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アフリカビジネスの今

アフリカベンチャーニュース(2019年8月)

スタートアップ、テック、モバイル、新しいビジネスモデル

更新日:2019年09月20日

カテゴリー:ビジネスに役立つ情報

アフリカでは今、次々と新しいベンチャー企業が生まれています。世界の投資家からも注目されており、内外からの資金調達も活発です。アフリカならではの事業が発明されていると同時に、シリコンバレーや世界で普及する新しい技術・ビジネスモデルとの時差は確実に縮まっています。

アフリカにおけるベンチャー企業、ベンチャー投資、ベンチャー的な取り組みをまとめました。今月は、太陽光発電スタートアップ、モビリティー、物流スタートアップ、貯蓄貸付共同組合向けモバイルアプリ、小売店向けモバイル仕入れアプリ、リアルタイム気象情報アプリ、ブロックチェーンのサプライチェーンでの活用、位置情報テクノロジーなどを取り上げています。
日本語で報道されない、現地の生の情報を、1カ月単位でまとめます。

なお、これらアフリカのベンチャー企業に関するニュースは、こちらの週刊アフリカビジネスをお申し込みいただければ、毎週定期的に、お手元に配信されます。ご関心のある方はこちらからお問い合わせください。


【タンザニア】関西電力がタンザニアで太陽光発電を用いたランタン貸し出しサービスを展開する日本のスタートアップWASSHAと業務提携(8/6)

西電力が、タンザニアで事業を行う日本のスタートアップWASSHAと業務提携を締結した。WASSHAは関西電力が調達した機材の貸与を受けることで、事業を拡大する。

WASSHAは2013年設立。太陽光発電一式とLEDランタンを提携したキオスク(小売店)に設置し、周辺住民にランタンを貸し出すサービスを展開する。現在1,100店舗以上のキオスクと取引をしている。


【アフリカ全般】豊田通商がアフリカのモビリティー関連スタートアップに投融資する投資会社モビリティー54を設立(8/22)

豊田通商がアフリカで事業を行うモビリティー関連のスタートアップ企業への出資・融資に特化した投資会社Mobility 54をフランスに設立した。


【アフリカ全般】ビール世界最大手AB InBevが米BanQuと提携。ブロックチェーン技術を用いて調達先小規模農家のサプライチェーンや支払いを管理(7/30)

世界最大のビール醸造会社AB InBevは、フィンテック会社米BanQuと提携する。BanQuが開発したブロックチェーンソリューションを使い、ビール製造原料である大麦やソルガム、キャッサバの調達先である小規模農家に対して支払い情報を明示し、モバイルマネーで支払いを行えるようにする。

2019年初めにウガンダでビール醸造会社Nile Breweriesで実証実験をし、1,200人の農家にこの技術を用いて販売価格、販売数量、支払いなどの情報をSMSで発信した。農家はこの情報を用いて銀行で融資を受けることもできる。モバイルマネーで一括されることにより、農家は盗まれやすい現金を持ち運ぶ必要がなく、無料で安全なプラットフォームを介して貯金したり、支払ったり、オンラインで送金したりすることができる

AB InBevにとっては、この提携により、サプライチェーン上の農家を可視化し、支払い状況を明確にし、地理情報タグを使って農家から工場までの農産物の動きを追跡することができる。
 AB InBevとBanQuは、2018年8月のザンビアに始まり、ウガンダ、インド、そしてブラジルで4,000人以上の農家を対象に実証実験を行っている。


【南アフリカ】牛へのクラウドファンディングに特化したLivestock Wealthが携帯で牛に投資できるMy Farmbookを南アでリリース(8/1)

牛へのクラウドファンディングに特化したLivestock Wealthは、南アフリカで、携帯で牛に投資できるMy Farmbookをリリースした。

牛の購入に関心がある個人は買うことができ、41ドルから所有権を入手することもできる。
 2015年に26頭の牛から始まった同アプリは、現在2,000頭以上の牛を抱えており、これまで5,000万ランド(3億6,000万円)の投資を仲介した。そのうち、10%は南アフリカ国外からの投資となっている。このアプリの特徴は、農家だけでなく一般の民間人も購入できる点である。

また、投資家がグループとなって1頭丸ごと購入したり、妊娠中の雌牛や子牛の「株」を購入したりすることもできる。妊娠中の雌牛は、18,730ランド(13万円)で売られており、新生牛は12カ月経ってから売ることができる。子牛に投資するには、11,529ランド(83,000円)かかり、売れるまでに6カ月を要する。

