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アフリカビジネスの今

アフリカベンチャーニュース(2019年3月)

スタートアップ、テック、モバイル、新しいビジネスモデル

更新日:2019年07月28日

カテゴリー:ビジネスに役立つ情報

(写真:無電化地域で伝統的に使われていた屋根上のソーラーパネル、ABP撮影)

アフリカでは今、次々と新しいベンチャー企業が生まれています。世界の投資家からも注目されており、内外からの資金調達も活発です。アフリカならではの事業が発明されていると同時に、シリコンバレーや世界で普及する新しい技術・ビジネスモデルとの時差は確実に縮まっています。

アフリカにおけるベンチャー企業、ベンチャー投資、ベンチャー的な取り組みをまとめました。今月は、豊田通商のドローンベンチャージップラインへの出資、Uberによる競合Careemの買収、MTNの新サービス、フィンテックへの投資の盛り上がり、Pay-as-to-goの家庭用太陽光発電キットのモバイル割賦販売、物流・駐車アプリなどを取り上げています。
日本語で報道されない、現地の生の情報を、1カ月単位でまとめます。
なお、これらアフリカのベンチャー企業に関するニュースは、毎週こちらから配信しています。


【ルワンダ】豊田通商がルワンダでドローン事業を行う米ジップラインに資本参加(3/27)

豊田通商が、ルワンダでドローン事業を営む米ジップラインに資本参加したことが分かった。
ジップラインは、輸血用血液をドローンで運び、医療機関の上空からパラシュートで投下システムを構築した。

豊田通商は子会社のCFAOを通じて、アフリカでの医薬品販売を手がけており、将来のドローン活用も視野に入れている。


【エジプト、モロッコ】Uberが、中東と北アフリカで配車アプリを展開する競合Careemを買収(3/26)

米Uberが、ドバイを拠点とする配車アプリ会社Careem Networksを31億ドルで買収する。Careemは中東と北アフリカ合計15カ国で事業を展開しており、Uberにとっては競合企業。Uberにとってこれまでで最大の買収金額となる。Uberはまた、4月に予定しているとされるIPO直前に買収を行ったこととなる。

UberはCareemに、14億ドルを現金で、17億ドルを転換社債で支払う予定。CareemはUberの子会社となる。買収後もCareemの取締役2人は続投し、ブランドは残し、アプリの統合も行わず、Uberとは別にサービスの提供を継続する。今後15カ国で当局の承認を受け、2020年第1四半期の完了を目指す。

Uberは一部を自社株式で支払い、1株あたり55ドルを基準とする。Careem の大株主で初期から投資を行ってきたAl Tayyar Travel Groupは、少なくとも17億8,000万サウジアラビアリヤル(510億円)が得られると見ている。サウジテレコムは現金と株式で約2億7,400万ドルを得ることを見込んでいる。

※1サウジアラビアリアル=29 円(ブルームバーグ、3/30)


【西アフリカ】MTNグループが西アフリカで「アフリカ版WeChat」をベータローンチへ(3/7)

通信会社MTNグループは、WhatsAppやWeChatのようなインスタントメッセンジャーサービスをベータローンチする予定であると発表した。アフリカ版Wechatのローンチにより、デジタルサービスやモバイルマネーの売上を拡大する。銀行と競争するのではなく、銀行が到達できないセグメントを対象とする。

南アフリカのNaspersが出資した中国テンセントが開発したWeCatのように、チャットから支払いまで幅広いサービスがインスタントメッセンジャー内アプリで利用できるようにする。まずは西アフリカのMTNが事業を行っている国々からサービス提供を開始する。

MTNは現在、アフリカと中東の21市場で事業を展開しており、加入者数は2億3,300万人まで拡大している。アクティブデータユーザー数は1,000万人増えて7,900万人になり、アクティブなモバイルマネー加入者数は2,700万人にまで増加している。 そのため、売上は10.7%増加し、1,254億ランド(9,500億円)となっている。

※1ランド=7.6円(ブルームバーグ、3/8)


