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アフリカビジネスの今

アフリカベンチャーニュース(2019年4月)

スタートアップ、テック、モバイル、新しいビジネスモデル

更新日:2019年07月28日

カテゴリー:ビジネスに役立つ情報

(写真:ラゴス@ナイジェリアの調剤薬局チェーン、ABP撮影)

アフリカでは今、次々と新しいベンチャー企業が生まれています。世界の投資家からも注目されており、内外からの資金調達も活発です。アフリカならではの事業が発明されていると同時に、シリコンバレーや世界で普及する新しい技術・ビジネスモデルとの時差は確実に縮まっています。

アフリカにおけるベンチャー企業、ベンチャー投資、ベンチャー的な取り組みをまとめました。今月は、Jumia上場、Jumiaの競合DHL、Kongaによるeコマース、Uberの新しいビジネスモデルへの取り組み、Googleの取り組み、少額ローンアプリ、ドローン、インシュアテックなどを取り上げています。
日本語で報道されない、現地の生の情報を、1カ月単位でまとめます。
なお、これらアフリカのベンチャー企業に関するニュースは、毎週こちらから配信しています。


【アフリカ全般】ニューヨーク証券取引所での上場目前のeコマース企業Jumia Technologiesに米マスターカードが5,000万ユーロを投資(4/1)

アフリカのeコマース大手Jumia Technologies(Jumia)が、ニューヨーク証券取引所での上場に先立ち、マスターカードから5,000万ユーロの投資を受けることで合意した。

2018年12月には、仏酒造メーカーPernod Ricardが7,500万ユーロで5.1%の株式を取得している。この際Pernod RicardはJumiaの企業価値を約14億ユーロと評価している。先週提出されたS-1フォームによると、Jumiaは1株あたり13ドルから16ドルで1,350万株を売り出そうとしており、最大で2億1,600万ドルを調達できる可能性がある。

Jumiaはアフリカ14カ国に400万人の顧客を抱えるものの利益は出していない。今回のマスターカードの投資によってJumiaの上場が成功する可能性が高まった。マスターカードは、Jumiaの事業拡大を支援するために新たな提携を結ぶことにも合意しているという。マスターカードは急速にアフリカ市場でのプレゼンスを広げている。


【アフリカ全般】アフリカ14カ国で事業を展開するeコマースのJumiaがニューヨーク証券取引所に上場、初終値は25.46ドルと売出価格を75%上回り、時価総額は19億ドルに(4/13)

アフリカ14カ国で事業を展開するJUMIAが4月12日、ニューヨーク証券取引所に上場した。初日の株価終値は、JUMIAが設定した売出価格一株14.5ドルを75%上回る25.46ドルをつけた。時価総額は19億ドル以上となる。JUMIAは1,350万株を売り出し1億9,600万ドルを得た。

JUMIAは2012年にともに現在38歳であるフランス人2人により創業され、現在アフリカ14カ国で400万人以上のユーザーを抱えている。事業は黒字化していないが、売上額は2018年に約40%増加し1億3,060万ユーロとなっている。南アフリカの通信会社MTNと独ベンチャーキャピタルRocket Internetが主要株主で、仏酒造メーカーPenod Ricardと米マスターカードがもっとも最近に加わった株主である。

JUMIAは、アフリカのアマゾンと称されるが、アマゾンが配送網を整備できておらずプレゼンスも小さいナイジェリアやコートジボワールのような国でも事業を展開している。小売を対象とする投資家にとって、一人あたり収入の増加や若年層の成長、都市化によるアフリカの消費者マーケットの拡大、インターネットコストの下落、携帯電話の普及への期待が魅力となっている。


【ナイジェリア、ケニア、ガーナ、ウガンダ、タンザニア】ナイジェリアのクラシファイド広告Jijiが、OLXのケニア、ガーナ、ウガンダ、タンザニア事業を買収。世界トップクラスのクラシファイド事業を目指す(4/4)

ナイジェリアのクラシファイド広告Jijiが、クラシファイド広告大手OLXのケニア、ガーナ、ウガンダ、タンザニアにおけるクラシファイド広告事業を買収する。これにナイジェリアを加えた5カ国のOLXサイトが、今後Jijiにリダイレクトされることとなる。

