ガーナ

ガーナ進出:製造業にアクセルを踏む「アフリカの優等生」。消費市場が全国規模で広がりつつあり消費地立地型製造業が可能

ガーナ

経済・ビジネス指標

正式名称
ガーナ共和国
人口
3,506 万人(2025年、国連)
アフリカ13位
宗教
キリスト教(約70%)、イスラム教(約17%)、その他伝統的宗教等(外務省)
使用言語
英語、各民族語(外務省)
GDP
1,147億ドル (2025年、IMF、名目ベース)
アフリカ8位
GDP成長率(経済成長率)
6.0%(2025年、IMF、実質ベース)
アフリカ14位
一人当たりGDP
3,271ドル (2025年、IMF、名目ベース)
アフリカ18位
GDP構成比
農業20.7%、工業28.8%、サービス43.9%(2024年、CIA)
消費者物価上昇率
14.2%(2025年、IMF、年平均)
アフリカ9位
政府債務残高GDP比率
48.8%(2025年、IMF)
アフリカ33位
輸出額上位3品目
金(36.8%)、原油(23.3%)、カカオ豆(9.1%)(2024年、OEC)
輸出額上位3カ国
スイス(26.7%)、中国(12.5%)、インド(10.6%)(2024年、OEC)
輸入額上位3品目
精製石油(7.4%)、建設機械(3%)、鶏肉(1.8%)(2024年、OEC)
輸入額上位3カ国
中国(48.3%)、インド(6.3%)、オランダ(6.1%)(2024年、OEC)
直接投資額(フロー)
19.1 億ドル(2025年、UNCTAD)
アフリカ10位
工業競争力指数
世界116位(2024年、UNIDO)
アフリカ16位
都市人口・都市人口比率
2,728万人・77.8% (2025年、国連)
アフリカ13位
中位年齢(人口の中央の年齢)
21歳(2024年、国連)
中間層比率
45.0%(2016年、アフリカビジネスパートナーズ)
ジニ係数
43.5(2016年、世銀)
アフリカ35位
現地日系企業数
24社(2024年、アフリカビジネスパートナーズ)
アフリカ7位
加盟経済共同体
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)
CEN-SAD(サヘル・サハラ諸国国家共同体)
Doing Business ランキング
世界118位、アフリカ17位(2020年、世銀)
腐敗指数
世界76位、アフリカ11位(2025年、世銀)
デモクラシー指数
世界65位、アフリカ6位(2024年、EIU)
リスク指数
カントリーリスクC、ビジネス環境B
(2026年、coface)
携帯電話普及率
73.1%(2024年、ITU)
アフリカ21位
インターネット利用率
72.2%(2024年、ITU)
アフリカ10位
銀行口座普及率
38.7%(2024年、世銀)
モバイルマネー普及率
78.3%(2024年、世銀)
次回の大統領選挙年
2029年

※「中間層比率」はこちら、「現地日系企業数」はこちらにアフリカ各国のデータと算出根拠が説明されています。

ガーナ進出ガイド

経済構造と事業環境

政治的に安定した民主主義国家、デフォルトから復興し経済は安定化

ガーナの政治は安定しており、直近でも2024年選挙で野党が勝利して民主的な政権交代を実現した。1980年代以降、国際機関などが推奨する経済改革を着実に進め成長してきたため「アフリカの優等生」と呼ばれた。しかし、この評価が国際金融市場へのアクセスと借入能力の過剰評価をもたらし外貨建て債務が膨れ、IMFの支援もあって実施したはずの銀行改革が公的債務を増加させ、コロナ後のマクロ環境悪化も重なり2022年にはデフォルト(債務超過)に陥っている。

デフォルト後は優等生の面目躍如で、債務再編と経済改革を着実に進めた。2026年現在、一時は54.1%まで上昇したインフレ率は5%程度まで落ち着き、90%を超えていた公的債務GDP比率は50%以下に収まり、GDP成長率は6%に回復した。経済は回復し、安定的な成長へとシフトしたといえる。

全国的に広がる消費経済、輸出は金、カカオ、石油の3つに分散

首都アクラに加え第二の都市クマシが存在し、地方都市がが存在する。道路網を通じて地方の農村にも商品が流通し、携帯通信やモバイルマネーも国内に広く普及している。消費市場は全国的に広がっており、アフリカのなかでは都市と地方の差が小さい。

輸出は、金、カカオ、石油の3大一次産品が中心で、輸出額の7割近くを支えている。品目ごとに価格や生産量の動きが異なるため、ある品目の減収を別の品目で補える。2025年には金価格の上昇による収入増が石油収入の減少を補い、外貨準備高と国家財政の安定化に寄与した。アフリカには単一輸出品に依存する国が多いなか、一定のポートフォリオを組めているといえる。