【ナイジェリア】家庭用太陽光発電キットの割賦販売を行うZOLA Electricが、ナイジェリアに進出へ(3/6)

庭用太陽光発電キットなどオフグリッド電力を提供するZOLA Electricが、ナイジェリアに参入する。同社は現在アフリカでは、タンザニア、ルワンダ、コートジボワール、ガーナで事業を展開している。

ナイジェリアにおいては、今後3年間で100万以上の世帯と事業体に、スマートストレージと太陽光発電モデルのキットを販売することを目標とする。

ナイジェリアは急速に拡大する経済大国で、2050年までに人工は米国を上回るとされる。アフリカ大陸最大の産油国であり最大の経済規模を有するものの、ナイジェリアの電力網は需要を満たせておらず、1億人が家庭でディーゼル発電機に頼らざるを得ない状況となっている。
ZOLA Electricは太陽光発電キットを割賦販売し、電力使用分に応じてモバイルマネーを用いて返済していくモデルを提供する。ディーゼル発電機に要する平均支出より安価に提供が可能だという。


【ケニア】オーストラリアの駐車マッチングアプリKerbがケニアに進出(3/6)

オーストラリアの駐車アプリKerbがケニアに進出した。Kerbは駐車スペースを貸し出したい人と駐車スペースを探している車両をマッチングするもので、ショッピングモール、教会、学校などの他、自宅、オフィス街、駐車スペースなどと企業や個人をマッチングする。自動車の他、バイク、ボート、トラック、ヘリコプターも対象とする。最低料金は300シリング(330円)。

同社は2016年に設立され、アプリは300都市19言語で利用可能となっている。 同社によると、既存のインフラを利用して渋滞や環境の影響を軽減すると共に、人々が消費するお金を増やせるという理由で、各国政府はKerbを好感しているという。

※1ケニアシリング=1.1円(ブルームバーグ、3/9)


【南アフリカ】金融グループSasfinと送金サービスHello Paisaが年内に南アで銀行を創設へ(3/7)

金融グループSasfinと送金サービスのHello Paisaは、2019年中に南アフリカで銀行を創設する予定である。新銀行では、Sasfinの金融ライセンスと金融インフラ、Hello Paisaのサービスネットワークとテクノロジーを活用する。

新銀行の顧客は、数分で口座を開設することができ、アプリ、SIMカード、VISAのデビットカードを受け取る。手数料は少額に抑える予定で、新銀行は顧客情報を活かしてクレジットカードや保険などのサービスも提供していく予定である。

南アフリカには金融システムの恩恵を得られていない数百万人の人がいるが、南アフリカの4大銀行であるFirstRand、Absa、Nedbank、Standard Bankや新しく金融業界に参入する企業にとって、これらの人々は事業成長のための大きな潜在顧客層となる。南アフリカの人の中には銀行に対して不信感を持っている人もいるが、Hello Paisaは、ネットワークや代理店を活用することでそういった人々の信頼を得ようとしている。


【アフリカ全般】eBay創業者ピエール・オミダイア氏のOmidyar Network が、アフリカと米国のフィンテック企業を対象としたベンチャーキャピタルを開始(3/8)

eBayの創業者ピエール・オミダイア氏が運営する投資ファンドOmidyar Networkが、ベンチャーキャピタルFlourish Venturesの設立を発表した。ピエール・オミダイア氏が3億ドルを出資し、今後5年間でアフリカと米国のフィンテック企業を対象に投資を行う。

Omidyar Networkはアフリカでの投資実績があり、ナイジェリアのフィンテック企業PagaとLidyaに出資している。


【南アフリカ】EconetグループのCassava Fintechがアフリカ各国での送金サービス提供を開始へ、10カ国で展開の予定(3/7)

南アフリカのEconetグループのCassava Fintech South Africaが、アフリカ各国で送金サービスの提供を開始する。Cassavaは積極的な拡大計画を立てており、今後6カ月間に展開する最初の主要10カ国を特定済みである。