OLXのリーチ数とJijiの検索、配信アルゴリズムを組み合わせる。両社のプラットフォームが統合されることで、月間800万人のユニークユーザーを保有することとなる。Jijiは、アフリカ最大のクラシファイドビジネスとして3億人の人々に今までにないサービスを提供し、今後2~3年以内に、トラフィック量で世界トップ10に入るクラシファイドサービスとしたいとしている。

この買収は、Jijiの主要株主であるDigital Spring Venturesが資金を提供している。


【エジプト】Uberがエジプトで、レンタカーアプリを提供するDryveと業務提携、稼働していない自動車をドライバーに提供(4/2)

Uber EgyptとエジプトのDryveが戦略的パートナーシップを提携すると発表した。提携により、両社のプラットフォームを利用して、Uberのドライバーになりたい人と、使っていない自分の自動車をレンタルしたい人を結びつける。

Dryveは、アプリを使って自動車の所有者が自分の車を貸し出せる仕組みを提供している。エジプトではレンタカーの75%はインフォーマルに貸し借りされているという。一方、エジプトのUberのアクティブドライバーのうち70%がパートタイムで働いており、ドライバーとして仕事がしたくても車を所有していない人も多い。

今回の提携により、Uberのドライバーとして働きたい人々に解決策を提供でき、Dryveは、Uberにより形成された需要を活用することができるようになる。


【ケニア】Uberがナイロビで、アプリを使わず電話で配車し現金で払うサービスを開始(3/27)

Uberが、顧客層を拡大するため、ケニアのナイロビでアプリの代わりにコールセンターを介して配車するサービスを開始した。Uberは数ヶ月前にデータ利用料が気になったり容量の小さいスマートフォンを持つ人々向けにUber Liteを導入したばかりである。

3月に試験的に開始されたこのサービスでは、利用者がUberが提示する番号に電話すると、担当者が運転手につなぎ、料金を提示する。利用者は運転手の詳細をSMSを受け取り、待合場所で落ち合う。このサービスはUberアカウントがなくても利用でき、最初の電話で利用者は登録のために名前のみを聞かれる。支払いは現金で行う。

ケニアでBold(前Taxify)やLittleと競合しているUberは、市場シェアを高めるため様々な試験的サービスを導入している。


【ケニア】ケニアの物流アプリSendyが競争激化により値下げ(4/1)

ケニアで物流アプリを提供するSendyが、競争が激化する中、価格引き下げを発表した。ナイロビ市内の同日配送を250シリング(270円)均一とするもので、商品の輸送コストを最大80%削減する。配送には2~4時間かかる。

従来は、1時間以内の配達を行うExpressオプションのみ選択可能で、基本料金として250ケニアシリング(270円)を支払い、距離が1km追加する毎に30ケニアシリング(33円)を支払うオプションしかなかった。これでSendyの値下げはこの1年で2回目となる。前回は2018年8月に、集配およびバンとトラックの配達サービスの利用拡大のため配送料を33%値下げした。

ケニアの物流市場には、スペインのGlovoに加え、ナイジェリアのKobo360が参入している。Kobo360は2019年後半にモンバサで事業を開始する予定である。

Sendyの顧客には、SafaricomのeコマースプラットフォームMasokoや、ギフトポータルを運営するPurpinkなどが含まれる。

※1ケニアシリング= 1.1円(モーニングスター、4/6)


【アフリカ全般】DHLがアフリカ11カ国で、英米の小売が出店する輸入eコマースアプリDHL Africa eShopをリリース(4/11)

独DHLがDHL Africa eShopというeコマースアプリをリリースした。世界の小売企業がアフリカの消費者に対して販売できるプラットフォームとして、南アフリカ、ナイジェリア、ケニア、モーリシャス、ガーナ、セネガル、ルワンダ、マラウイ、ボツワナ、シエラレオネ、ウガンダのアフリカ11カ国を対象に開始した。リリースした4月11日現在で、すでにNeiman MarcusやCarters等、米国および英国の200社以上の小売業者が参加している。

