アフリカにおける日本企業の動き(2013年6月)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【投資環境】TICAD Vにおいて日本政府が、アフリカ向け投資促進策、援助支援策として、今後5年間で最大320億ドルの資金拠出を目指すと発表(6/3)

日本政府は第5回アフリカ開発会議(TICAD V)において、アフリカ向け支援策の一環として、今後5年間で政府開発援助140億ドルを含む、最大320億ドルを官民で支援していくと発表した。

貿易・投資促進の面では、日本貿易保険による最大20億ドルの貿易・投資保険枠の設定の他、投資アドバイザーの10カ国への派遣、投資協定の締結促進を掲げている。

民間セクター開発支援として、アフリカ開発銀行との民間セクター向け協調融資に5億ドルの支援を行うほか、資源セクターではJOGMECを通じた天然資源・鉱物資源開発プロジェクト向けの20億ドルのリスクマネーの供給を表明。

その他、インフラ整備向けには65億ドルの公的資金の投入、低炭素エネルギー支援向けに20億ドルの支援、保健部門での5億ドルの支援などを掲げている。

【製造業】日産が南アフリカ電力公社Eskomと3年間にわたる電気自動車研究プロジェクトを実施へ(6/14)

日産は南アフリカで、同国の電力公社Eskomとの間で3年間にわたる電気自動車の共同研究を行うことで合意した。電気自動車の利用パターンや日産の電気自動車リーフに求められる要件、利用電力量、重電による公共電力網へのインパクトなどが調査される予定。

日産はこれまで環境省と提携し、同社の電気自動車の認知向上を図る活動や、商業性を確保した電気自動車のためのインフラの立ち上げに向けてパイロットプロジェクトを実施。今回のプロジェクトでは、Eskom本社と研究所に充電ステーションが設置される。

現時点では南アフリカ国内に電気自動車の充電スタンドは存在しておらず、電気自動車充電向けの電力料金体系も整備されていないが、日産では今年後半からリーフの商業販売に乗り出す予定としている。

【製造業】日野自動車がケニアでトラックの組み立て・販売へ(6/4)

日野自動車が、ケニアで豊田通商と協業し、トラックの組み立て・販売を開始することを明らかにした。

組み立ては現地企業Associated Vehicle Assemblersに委託し、販売は豊田通商子会社のトヨタケニアが行う。2013年度の販売台数は300台、2014年度の販売台数は450台を計画している。

日野はアフリカの20か国以上でトラックを生産販売していたが、1990年代に政情不安などで南アフリカとモロッコ以外から撤退していた。

【電力】三井物産が南アフリカで発電容量1,000MW強の火力発電事業に参画(6/6)

三井物産が、南アフリカでディーゼル火力発電事業に参画することを明らかにした。発電所をダーバン市とポートエリザベス市にそれぞれ建設する。

ダーバン市のAvon プロジェクトの発電容量は670MWで商業運転開始は2016年第1四半期、ポートエリザベス市のDedisaプロジェクトの発電容量は335MWで商業運転開始は2015年第3四半期。

今回のプロジェクトは、三井物産の100%子会社がプロジェクト全体の資本25%を保有するとともに、フランスを本拠とする電力会社GDF Suezが38%、その他南アフリカ企業2社が合計37%を保有する。プロジェクトの総コストは約1,000億円。

本プロジェクトで発電された電力は、電力公社のEskomに売電される。事業期間は発電所の完工から15年間となっている。

【電力】伊藤忠商事がノルウェー子会社を通じて南アフリカで太陽光発電事業に参画(6/7)

伊藤忠商事が、同社が37.5%を出資するノルウェーのScatec Solarが南アフリカで行う太陽光発電事業について、建設に着工したことを明らかにした。

発電容量は115MWで稼働開始は2014年末を目指している。事業期間は20年間で、発電された電力は電力公社のEskomに販売される。

今回のプロジェクトは、南アフリカ政府による保証のもと、電力公社Eskomが再生可能エネルギーを買い取る制度であるRenewable Energy Independent Power Producer 

Procurementプログラムの一環として行われている。今回のプロジェクトは同プログラムの第二期として採択された案件の一つ。Scatec Solarは第一期ですでに75MWの太陽光発電事業を提案し採択されており、本案件と併せて同プログラム下での発電容量は190MWとなる。

【電力】住友商事とタンザニアのキクウェテ大統領がタンザニアのガス火力発電所の建設に向けて共同推進するMOUを締結(6/7)

住友商事とタンザニアのキクウェテ大統領は、発電容量240MWのKinyereziガス火力発電所の建設に向けて共同推進するMOUを締結した。

第5回アフリカ開発会議で来日したタンザニアのキクウェテ大統領が住友商事本社を来訪して調印したもの。住友商事は、同火力発電所の建設を昨年6月に受注していた。

同発電所では、タンザニアで生産された天然ガスを利用する。発電容量240MWは同国の発電容量全体の約20%に相当するという。

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