Cassavaは、モバイルマネー、モバイルマイクロ保険、支払い、デジタルバンキングなどのフィンテックサービスの開発と拡大において実績がある。アフリカ全体で2億以上のモバイルウォレット口座へのアクセスを提供し、Cassava Remit Limitedのブランド名のもと、英国ですべてのアフリカ諸国に向けた国際送金サービスを提供している。

Cassavaには、競合他社が提供していないCassava Home WalletとBreadwinnerサービスがある。Home Walletサービスは、顧客が出身国でモバイルウォレットを開設すると、世界のどこからでもこのモバイルウォレットにお金を送ることができる。公共料金の支払い、食料品の購入、学費の支払いなどを指定することもでき、送信者が意図したもの以外へ送金額が使われるリスクを減らす。Breadwinnerサービスは、顧客が亡くなった場合に出身国における指定受取人に給付金を支払う死亡給付金サービスで、Cassavaの送金サービスを一定期間使用し続けることを条件として、追加料金なしで利用できる。

※1ランド=7.7円(ブルームバーグ、3/16)


【エジプト】エジプト中央銀行がフィンテックをサポートするため10億エジプトポンド規模のファンドを立ち上げ(3/18)

エジプト中央銀行は、フィンテック事業を支援し、エジプトをオンライン金融サービスの地域のハブとするために、10億エジプトポンド(64億円)規模のファンドを立ち上げた。研究所も設立する。さらに、2019年の終わりまでにサイバーセキュリティセンターを設立する。

エジプトでは、金融サービスへの高い需要があり、銀行があり、通信とオンラインペイメント企業があり、保険会社、規制当局、インキュベーターといった要素が揃っており、フィンテックのパイオニアとなるために必要な要因を兼ね備えている。これらの要因を梃子として、金融セクターの変革を促進してゆく。


【南アフリカ】エストニアの配車アプリBolt(旧Taxify)が食品宅配サービスを開始。まずは南アフリカから(3/21)

エストニアの配車アプリBolt(旧Taxify)は、食品宅配サービスをアフリカと欧州で開始する計画を発表した。エストニア、フィンランド、南アフリカを手始めに、2019年の夏から導入を始める見込み。エストニアではTellitoitやWoltがすでに食品宅配サービスを行なっている。

同社は世界中で、自動車、モーターバイク、スクーターのライドシェアリングを行っている。技術と効率的なオペレーション、多数の登録運転手を融合させ、欧州やアフリカでTaxifyサービスを日常的に使っている多くの人々がいる市場で進出を開始する。価格および運転手の支払い手数料を最適価格に設定した顧客重視思考が、同社の急成長につながっており、今回もその思考は維持するとしている。

同社は最近、社名をBoltに変更するなど、ブランドのアイデンティティを同社のビジョンに沿ったものにするためリブランディングを行なった。


【ガーナ、コートジボワール、セネガル】ガーナの家庭用太陽光発電キット割賦販売のPEG Africaが、シリーズCラウンドで2,500万ドルを調達(3/20)

ガーナの家庭用太陽光発電キット販売のPEG Africaが、シリーズCの資金調達で2,500万ドルを調達した。これまで調達した資金は合計5,000万ドルに達する。PEG Africaは、ガーナ、コートジボワール、セネガルで計6万世帯に、太陽光発電キットを割賦販売している。

これまでのラウンドの調達資金のうち、2,000万ドルが借り入れで、うち1,500万ドルは英開発金融機関CDCによる多通貨ファシリティで、残りの500万ドルはEnergy Access VenturesやBlue Haven Initiativeといった既存の投資家、そして新規投資家であるTotal Energy VenturesやRenewable Energy Performance Platformからの借り入れである。


【ナイジェリア】ナイジェリア最大のオンライン車両取引プラットフォームCars45が、ガソリンスタンドENYO Retail and Supplyと提携(3/16)