加えて、所有者が希望すれば、放し飼い、ホルモン剤未使用、牧草による飼育などによる牛を屠殺することもできる。牛肉はオンライン、あるいはニッチな輸出市場へ卸売経由で販売され、所有者は肉の販売から年率10%から15%の収益を上げることができる。
南アフリカ経済の多くを占めており、農業経済の50%以上を占める。
※1ランド=7.2円(モーニングスター、8/3)


【ケニア】米Visaがケニアの農家貯蓄貸付共同組合(Sacco)向けモバイルバンキングアプリ事業に参入(8/4)

米Visaが、ケニアの農家貯蓄貸付共同組合(Sacco)向けモバイルバンキングアプリ事業を開始する。この領域では現在M-Saccoが市場を独占している。

現在はまだ構想段階であるが、Visaのアプリは、同社とSaccoの統括団体であるKenya Union of Savings and Credit Co-operatives (Kuscco)の共同構想で進められている。代用的なSaccoであるFortune、Universal Traders、SirajiはVisaのドバイラボを訪れ開発戦略を策定している。

ケニアでは、Saccoや中小企業向けの金融サービスは大きな進歩を遂げているが、手頃な価格で使いやすいデジタルソリューションを提供する必要があると同社は述べている。Visaが提案するサービスは、Saccoの自前のプラットフォームとなる。


【ケニア】AIを搭載した低コスト医療診断装置を販売するケニアのスタートアップIlara Healthが中国系VCなどから73万ドルを調達(8/7)

ケニアの医療診断スタートアップIlara Healthが73万5,000ドルをVCやエンジェル投資家から資金調達した。2018年に創設され、ケニアとナイジェリアに拠点を置く中国系ベンチャーキャピタルShakaVCがVCとして参加している。

Ilara Healthは2018年に創業、AI技術を搭載した低コストの診断装置を農村や都市周辺のプライマリーケアを行う診療所に提供する。患者データを記録し、医者が効率的に管理できる同社独自の電子医療記録(Electronic Medical Record、EMR)システムが含まれている。

今回の調達資金は主にケニアの都市周辺の診療所で患者を増やすために使用するという。さらに患者の健康データや診療所の財務データを管理および保護する柔軟なプラットフォームを構築するために使用される。

Ilara Healthの創業者によると、70%以上の患者は、治療するために何らかの医療的な検査を必要とするが、診療所での診察には限界がある。


 【エジプト】エジプトのデジタル決済会社Fawry for Banking & Payment Technology Services がエジプト証券取引所に上場(8/8)

デジタル決済会社Fawry for Banking & Payment Technology Services(Fawry)がエジプト証券取引所に上場した。

同社の株式は6.46エジプトポンド(41円)で売り出され、終値は31%上昇し8.48ポンド(54円)となった。この公開により、Fawryは36%を売出し、約16億ポンドを調達した。

Fawryは2008年に創業し、都市部での電子決済を展開している。顧客数は2,000万人を数え、食料品店や薬局のネットワークを持つ。

エジプトは金利が高いため、投資家は株式より債券を好むことから、今回の上場は2018年10月のSarwa Capital以来の上場となった。
※1エジプトポンド=6.4円(モーニングスター、8/8)


 【ケニア、ルワンダ、ウガンダ】ケニアの小売店向けモバイル仕入れアプリのSokowatchが250万ドルを調達し、ルワンダとウガンダに進出(8/7)

ケニアの小売店向けモバイル仕入れサービスのSokowatchが、ベンチャーキャピタルから250万ドルの調達に成功し、ルワンダとウガンダに進出した。アフリカのアーリーステージへの投資に特化し、シリコンバレーとガーナに拠点がある4Dx Venturesや、Lynett Capital、Village Global、モロッコのOutlierz Ventures、ガーナのGolden Palm Investmentが参加した。

Sokowatchは小売店が携帯電話を使用して仕入先から直接商品を仕入れ配達を受けられるプラットフォームを提供している。2013年に創業し、現在まで450万ドルを調達した。

営業許可を持たない小売店のように、インフォーマルセクターと呼ばれるセクターで働く労働者はケニアで約1,330万人に上り、総労働力の83.1%となる。Sokowatchはこういった小売店が、大きな仕入先からの直接購入や、当日配送の手配、そしてアプリを介した支払いをできるようにする


【南アフリカ】南ア通信会社Blue Label TelecomsのVCであるBlue Label Venturesがスポーツテクノロジー開発のMobii Systemsの株式26%を取得(7/31)