産業多角化と製造業の振興を進め、西アフリカの製造ハブを目指す

2019年に自動車開発政策を制定し、ガーナを西アフリカの自動車生産のハブとするべく、アクラ近郊のテマ港近くの輸出特区に自動車特区が作られた。豊田通商やホンダが進出し、自動車組立生産を行っている。輸出・経済特区に加え、One District One Factory Initiative政策により地方にも工業団地が作られ、200~300の工場が建設されたといわれる。自動車、自動車部品のほか、製薬、縫製、鉄鋼、機械といった領域が重点産業となっている。

一方で、人口は約3,500万人と規模が小さく、ガーナから流通可能な近隣国には購買力が低い国が多いため、ガーナを拠点とする隣接市場の大きさには限りがある。AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)の事務局は首都アクラに置かれており、政府はガーナで製造した製品をアフリカ全土に販売する産業振興策として位置づけている。

ガーナのテマ周辺道路
ガーナの工業団地が所在するテマ周辺

ガーナの代表的な企業

石油はガーナ国営企業GNPCやGOIL、英Tullow Oilが担う。金は米Newmont、南アフリカのAngloGold AshantiとGold Fieldsが大手となる。カカオはカカオ公社COCOBODがカカオの買い付けから品質管理、輸出のライセンス管理を独占管理する。シンガポールのOlamは民間最大のカカオ商社である。

ネスレ、ユニリーバ、ギネス、Wilmarが工場を持つ。現地企業も食品など消費地立地型工場を展開しており、飲料Kasapreko、飲料・食品Twellium Industrial、乳業Fan Milk、調味料GBfoodsなどが大手である。

政府が設立した工業団地には、中国企業も多く進出している。紙おむつや生理用ナプキンのシェア首位であるSoftcare、建材Sentuo、女性用ウイッグのRebecca Fashion等が製造を行っている。

流通・小売では、近代的小売の普及は限定的であるものの、全国をカバーしパパ・ママショップに商品を届ける大手卸が存在する。小売最大手のMelcomは、60以上の小売店や卸店舗を展開するほか、プラスチック製造、家電組み立て、外食産業まで手を広げている。2025年末にはカルフールがフランチャイズでの進出を発表した。

アフリカビジネスパートナーズは、事業領域や事業規模にあわせて、日本企業にマッチするガーナのビジネス相手を紹介している。

ガーナに進出する日本企業

ガーナには、26社の日本企業が進出しており、7番目に多い。前述の自動車特区では、豊田通商がトヨタ車とスズキ車の生産を行い、本田技研工業が四輪と二輪の生産を行っている。日産自動車は現地ディーラーが日産車の生産を行っている。

医療用検体検査機器を販売するシスメックスはガーナに現地法人を置いている。アグリテックである日系スタートアップDegasが事業を行っている。

日本にとってガーナはカカオの主要輸入相手であるため、総合商社が調達を行うほか、ロッテ、明治、森永製菓、江崎グリコ、不二製油といった需要企業が農家への支援などを行っている。

ガーナに進出しているすべての日本企業については、「アフリカビジネスに関わる日本企業リスト」で紹介している。

関連記事:ガーナにおける日本企業の動き(今月のアフリカにおける日本企業の動き)

ガーナの事業機会

ガーナは一部業種を除いて外資規制が厳しくなく、相対的に外資に対してオープンであるといえる。治安が良く、アフリカのエントリー国として事業を開始しやすい。都市人口が多く携帯通信環境も進んでいるため、インターネットやモバイルを基盤としたサービスも受け入れられやすい。ガーナの人々は進取の気質に富み、新しい商品やサービスの使用への抵抗感が相対的に小さいため、新規事業のビジネスモデルを構築する際のテストを行うことができる。

ガーナ政府は、自動車メーカーのみならず、自動車部品メーカーの誘致に力を入れている。すでにトヨタ、スズキ、ホンダ、日産の車が組み立てられているため、自動車関連の周辺産業に機会がある。

ガーナの国民健康保険加入率は2026年時点で76%と非常に高い。一方で医薬品は輸入に依存しており、医療機器の整備も進んでおらず、需給のギャップがある。

中国企業の躍進に見られるように、現地製造された手頃な価格の日用品には大きな需要がある。農業に関連する機器や食品加工工場向け製品も需要がある領域である。

アフリカビジネスパートナーズはガーナで、需要調査やパートナー企業探索、工場開設や事業立ち上げの支援を行っています。弊社が行っているタンザニアでのコンサルティングサービスについては、ガーナ進出コンサルティングでご紹介しています。

ガーナ進出コンサルティング 取り扱い課題やサービス内容

最初に何から始めたらよいか、自社にはどういうビジネスチャンスがあるか、ひとまず相談されたい場合や、ガーナの産業実態やビジネスチャンス、進出ガイドなどへのご質問は、スポット相談をご活用ください。

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