DHL は、アフリカで同社が持つ既存の物流システムとネットワークを活かし、DHL Expressの 物流、トラッキング、宅配サービスをもって各地に配達する。eコマース企業Mall of Africaが提供しているeコマースプラットフォームであるLink Commerceを使用し、決済はナイジェリアのPegaやケニアのM-pesaを使用する。

MallforAfricaは、これまでDHLの他、MacyやBest Buyなど多くの有名小売店とのコラボレーションを行っている。2011年に設立され、Helios Investment Partnersから投資を受け、世界の消費財企業がアフリカに参入する際の課題を解決している。DHLとは2015年から物流分野で提携している。2018年にはアフリカからDHLがカバーする220カ国へと配送できるeコマースサイト、MarketPlaceAfrica.comを立ち上げている。


【ケニア、ナイジェリア、タンザニア】アフリカで少額ローンを提供する米Branch InternationalがVisaと提携し、バーチャルなデビットプリペイドカードの提供を開始。シリーズCの1億7,000万ドルの調達完了(4/8)

新興国で個人向けに少額ローンを提供する米Branch Internationalが、米Visaと提携し、アフリカ、南アジア、南米の顧客向けにバーチャルなプリペイドデビットカードの提供を開始すると発表した。Branch InternationalのアプリからバーチャルVisa口座が所有できるようになる。これにより、非銀行口座保有者へアクセスするにはモバイルマネーよりカードが有効なナイジェリアなどでBranchはより多くの顧客にアクセスすることができる。

また、Branchは、Foundation CapitalやVISAからあわせて1億7,000万ドルの資金を調達した。調達資金はアフリカ事業の強化に用いるとともに、ブラジルやインドネシアでの事業開始に用いる。Branchは2018年にメキシコとインドで事業を開始した。アフリカでは現在、ケニア、ナイジェリア、タンザニアで事業を行っている。Branchの2019年度の売上は1億ドルとなり、その約7割はアフリカで生み出される見込み。2019年後半には預金口座も開始する。

今回のシリーズCラウンドには、他には、既存の投資家であるAndreessen Horowitz、Trinity Ventures、Formation 8、IFC、CreditEase、Victory Parkの他に、新しい投資家Greenspring、Foxhaven、そしてB Capitalが参加した。Branchは前回2018年には7,000万ドル調達している。


【ケニア】元OLXとアマゾンのマネージャーが創業者の買い物代行アプリGoBebaがケニアで開始へ(4/10)

元OLXのカントリーマネージャーと元アマゾンの製品マネジャーが、ケニアでオンデマンドショッピング&デリバリングプラットフォームGoBebaを開始する。忙しくて買い物をする時間がない個人をターゲットに、地域の小売店などから買い物した商品を1時間以内に自宅に届ける。顧客は買い物リストをアプリ、電話、テキストでプラットフォームに送信し、GoBebaが商品を揃えて配達する。

同社は今後5年を目処に、ナイジェリア、エジプト、南アフリカ、エチオピア、ガーナ、コートジボワールへの拡大を目指す。


【ナイジェリア】ナイジェリアのeコマースKongaが薬局チェーンの買収を計画(4/17)

ナイジェリアのeコマース大手企業Kongaが薬局チェーンの買収を進めており、2019年第3四半期までに合意に達する見込みという。正規医薬品へのアクセス改善を目指す。

利用者へのラストマイル配達を改善するための費用として、すでにある財団から資金を確保しているという。医薬品が国際基準を満たしているかの確認するための機器の輸入についても進めている。ナイジェリアの医療サービスはいまだに非常に高価であり、都市部、農村部ともにアクセスと提供のスピードに課題を抱えている。

Kongaの現在の株主はZinox Groupで、2018年1月に南アフリカのNaspersとスウェーデンの投資会社AB Kinnevikから取得した。Kongaは最近オムニチャネルの旅行ブッキングサイトであるKonga Travelを首尾よく開始したばかりで、事業の多角化を進めている。


【ガーナ】米グーグルがガーナの首都アクラにアフリカ初のAIリサーチセンターを開設(4/15)

