アフリカにおける日本企業の動き(2016年4月)

アフリカにおける日本企業の動き(2016年4月)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【製造業】三菱電機が南アフリカにFA機器のサービスセンターを開設(3/24)

三菱電機は、南アフリカの代理店内で同社のファクトリーオートメーション機器(FA機器)に関するサービス業務を開始する。これまで欧州のFAセンターが管轄していたサービスセンター業務を現地に置くことで、南アフリカに所在する自動車を中心とした日系製造業や現地鉱業などへのサービス体制を強化する。

南アフリカからは、アフリカ中部、東部、南部の36カ国を管轄し、シーケンサ、インバーター、サーボ、表示器といったFA機器のトレーニング、技術相談、システム提案を提供する。

【流通】ケニアの保険会社Jubilee Insurance と自動車ディーラーSimba Colt Motorsが、三菱自動車の購入者に対して1年間の自動車保険を提供することで提携(3/29)

ケニアの保険会社のJubilee Insuranceは、Simba Colt Motorsと提携し、三菱自動車のピックアップトラックL200SUTの購入者に対して、1年間の自動車保険を提供する。

Jubilee Insurance側は、今回の提携をきっかけとしてビジネス機会の拡大を図り、Simba Colt Motor側は、顧客に自動車購入を促すツールとなることを期待する。

Simba Colt Motorsはシェア拡大を目指し、他にも提携を進めている。シェル石油の独占販売社であるVivo Energy Kenyaとは、Vivo Energyへのリースサービス提案における提携、Family Bankとは、商業車の購入を考える顧客への融資サポートにおいて提携している。

【自動車】トヨタ・ナイジェリアが数カ月以内に3万台規模の商用車組立生産を開始(3/29)

トヨタ・ナイジェリアが、ナイジェリアで年間3万台の組立生産を開始すると発表した。ミニバス(ハイエース)やバン、小型トラックといった商用車が対象。今後数カ月以内に工場を改善し、大量生産が可能な効率的な生産体制を構築する。トヨタ・ナイジェリアは2015年12月末に第一号車としてハイエースを組み立てたことを公開していた。

ナイジェリア政府は2014年6月にナイジェリア自動車産業開発計画(Nigerian Automotive Industry Development Plan)を採択し、国内での自動車組立工場開設を促進することを意図し、完成輸入車に対する関税をそれまでの22%から70%まで引き上げている。

すでに日産自動車、フォード・モーター、起亜自動車、PSAプジョー・シトロエンが組立生産を開始しており、フォルクスワーゲンや三菱自動車が今後工場開設する意向を明らかにしている。

【鉱業】ブラジル資源大手ヴァーレが、三井物産が同社のモザンビーク炭鉱開発事業への出資の見直しを検討しているとの報道を否定(3/31)

ブラジル資源大手ヴァーレがモザンビークで行っている炭鉱開発事業への出資について、ヴァーレが今期決算で24億ドルの減損処理を行ったことに伴い三井物産が契約条項の見直しを検討していると、ブラジルの経済誌Valorが報じた。

2014年に資源価格下落の打撃を受けたヴァーレは同炭鉱開発事業の一部権益を三井物産に売却することで合意し、資金を調達する予定でいたものの、両社はまだ契約締結に至っていない。当時の契約では三井物産がヴァーレからモアティゼ炭鉱の権益14%と、ナカラ港の鉄道・港湾プロジェクトの権益35%を取得することとなっており、初期投資額は7億6300万ドルとされていた。

この報道に対しヴァーレは同日、三井物産との合弁計画について契約変更の予定はないと報道を否定。最近の決算カンファレンスコールにおける三井物産側の「出資に関する結論を含め、当該案件を迅速に取りまとめるための議論を行っている」というコメントを引用した。

【インフラ】NECがアフリカ・南米大陸間の光海底ケーブル敷設工事を開始(4/6)

NECがアンゴラケーブルズ社と請負契約締結済みのアンゴラとブラジルを結ぶ大容量光海底ケーブルの敷設工事を開始した。総延長は約6,299kmに及ぶ。2018年中旬の稼働を目指す。

当プロジェクト「SACS(South Atlantic Cable System、サックス)」は、NECによると、アフリカ大陸と南米大陸の間を結び南大西洋を横断する世界初の光海底ケーブルとなる。

プロジェクト予算は1億6,000万ドルに上るものとされ、国際協力銀行(JBIC)のバイヤーズクレジット(輸出金融)を活用した三井住友銀行(SMBC)との協調融資がなされる。SMBC融資部分には日本貿易保険(NEXI)による保険が活用される。JBICは、アンゴラ国営のアンゴラ開発銀行を通じ、建設資金の一部をアンゴラケーブルズに融資する。

【Eコマース】豊田通商子会社CFAOがコートジボワールでeコマースを開始(4/8)

豊田通商の子会社CFAOが、コートジボワールにおいて、海外の商品をインターネットで購買できるeコマース、AfricaShopを開始した。同時に店舗も開店。La Redoute、Vertbaudet、Devred、Etam、Somewhere、Maty などの国際的なブランドの商品の他、Sawa、Elikia Beauty、De La Sébure、Manoir Coloré といったアフリカ人デザイナーによるブランドも取り扱う。

セネガルでも4月中に店舗を開店する予定。

【電力】東芝が、ケニアの送配電会社Kenya Powerから配電用変圧器8,000台を受注(4/22)

東芝がインド現地法人東芝電力流通システム・インド社を通じて、ケニアの送配電会社Kenya Power & Lightingから、配電用変圧器を8,000台受注した。受注金額は3,400万ドルとなる。2015年9月の受注に次ぐもので、今後2015年6月より3年間に渡って供給する。当案件はKenya Power & Lightingの自己資金の他、世界銀行とアフリカ開発銀行からの資金提供を受ける。

入札には、Technical Associates of India、 Tana Lake of Tanzania and Jiangzu of Chinaなどをはじめとする40の企業が応札した。報道によると、仕様に耐久性が追加されたことから、東芝の受注につながったという。

Kenya Power & Lightingは2030年までに国内の70%の人々に電力を普及させることを目標に配電設備の導入を行っている。

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