南アフリカのベンチャーキャピタルBlue Label Venturesが、南アフリカのスタートアップMobii Systemsの株式26%を取得した。Blue Label Venturesはヨハネスブルグ証券取引所上場の通信会社Blue Label Telecomsのベンチャーキャピタル兼プライベートエクイティーファーム。

Mobii Systemsはスポーツテクノロジー開発のスタートアップ企業で、スポーツ分析を感情ではなく、データに基づき分析するアプリを開発している。高性能スポーツテクノロジーはグローバルには数十億ドル規模の産業であるが、業界は分断されておりサービスは十分に提供されていない。

Mobii SystemsはBlue Label Telecomが運営する人気のランニングイベントMyRunの時間測定プラットフォームを開発した。ラグビーの試合分析をするプラットフォームも開発している。Mobii Systemsの技術はすでにフランス、スイス、オーストラリアやイギリスなどの国々で提供されている。


【ナイジェリア】ナイジェリアの物流スタートアップKobo360が、ゴールドマンサックスをリードインベスターとする投資家から2,000万ドルを調達、新たに10カ国への進出とブロックチェーン対応サプライチェーンプラットフォームの開発へ(8/14)

ナイジェリアの物流スタートアップのKobo360が、シリーズAラウンドとしてゴールドマンサックスをリードインベスターとする投資家から2,000万ドルを調達した。同社は現在ナイジェリア、トーゴ、ガーナ、ケニアで展開しているが、調達資金により、新たにアフリカ10カ国へとサービスを拡大する。あわせてナイジェリアの商業銀行から1,000ドルの運転資金の融資も受けている。

Kobo 360のサービスは、トラックドライバーと運送を依頼したい会社をアプリによって結びつける物流マッチングサービス。2017年にサービスを開始し、同社によると1万ドライバーが同社のアプリを使っているという。ナイジェリアの財閥Honeywellやダンゴテ、農業商社Olam、ユニリーバ、DHLといった企業が顧客という。

Kobo 360は、ドライバーに対して運転資金を貸し出すKoPayやKoboSafe、保険製品のKoboCareも提供している。また同社は、ブロックチェーン対応のサプライチェーン支援プラットフォームGLOSの開発を行っており、今回の調達資金の一部はこの開発に使用する。

競合には、ケニアの物流スタートアップであるLori Systemsが挙げられる。Kobo360はケニアに進出し、Lori Systemsは2018年9月にナイジェリアに進出している。


【ケニア】ノルウェーの肥料世界大手Yara East Africaが農家向けにリアルタイム気象情報アプリの提供を開始(8/11)

ノルウェイの肥料会社Yara Internationalのケニア子会社Yara East Africaが、農家向けに半径4キロ以内のリアルタイム気象情報を提供するアプリ、Yara Farmweather Appを開発した。米IBMとの共同開発で、地方政府と協力した。アンドロイド携帯で提供される。

このアプリで収集した情報は、スマートフォンを持たない他の農家達にも異なる携帯電話のメッセージングプラットフォームを用いてシェアできる。国内最大4カ所の気象情報にアクセスでき、保存もできる。

Yara East Africaは地方政府と協力して、土壌試験や農業知識を交換できる施設を立ち上げることも検討している。


【アフリカ全般、ケニア】アフリカの主要携帯販売メーカー中国Transsion が、アーリーステージのフィンテック企業への投資先選定支援を目的に、ケニアのフィンテックWapi PayのベンチャーキャピタルWapi Capitalと提携(8/16)

中国の携帯電話メーカーTranssion Holdingsの子会社Transsion Future Hubは、ケニアのベンチャーキャピタルWapi Capitalと、同社の投資対象となるアーリーステージのアフリカのフィンテック企業の選定で協業する。

アフリカにおいてSamusungに次ぐスマートフォン販売会社であるTranssion Holdingsは、2019年にアフリカのスタートアップ向けシード投資と育成を目的としたTranssion Future Hubを設立している。Wapi Capitalは、ケニアのフィンテックスタートアップのWapi Payのベンチャーキャピタル。

2019年9月から、Transsion Holdingsのアーリーステージのフィンテックスタートアップのソーシングと、当該企業の成長性に関する評価、デューデリジェンス、ディール手続きを含む投資先の選定をWapi Capitalが支援する。アフリカ54カ国のスタートアップが対象で、最大10万ドルまでのエクイティ投資を行う。

