アフリカにおける日本企業の動き(2016年5月)

アフリカにおける日本企業の動き(2016年5月)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【製造業】豊田通商がケニアに建設した肥料工場が8月に稼働開始(4/27)

豊田通商がケニアのエルドレットに建設した肥料工場が、8月に稼働を開始する。エグゼクティブアドバイザー Dennis Awori氏が述べた。同氏によると、生産能力は年間15万トンで、同社はこの工場の第一フェーズに2,000万ドルを投資した。

ケニア政府によると、国内での肥料生産によって、主に輸入に関わる手数料と輸送費を削減できることから、肥料の価格は最大40%低減させられるとしている。

豊田通商によると、同工場で生産する肥料によって、農作物の生産性が最大35%増となると見込まれている。ケニアや近隣地域の小規模農家数十万世帯をターゲットとしている。

ケニアの農業生産は今後成長することが期待されており、肥料や農業機械、その他農業に必要な投入に対する需要も拡大するとみられる。最近ではケニアのスタートアップWanda Organicとフィリピンを本拠とする企業2社が提携し、年内にNakuruおよびLaikipiaカウンティにバイオオーガニック肥料工場を建設する計画で合意している。

【製造業】キヤノンがアフリカに初の事務所開設を計画(4/27)

日本の映像機器や事務機器などのメーカー、キヤノンがアフリカに事務所を開設することを計画している。エジプト、南アフリカ、モロッコ、ナイジェリアが候補国。現在はアフリカ、中東、ヨーロッパのオペレーションがあわせて管理されている。ヒューレット・パッカードとの競争はあるものの、現在のところアフリカでのキヤノン製品の売れ行きは好調である。

エジプトでキヤノン製品の販売権を持つSillicon 21の経営幹部は、エジプトが最も有力な候補国であり、キヤノンがエジプトで30-35%の市場シェアを目指しているという情報を引用している。

モロッコはIT関連品の市場が大きく、仏語圏サブサハラアフリカ市場へと広げることができる位置にある。ナイジェリアは巨大な市場を持ち、地域のハブとなりうる。南アフリカについては、キャノンは印刷機メーカーOcé SAを買収している。

東京株式市場では、2016年第1四半期の売上が前年比減となったことが発表された4月27日、同社の株価は5.35%下落している。

【電力】三菱重工業と日立製作所が、三菱日立パワーシステムズの南アフリカの資産を巡り異なる見解(5/9)

三菱重工業と日立製作所が出資する三菱日立パワーシステムズの南アフリカにおけるプロジェクトの譲渡価格を巡り、両社の見解が割れている。三菱重工業は日立製作所に対して約3,800億円の支払いを請求していると公表。これに対し日立製作所は「協議は継続中」として請求を拒否している。

見解が割れているのは2007年に日立の連結子会社が受注した火力発電所向けボイラー建設プロジェクトの評価額。

【建設】日本政府がナイジェリアのモノレール建費費用として10億ドルを用意(5/9)

日本政府は、ラゴスにおけるモノレール事業に10億ドルをあてがう予定であると、同州政府高官が明かした。ラゴスの増加する人口に対応するもので、ラゴスのMarinaからVictoria IslandとIkoji間を繋ぐ路線の建設費用として、日本政府がJICAを通じて10億ドルの借款を行う。

先般JICAがラゴス州交通局と実施した大量高速輸送にかかる調査で提案された。今後、フィージビリティスタディ結果が承認されることが日本によるコミットメントの第1条件となる。

※1ナイラ=0.54円(ブルームバーグ、5/12)

【自動車】ヤマハ発動機がナイジェリアのラゴスで二輪車の組立工場を開所(5/14)

ヤマハ発動機が、ナイジェリアのラゴスにある豊田通商の子会社CFAOとの合弁会社において、建設中だった二輪車組立工場を開所した。新工場では主として、バイクタクシーとして使われる商業用バイクとスクーターの2種類を生産し、2018年までに生産台数は年間7万台に達する見込み。併設するショールームでは、二輪車のラインアップのほか、全地形対応車、水上バイク、船外機、発電機、潤滑油などを展示する。

