アフリカ国別情報(ナイジェリア)
ナイジェリアとはどのような国なのでしょうか。マクロ指標やビジネス環境、進出方法(法人登記、税務、就労許可・雇用)について解説しています。
機械海外総括第二部企画課 課長 金子浩様
アフリカを担当するようになってから、日々アフリカビジネスに関する情報収集を行っていましたが、情報が少なく、探し出すのに手間がかかって大変でした。他の手段を探していたときに「週刊アフリカビジネス」を知り、法人有料購読を開始しました。「もっと早く購読を開始していれば良かった」と思いましたね。アフリカビジネスにおいて知っておくべき情報を国や業種に偏りなく得られるし、他の日本企業の動きは必ず取り上げられている。農機以外のニュースも事業の手がかりになります。自分で調べなくても毎週メールで送られてくるので負担が大幅に減りました。
農機メーカーにとってナイジェリアは、有望でありながら農機の普及が進んでいない、難しい市場です。代理店を設定しようとこれまで10回以上出張に行き、代理店候補に会って調査を進めていましたが、決め手にかけ、行き詰まっていました。
我々は市場のニーズを探るため、世界中で、地方の農村まででかけて、圃場を観察し、農家からヒアリングし、多岐な項目に渡るかなり詳細なフィールドワークを行っています。クボタの目的は、ただ売りっぱなしにするのでなく、農家に長く製品を使ってもらい、収量の増加に役立ててもらうことですから、販売戦略や代理店を決める前に農業活動や農機の使用実態をつぶさに知る必要があるからです。
アフリカでも同じように各国の農村で調査を行っていますが、ナイジェリアは治安上課題がある地域も多いため、調査ができず、入り込めていませんでした。
まず、「うちがやっているレベルのフィールドワークを頼める会社があるんだ」と驚きました。農村の調査だけでなく、商流、代理店の活動、農機に関連する事業者の業態、政府の政策と広く深く調べてもらいました。ナイジェリアの農機の需要と商流が特殊であることは、自前の情報収集でも掴んでいたのですが、本当にそうであるのか確認が取れず、相反する情報も存在しているし、不明点が多かった。多くのファクトをもって説明いただき、おかげで実態が確認できました。
我々は現場まで行っていないわけですが、仔細に調査をいただき背景も紐解いてもらったおかげで、現状が手に取るようにわかりました。世界の競合メーカーに限らない多くの農機メーカーがすでにナイジェリアの農家にアプローチしているというのは、調査前には詳細を確認できていなかったことで、実際の圃場で丁寧に調査していただいたおかげでわかったことでした。ここまで入り込まれているなら、急がないと出遅れる、いまがチャンスだということがまざまざと理解できた。他部署にも共有し、ナイジェリアへの進出を意思決定するための、重要な契機となりました。
プロジェクトを開始する前からよくお話をしていましたし、プロジェクトに関してもコミュニケーションを取っていたので、不安はまったくなかったですね。
調査の過程でも、調査中のナイジェリアからリモートでつないで打ち合わせをしようと言っていただいたり、代理店の候補となる企業と話をする機会をつくることを提案してもらったりしました。調査の進捗に応じて課題のステージが上がっていくなか、認識合わせができていました。一方通行に調査を実施するのではなく、目的に叶うように進めてもらったと思います。コロナ禍で当初は飛行機も飛ばず、現場では大変なことも多かったと思いますが、やりきっていただいた。
あれも役に立ちましたね。おかげで、その企業に関する情報を掴んでいる日本企業は殆どないと思います。たとえアフリカで有数な企業だとしても、客観的で正確な情報を掴んでおく必要はあると思います。
アフリカビジネスパートナーズは、アフリカで地に足をつけて10年以上経つ名だたるコンサルティング会社です。非常にユニークで貴重な存在ですから、ぜひずっとアフリカに留まって、アフリカに特化したコンサルティング会社として、日本企業のアフリカビジネスをサポートしてほしい。会社を大きくしてもらって、ずっと相談相手でいてほしいですね。