ナイジェリアで最大のオンライン車両取引プラットフォームCars45が、ガソリンスタンドのENYO Retail and Supplyと提携した。今回の提携により、全国すべてのEnyoガソリンスタンドで、消費者は車の売買や交換ができるようになる。Enyoにとっては比類のない自動車サービスを提供できるようになり、Cars45は自社の認知度を高められるようになり、自動車取引や修理アフターサービスを一貫で提供できるようになる。

Cars45のサービスは、13州で55ヶ所以上あるENYOサービスステーションでアクセス可能となり、一日あたり5万人以上に提供されるようになる。加えて、両方のブランドが共同して商品を開発する可能性もあり、今後、提携の幅は広がる予定である。


【ガーナ、ケニア】ガーナのスタートアップmPharmaがケニア2位の薬局チェーンHaltonsを買収(3/28)

ガーナのスタートアップmPharmaは、ケニアで2番目の薬局チェーンHaltonsを買収する。mPharmaの東アフリカ進出は初。買収額は500万以下と見られている。Haltonsを所有するプライベートエクイティーファームFanisi Capitalから取得する。

mPharmaは、薬局に向けて医薬品の供給や在庫を管理するサービスを提供している。そのシステムはガーナ、ナイジェリア、ザンビア、ジンバブエで250を超える薬局で導入されている。
同社は現在、シリーズBとして行った1,200万ドルの資金調達を完了させようとしているところで、これまで2015年のシードラウンドで500万ドル、2017年11月に660万ドルを調達している。

Haltonsはナイロビとモンバサに20の店舗を持ち、2018年の売上高は150万ドル。一時ケニア最大の薬局チェーンとして50店舗以上を保有していたが、不採算店舗を閉鎖し、サービス提供の改善に取り組み、現在はケニア2番手となっている。現在、同国ではGoodlife Pharmacyがシェア最大で47店舗を保有しており、南アフリカの投資会社Leapfrog Investmentsが2016年に2,200万ドルを投資している。

mPharmaは、自社の在庫管理システム(VMI)とQualityRxプラットフォームを、ガーナ、ナイジェリア、ケニアの1万4,000店舗超に拡げることを目指している。システムによって薬局店舗の市場支配力を活用することと、ジャストインタイム方式の在庫管理システムを用いて卸売価格を下げることを戦略の核としている。さらに長期的には、アフリカ各国の政府と提携して、医薬品の入手可能性を高めたいとしている。


【ナイジェリア、ケニア】ナイジェリアの物流プラットフォームKobo360が東アフリカ地域でのサービスの開始を発表、ケニアに事務所設立へ(3/25)

ナイジェリアの物流プラットフォームサービス会社Kobo360が、年内目処にケニアにオフィスを開設する。Kobo360は2018年にはトーゴで事業を開始しており、ガーナにも進出する。トーゴ、ケニア、ガーナの港がそれぞれ12%、10%、7.9%と安定的な成長をしていることが、進出を後押しした。

Kobo360は、シッパー、フォワーダー、トラックを結ぶプラットフォームを提供している。セメントのダンゴテセメントやLafarge、ユニリーバなど4,000を超える顧客が利用している。ナイジェリアでは物流費を40%削減したとしている。

同社社長によると、ケニアは東アフリカの拠点かつテクノロジーにおいて革新的な市場であり、同国で成功を収めれば、ウガンダやタンザニアへの進出も可能となる。アフリカでは鉄道による輸送が未発達であることから、短期的な商業輸送需要に応えるためには、現状の10倍の数のトラックが必要となると推定している。


【アフリカ全域】ビックデータの米QuantFarmがアフリカでの市場開拓に向けAfrica Trade & Investment Global Summitと提携(3/26)

ビッグデータ解析を行う米QuantFarmは、アフリカ市場拡大を狙い、Africa Trade & Investment Global Summit(ATIGS)グループと提携する。QuantFarmは、アフリカ諸国の政府と協同し、既存のデータを意思決定や予測分析、デジタル変換などに活用していく方針。ATIGSグループはアフリカでQuantFarmを代表する形となる。

また、QuantFarmは、デジタル化の進展する中で、機械学習、RPA、AIを利用して競争力を獲得したいと考える企業も対象とする。


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