CFAOによると、ナイジェリアのバイク市場では、主に中国やインド、日本から100万台以上のバイクが輸入されており、全西アフリカ地域の市場サイズの半分を占める。

ヤマハ発動機は1980年にナイジェリアに二輪車工場を建設し、製造・販売を行っていたが、2005年に生産から撤退。日本やインドから二輪車を輸出して販売活動を行っていた。CFAOとは2014年12月に合弁会社設立の同意に至った。両社は西アフリカにおいて40年以上に渡り提携関係にあり、アフリカ16か国においてCFAOがヤマハ発動機製品の独占代理店となっている。

【製造業】日本たばこ産業子会社JTIが、エチオピアのたばこ専売公社の株式40%の入札で5億1000万ドルと高額を提示(5/19)

日本たばこ産業(JT)の海外事業子会社であるJT Internationalが、エチオピアのたばこ専売公社National Tabaco Enterprise (NTE)の株式40%の入札において、5億1,000万ドルと最も高い価格を提示した。2番目に高かったのは、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ (BAT)の2億3,000万ドルだった。決定は向こう数週間以内に下されるとされている。

NTEはエチオピアのたばこの取引、製造、販売を独占している。エチオピア男性の喫煙率は、世界銀行のデータによると9%

JTIの入札価格は、これまでのエチオピアの国営企業への入札価格で最も高いものとなった。NTEの2015年7月7日までの会計年度における第3四半期の売上高は1,740万ドルだった。

【製造業】関西ペイントが抗ウイルス塗料を開発、アフリカ市場での販売を目指す(5/20)

関西ペイントが、漆喰塗料の技術を活用した、インフルエンザやエボラ出血熱などさまざまなウイルスの感染力を抑える効果を持つ塗料を開発した。アフリカなどで販売を開始する。すでに南アフリカにおけるODAによる医療機関の改修プロジェクトに採択された。

長崎大学熱帯医学研究所と協力して研究を行い、インフルエンザウイルスなどの働きを最大で100分の1程度に抑える効果を実証した。漆喰の主原料であるアルカリ性の消石灰が、ウイルスのタンパク質を変化させ、感染力を弱めるという。

布やフィルムへの使用が可能なため、フィルムメーカーなど異業種とも組んで市場を開拓する。南アフリカなど新興国での医療用テントへの採用を目指す。

【自動車】トヨタが南アフリカで、61億ランドを投じてハイラックスとフォーチュナーの新型モデル生産を開始(5/24)

トヨタ自動車の南アフリカ子会社、南アフリカトヨタ自動車(TSAM)はダーバンで、ハイラックスとフォーチュナーの新型モデルの生産を開始した。TSAMは新たな生産ラインの整備に61億ランド(420億円)を投じた。

同社によると、工場は6月にはフル稼働となり、年間生産台数は2万台を超える見込み。トヨタのグローバル生産において、ハイラックスとフォーチュナーの生産ではタイに次いで2番目の工場となる。74カ国(アフリカ43カ国、ヨーロッパ28カ国、ラテンアメリカ3カ国)に輸出する。

※1ランド=7.0円(ブルームバーグ、5/25)

【ICT】 南アフリカのIT企業でNTT子会社のDimension Dataが、ケニアにおいて遠隔セキュリティソリューションサービスの提供を開始(5/22)

南アフリカのIT企業Dimension Dataが、ケニアにおいて、銀行をはじめとするハイリスクデータを扱う企業を対象とした遠隔セキュリティソリューションサービスManaged Security Services(MSS)を提供する。

顧客はMSSの導入によって、社内で高額なセキュリティ専門家を雇わずにすみ、Dimension Dataによるコンプライアンス規定の整備支援も受けることができる。モニター対象数やサーバー導入数、データ感応度によって費用が決まる。

Dimension Dataはこれまでシステムインテグレーション事業を事業の核としてきたが、セキュリティ管理サービス事業への進出によって、East Africa Data HandlersやSafaricom、Ericsson、Intelといった企業と競合することになる。

2015年のケニア・サイバーセキュリティリポートによると、ケニアの民間企業や公共機関の大半がサイバー犯罪や内部のIT詐欺のリスクに晒され、調査対象となったIPアドレスの75%が遠隔攻撃に対して非常に脆弱であることが明らかにされた。ケニア企業のサイバー攻撃に対する年間コストは150億シリング(150億円)にのぼる。

※1シリング=1.0円(ブルームバーグ、5/26)

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