アフリカにおける日本企業の動き(2012年11月)

毎月、アフリカにおける日本企業の動きをまとめています。

【製造業】シャープがケニアの富裕層向けに80インチのLEDテレビ販売を開始(11/21)

シャープがケニアで富裕層をターゲットに80インチのLEDテレビを発表した。ケニアのテレビ市場で、80インチは今回が初めてだという。小売価格は100万ケニアシリング(97万円)。

同社の現在のマーケットシェアは5%となっているが、拡大する中間層や富裕層をターゲットとして、2014年までにこれを20%に拡大したいとしている。同社では今回の80インチのLEDテレビは大規模なフラットテレビを求める消費者ニーズにこたえるとともに、スタイリッシュであり音声・画像についてきわめて上質の品質を提供すると述べている。

※1ケニアシリング=0.97円(出所:ブルームバーグ、12/2)

【電力】伊藤忠が少数株主となっているノルウェーの太陽光発電事業者が南アフリカで電力公社との間で20年間の売電契約を締結(11/30)

伊藤忠商事が37.5%の株式を保有するノルウェーのScatec Solarが南アフリカで実施する太陽光発電事業について、南アフリカの電力公社Eskomとの間で20年間の売電契約が締結された。南アフリカ政府からは昨年12月に優先交渉権を獲得していた。発電容量は75MWでプロジェクト総工費は約2億ユーロ。2014年1月の稼働開始を目指す。

本プロジェクトには、南アフリカのスタンダードバンクが融資を供与している。Scatec Solarは本プロジェクトに加えて、今年5月には合計115MW分の優先交渉権を獲得している。

【製造業】会宝産業がナイジェリアとブラジルで自動車解体工場を稼働予定(11/2)

自動車部品のリサイクル事業の会宝産業は、ナイジェリアに自動車解体工場を建設、2013年6月にも稼働を開始する。ブラジルでも同年後半、合弁会社を設立して工場を立ち上げる方針。

ナイジェリアは経済規模が大きく自動車の普及が進んでいながら、競合が少ない。ナイジェリア国内で使用済み自動車を調達し、解体を行い、エンジンなどの部品を取り出しナイジェリア国内で販売する。取扱量は当面年間3,600台程度を見込む。工場人員は現地採用を行う。

昨年現地会社と合弁会社を設立し、土地を取得。来年3~4月にかけて建屋を建設し、6月から稼働させる。年間売上高1億円を目指す。合弁会社の資本金は20万ドル。

【製造業】カネカ、アフリカの付け毛事業の営業利益が前年同期比約4倍に(11/9)

カネカの岸根常務執行役員によると、アフリカで付け毛に使う合成繊維の利用が急拡大しており、同社の2012年4月~9月期のアフリカ付け毛事業の営業利益は前年同期比約4倍の25億円と急増、同社の同期業績の最大のけん引役となったという。

カネカは30年以上前にアフリカ市場に参入。現地での地道な情報収集や各地のサロンを回る草の根営業活動が結実し、「収穫期に入ってきた」(岸根氏)。

ナイジェリアなどで女性の付け毛装着率は年々高まり、現在は6割を超えるという。

【天然資源】住友商事が南アフリカ風力発電事業の長期売電契約を締結(11/6)

住友商事が南アフリカの風力発電事業に関して、60%出資する現地法人Dorper Wind Farmを通じて国営電力会社Eskom(Eskom Holdings SOC Limited)と、エネルギー省の支払保証付きの売電契約を締結した。南アフリカ政府が初めて認可した大規模再生可能エネルギーIPP(独立発電事業者)の1社となる。今後20年間にわたり、Dorper Wind FarmがEskomに対し電力を販売する。2014年7月に完工・商業運転開始を目指す。

あわせて、総額約140億円のプロジェクトファイナンスベースの融資関連契約を、南アフリカ大手地場銀行2行と三井住友銀行と締結。うち約120億円の融資はドイツの輸出信用機関Euler Hermesの保険が付保される。

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