Transsionは、中国版ナスダックである、上海証券取引所の新興企業向け市場として新しく創設されるTAR Market tech exchangeへの上場を進めており、IPOにより最大30億元(450億円)を調達する見込み。同社は、2018年に全世界で1億2,400万台の携帯電話を販売したという。
※1中国人民元=15.0円(モーニングスター、8/23)


【エチオピア】エチオピアがデジタル経済の構築に向けて中国アリババと提携へ(8/15)

エチオピアの技術革新大臣が、デジタル経済の構築に向けて、中国アリババと提携すると発表した。中国においてアリババ創業者ジャックマー氏と面談した後に発表した。

同大臣は、エチオピアにおいてデジタル分野への投資は重要かつ最優先であるとし、早いスピードで進めるためにアリババとの提携を目指したとしている。数カ月前、アビー首相が同じくアリババ本社を訪れたことから話が進んでいた。その際は、アリババによるエチオピアでのテックシティ建設計画の可能性が明らかにされている。


【ガーナ】韓国通信会社Korean Telecomが伝染病予防アプリの提供を開始(8/18)

韓国通信会社Korean Telecom(KT)が、ガーナにおいて伝染病予防アプリの提供を開始した。Global Epidemic Prevention Platform(GEPP)と名付けられたこのアプリにより、ユーザーが伝染病に関する情報にアクセスできる。

アプリはGEPP Public、 GEPP Clinicや GEPP Govという3つの機能から成る。GEPP Publicは伝染病流行エリアに入る人々に危険を警告する。GEPP Clinicは伝染病に罹った人々からリアルタイム情報の通知を受け取り、近くの病院を表示する。GEPP Govは政府が伝染病の広がりを監視および抑制できるように、先の2つの機能で集めた情報を提供する。

KTは、アプリは2019年末までにアップデートされ、旅行者がガーナに入国する際に必要な健康宣言書を電子的に管理できるようにすると述べている。

ガーナ政府は、GEPP Ghanaにより、エボラ熱、コレラ、マラリアの対処を以前より迅速に行えるようになることを期待している。


【南アフリカ】位置情報テクノロジースタートアップwhat3words が、南アフリカの緊急事態対応サービスER24と提携、3語により位置情報を特定し緊急時対応を迅速に(8/19)

位置情報テクノロジー企業what3words が、南アフリカの緊急事態対応サービスER24と提携し、同社の位置情報サービスを利用してER24の緊急事態発生時の応答時間を短縮する。

緊急事態発生時にwhat3wordsアドレスを使用すると、電話する人は簡単に助けが必要な場所を正確に伝えることができ、ER24は迷うことなく救助現場に向かうことができる。

what3wordsは、位置情報を簡単に説明できる方法をとっている。世界を3m四方の正方形に分割し、それぞれの正方形に3つのワードを当てはめ、唯一となる3語で構成されるアドレスを与えている。このアプリはiOSとAndroidおよびブラウザ経由で無料でダウンロードでき、オフラインでも動作するため、データ接続が良くない地域でも使用できる。what3wordsアドレス形式は、世界のどこでも一貫しており、南アフリカの言語isiZuluや、Afrikaans、isiXhosaなど36言語で利用可能である。

緊急事態が起きた時は、助けが必要な場所を正確に特定することが重要である。住所のない地域にいる場合や住所がその場所を正確に説明するのに十分でない場合、正確に特定することは難しい。ER24の関係者はこのアプリを利用して、スラムのような通りの名前がない場所でも緊急事態が発生した場所を探す必要がなくなり、応答時間を短縮できると述べた。


【ケニア】汎アフリカ銀行Ecobankが米Visaと提携し、バイクタクシー向けデジタル決済プラットフォームを開始(8/19)

汎アフリカ銀行Ecobankが、米Visaと提携し、Boda Bodaと呼ばれるバイクタクシーがモバイルアプリやビザ対応カードから、迅速に手数料なしで支払いを受けられるデジタル決済プラットフォームの提供を開始した。スマートフォン以外にも対応する。

実証試験として、ケニアの地方都市キテンゲラとその周辺にいる5,000人以上のBoda Boda運転手がこのプラットフォームを利用する。スマートフォンを持たない顧客は、携帯電話から銀行のUSSDコードを使用して支払いを受け取ることができる。

運転手によると、現金で支払いを行うことが貯金を妨げているという。多くの運転手はバイクを借りており、バイクの所有者に毎日300から400シリング(300〜400円)を支払っている。各運転手は毎日100から200シリング(100〜200円)を容易に貯金することができると考えられる。
※1ケニアシリング=1.0円(モーニングスター、8/21)




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