米グーグルが、ガーナの首都アクラにアフリカで初のリサーチセンターを開設した。農業、ヘルスケア、教育などの分野でAIの適用が可能として、アフリカが直面している課題を解決に導く製品を開発する研究基盤を提供することを目的としている。

リサーチセンターの成果の多くは、オープンソースとして開かれており、誰でも利用できる。ペンシルバニア大学と国際熱帯農業研究所のチームは、グーグルのAIであるTensorFlowを使用して、携帯電話で農作物の病気診断を行うAIモデルを構築した。タンザニアでは、AIを使ったキャッサバの病気の診断と管理方法を伝えるアプリの開発が行われており、グーグルは今後さまざまな分野の関連機関と協力することを予定している。

リサーチセンターでは、AI研究に関心のあるアフリカの大学へ助成金の提供や博士号の授与を行う。ルワンダのAfrican Institute for Mathematical Sciences centerでMachine Intelligenceの大学院プログラムもサポートする。グーグル翻訳においても、アフリカの2,000以上あるとされる言語への対応を進める。今後の若年層人口の増加を見据え、フェイスブックや他の技術系企業とも提携する。

一方、2015年に導入したグーグルフォトのタグ付け機能では、黒人を「ゴリラ」と認識してしまったことから批判を浴びてもいる。今後アフリカの人々も含め、サンプルを多様化するためのデータ収集が必要とされている。


【ガーナ】米ドローンZiplineがガーナで医薬品配送を開始(4/25)

米ドローン運営会社Ziplineがガーナで、医薬品配送事業を正式に開始した。4つの配送センターのうちの1つである首都アクラから70km北のOmenakoの配送センターが稼働を開始した。Omenakoからは、80km圏内にある500カ所の医療施設に配達が可能。

緊急医薬品、ワクチン、血液や血液製剤が貯蔵される。残りの3つの配送センターも2019年末までに稼働を予定しており、すべてが稼働すると、3,000万人弱のガーナ人口のうち1,200万人が利用する2,000カ所の医療施設をカバーできるという。病院での過剰在庫による医療用品の無駄も減らすことも期待される。

Ziplineは、ガーナ政府との契約に基づき、今後4年間に渡り、4つの配送センター合計で1日600配送を実施する。ガーナ政府は成功した配送に対して支払いを行い、その合計額は4年間で1,250万ドルとなる。なかには、政府の支出は、病床の不足や医療用手袋の供給、水の安定供給、建物の改築といった、医療セクターが真にもとめているより重要で単純なことに支出するべきだという批判もある。

Ziplineは2014年にサンフランシスコで設立された。ルワンダで緊急時の血液および血液製剤の輸送を2016年に開始、2019年になってワクチンなどより多くの医薬品の輸送を開始した。ガーナはZiplineのオペレーターのトレーニング拠点にもなる予定。セネガルやナイジェリアのいくつかの州政府も導入への関心を示している。


【南アフリカ】南アフリカのインシュアテックNobuntuがベンチャーキャピタルBlue Garnet VenturesとCrossfinの出資先から資金調達(4/30)

南アフリカのインシュテック(保険スタートアップ)Nobuntuは、ベンチャーキャピタルBlue Garnet VenturesおよびベンチャーキャピタルCrossfinの出資先であるCrossgateからの出資を受けた。Nobuntuは現在、葬儀保険や、The People's Fundという名の主力製品である長生きすればするほどリターンが増える貯蓄型年金を提供している。今回の出資による調達資金はこのThe People's Fundの開発と販売やCrossfinの別の出資先である流通で販売するためのオーダーメイド保険の開発に使用する。

Crossfinの別の出資先である流通とは、wiGroup、iKhokha、Crossgate、Innervation といったCrossfinの出資先である企業による9,000以上の小売店およびアフリカ7カ国に渡る13,500のモバイルPOSを指す。Nubuntuはこれらの流通にアクセスできるようになる。

Nobuntuは英国のGo Global Africa 2019プログラムや、米国のFintech AcceleratorのDigital Financial Services Labが選出したアフリカのスタートアップ4社のうちの1つに選ばれている。

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