アフリカにおける日本企業の動き(2016年2月)

アフリカにおける日本企業の動き(2016年2月)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【食品・飲料】サントリー食品がナイジェリアのグラクソ・スミスクラインの飲料部門に買収提案(1/27)

英製薬会社グラクソ・スミスクライン(GSK)のナイジェリア子会社が、サントリー食品インターナショナルから買収提案を受け取ったと明らかにした。法的拘束力のない意向表明で、対象は、GSKが持つスポーツ飲料・エナジードリンクの「ルコゼード」、果汁・濃縮飲料の「ライビーナ」のナイジェリアにおける生産、ボトリング、販売で構成される飲料事業。この後、デューデリジェンスに入る。

取引が成立すると、GSKナイジェリアの事業は口腔ヘルスケアと栄養・医薬品・ワクチン事業となる。ナイジェリア証券取引所への上場は維持する。このニュースを受けて、GSKナイジェリアの株価は5%下落した。

サントリー食品インターナショナルは2013年、英グラクソ・スミスクラインのルコゼードおよびライビーナブランドを21億ドルで買収している。

【食品】伊藤忠商事が、西アフリカ等でココア関連事業を行うアメリカTransmar Groupに出資(2/9)

伊藤忠商事が、カカオ豆の集荷・販売、ココア製品の製造・販売事業を行う代表的企業である米Transmar社が新設する事業持株会社Transmar Groupに資本参加することで合意した。出資比率は20%未満のマイナー出資となる。伊藤忠はチョコレート市場に初参入することになる。

Transmar社は西アフリカや中南米においてカカオ豆を集荷し、欧州や米国の消費地向けにチョコレートなどココア製品を製造・販売している。

Transmar社は伊藤忠の資本参加により、チョコレート製品の需要が高まっているアジアでの流通を手に入れることができる。伊藤忠にとっては今回の資本参加は、アジアでの販売に関する原料調達力を高めるほか、グローバル食品流通における川上・川中を手に入れ、商流を築くことに資する。

【自動車】ケニアのゼネラルモーターズ East Africaがいすゞ自動車の自動車部品を販売するキオスク事業を開始(2/9)

ケニアのゼネラルモーターズEast Africaが、部品販売促進と増え続ける模造品市場追放のため、ナイロビ郊外にキオスクを開設する。ゼネラルモーターズ特製のコンテナで、主にいすゞ自動車の部品を扱う。ゼネラルモーターズは同コンテナを若者グループ対象にリースし、若者グループは在庫品に20万ケニアシリング(22万円)を支払う。

自動車産業に関するデータによると、ケニア国内で販売される部品のうち純正品は23%のみで、ほとんどが模造品であったという。

今回の取り組みは、零細・中小企業庁と提携して実施され、対象となる若者グループはK-Rep銀行、Uwezoファンド、女性起業家ファンドから融資を受けられる。

※1ケニアシリング=1.1円(ブルームバーグ、2/13)

【自動車】ダイムラー・トラック・アジアが新設したリージョナルセンターを通じてアフリカでのFUSOの販売を拡大(2/14)

ダイムラー・トラック・アジアが、FUSOの販売とカスタマーサービス提供の拡大を図る。ダイムラーが新設したケニアと南アフリカのリージョナルセンターを通じて行う。ケニアは東・中央・西アフリカ地域、南アフリカは南部アフリカ地域を管轄する。

ダイムラー・トラックは2015年、ケニアの管轄である東・中央・西アフリカ地域で5,900台の商用車を販売し、そのうちFUSOが4,000台を占めた。南アフリカの管轄である南部アフリカでは、5,500台の商用車を販売し、そのうちFUSOの占める割合は1,600台に達しており、ダイムラーの商用車部門におけるFUSOの存在感は高い。

ダイムラー・トラック・アジアは、三菱ふそうトラック・バス社とダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社とが協業で運営している。

【電力】住友商事とIHIがモザンビークでガス焚き複合火力発電所を建設(2/17)

住友商事とIHIが、モザンビークで国営電力公社EDMとガス焚き複合火力発電所のEPC契約を締結した。モザンビークで初めてのガス焚き複合火力発電所(ガスタービンコンバインドサイクル発電)で、発電容量11万キロワットは、モザンビークの電力需要の約2割の供給を担うことになる。2016年に着工し、2018年に完工する。受注額約170億円は日本政府の円借款により賄われる。日本政府が目指す「質の高いインフラパートナーシップ」の一環。

住友商事がコンソーシアムリーダーとしてEDMとの折衝窓口や調整役を担い、IHIが機器を供給する。IHIは開発に参画しているGE社製航空転用型ガスタービンを発電パッケージとしてまとめて提供する。

住友商事はタンザニアでも同じくガス焚き火力発電所を近く着工する見通し。発電容量は24万キロワットでタンザニア最大となる。18年完工予定で、受注額は350億円程度とみられる。

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