

国家主導的な市場経済である人口大国

歴史的に社会主義的・官僚主義的な性格が強く、国家の意向や政策がビジネス環境を大きく左右する、国家主導型の経済を持つ。タンザニアの中心的な産業である農業、資源(金および重要鉱物)、建設・インフラにおいてはとくに政策や官需を無視できず、政府とのパイプが強い財閥や大手企業との提携が勝ち筋となる。

生活必需品の需要は規模が大きく、今後も成長が期待できる。一方で、競争参加への制約や財閥や大企業による寡占が存在し、参入障壁となっている。小売の近代化は進んでおらず、伝統的な販売方法が中心となる。

外資規制はほかのアフリカと比べて厳しい面がある。外国人の土地所有や外国人雇用に制限があり、許認可が取得には不透明感がつきまとい、調整負荷も高い。国税は官僚的に取り立てを行っており、税制の一貫しない適用や優遇措置の実務上の不履行も課題となっている。

東アフリカと南部アフリカ、インド洋とアフリカの交接点

地理的に東アフリカと南部アフリカが重なる位置におり、東アフリカ共同体(EAC)、南部アフリカ開発共同体(SADC)の両方に加盟している。ケニアからも南アフリカからも輸入品が入り、ウガンダ商人もマラウイバイヤーもタンザニアにやってくる。ダルエスサラム港は、主としてザンビアなど南部アフリカ内陸国に向かう物流の拠点で、日本の中古車も多く流れる。タンザン鉄道を通じてザンビアの銅やコバルトが輸出され、ウガンダで開発中の石油もタンザニアからアフリカ外に輸出される。

インド洋を挟んで海上交易を行ってきたことから、中東諸国やインドとの関係も深い。いまも輸出や輸入の上位国にインドやUAEが入っており、大型のインフラ案件をこれらの国の企業が獲得することもある。日本にとっても海路を通じて近い国のひとつとであり、後述するようにアフリカへの中古車輸出の中心国となっている。

天然ガス開発が経済に好影響を与える可能性

タンザニア沖合では2010年頃から次々と深海ガス田が発見され、埋蔵量は20兆立方フィート超、商業生産が始まれば年1,500万トンの液化天然ガス(LNG)が生産されると見込まれている。アフリカではアルジェリア、ナイジェリア、エジプトに続くLNG生産国となりうる量である。欧州やアジアへ輸出すれば外貨獲得と経済成長が実現し、国内向けに天然ガスを燃料として使えば電力供給や物流費用が安定して製造業コストで競争力を持ちうるという、タンザニアにとって大きなチャンスとなっている。

しかし、投資を開始するための最終投資決定(FID)は、2022年に予備合意に達したものの、遅々として進まない状況にある。2027年には発出されるという観測もあるが、契約や建設、商業生産および輸出がいつ頃開始できるかは、現時点で見通しが立っていない。

タンザニアの港湾都市、ダルエスサラム

タンザニアの代表的な企業

MeTLは国内最大の財閥で、事業領域は鉄鋼、セメント、農業包装、食品・飲料、ガソリンスタンド、金融・保険と多岐にわたる。最近は、電気自動車のリチウム電池原料となる黒鉛採掘事業への参入、ケニアでの飲料工場建設、モザンビークとボツワナへの投資など、新規投資を次々発表している。Motisun Holdingsは鉄鋼や建築材で強い財閥である。Bakhresa Groupも大手財閥であるが、食品・日用品分野に特化しているのが特徴で、Azamブランドの製品を原料からパッケージ、物流まで自社で垂直統合により供給している。

トヨタ車の代理店であるKarimjee Jivanjeji Groupは創業200年を超える老舗財閥で、自動車や機械類の販売を行う。Amsons Groupは比較的新しい財閥だが、セメント、ガソリンスタンド、食品事業を抱え、ケニアのBambri Cementを買収するなど、地域展開も広げている。

Tanzania Breweries Limitedはビール最大手で、アサヒGHDが買収したEABL傘下企業の競合となる。次の項で紹介するJTグループのTCCは、たばこ最大手だ。

アフリカビジネスパートナーズは、事業領域や事業規模にあわせて、日本企業にマッチするタンザニアのビジネス相手を紹介している。

タンザニアに進出する日本企業

JTグループは、タンザニア証券取引所に上場するたばこメーカーTCC(Tanzania Cigarette Public Limited Company)の75%を保有する。国内最大手のシェアを持ち、タンザニア農家から葉たばこを調達している。農業分野ではほかに、オスティジャパンがコーヒー農園を経営し、クボタが代理店を通じて農機の販売を行っている。

関西ペイントは、2017年にタンザニアおよびウガンダ、ケニアで塗料を製造するSadolinを買収し、国内の法人や個人に広く販売している。NTTデータ電通も、買収によりタンザニアに進出した。

日本ともっとも関係が強い商材は中古車だ。日本からアフリカに輸出される中古車の行先としてタンザニアはトップであり、タンザニアにヤードを構える中古車販売会社も複数存在する。

スタートアップや個人が立ち上げた事業が多いのもタンザニアの特徴だ。非電化地域で太陽光発電装置をレンタルするWasshaや、エアコン事業を行うダイキン傘下のBaridi Baridiのほか、個人でタンザニアに来て事業をしている日本人も多い。

タンザニアに進出しているすべての日本企業については、「アフリカビジネスに関わる日本企業リスト」で紹介している。

関連記事:タンザニアにおける日本企業の動き(今月のアフリカにおける日本企業の動き

タンザニアの事業機会

建設・インフラ、鉱物資源、エネルギー、農業といった主要産業に関わる製品、たとえば建機、発電機、建築資材、工具や機器類、鉄鋼原料、発電・送配電、再エネ製品、農機、化学原料、農産品輸出、トラックなどは、需要が強い。現地の有力企業と代理店契約を結ぶことで、輸出販売することが可能である。

官より民が強いケニアと違い、国家主導の経済は、政府の需要や政策、働きかけひとつで大きなチャンスが生まれるともいえる。

日本企業にとっては中古車の輸出先として馴染みがある国である。日本からの輸送ルートが確立しており、規制が比較的厳しくない。輸入中古車の年限規制も、古いほど物品税が高くなるものの、実質ないに等しい。

自動車については、足元では、電気自動車や圧縮天然ガス車の需要が生まれている。2026年、政府は天然ガス車に続いて電気自動車への優遇措置を導入し、公用車はこのどちらかを優先する政策を発表したため、中国自動車メーカーがこぞって参入した。電動バイクや電気自動車の需要が伸びる可能性がある一方で、日本が優勢であった公用車用の新車や一般の人々向けの中古車にとっては競合が増えることとなる。

タンザニアは後背国である南部アフリカの内陸国への物流拠点であるため、中古車のみならず、機器・機械、原材料といった産業資機材の販売拠点としても有望だ。陸路で輸出されていくほか、周辺国から購入のために人が集まるマーケットとなっている。

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